映画 『おくりびと』を観る

秋のお彼岸の今日、東京は、からりと晴れ渡って気持ちの
よい一日だった。

西武新宿線の駅に行くと、彼岸花が一面に咲いているきれいな
ポスターが貼ってあった。高麗川近くの巾着田(きんちゃくだ)
いうところに彼岸花の群生地があるそうだ。

行ってみたいけれど、混雑は避けたい。
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そのかわり、13日から封切られた 『おくりびと』 という邦画
を観た。

求人広告で「旅のお手伝い」とあるから、旅行関係の仕事かと
思い面接試験に出かけた青年(本木雅弘)。

彼は都会での音楽の仕事に行き詰まり、ふるさとの山形に舞い
戻ってきていた。

「旅のお手伝い」とは、じつは誤植で、本当は「永遠の旅立ちの
お手伝い」だと、社長(山崎努)は言ってのける。
(誇大広告の逆手ネ。)
脇役もふくめ出演者の顔ぶれが良く、庄内弁で語られる人の言葉に
真実味がこもる。本木の演じる青年の折り目正しく、真面目な姿に
感動を覚えた。

挫折して故郷に戻るというのは、月並みな選択だが、そういう
安全弁の働いている網の目の緩やかな社会は健全なのだと思う。

お彼岸の日、お墓参りはしなかったけれど、こんな佳作を観ることが
できて、よかった。
写真:18日網走にて。クジャクチョウ(Inachis io タテハチョウ科)
by tamayam2 | 2008-09-23 20:21 | 日々のできごと
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