花の木のしたで

花見といえば、桜花。
そろそろあちこちから早咲きのサクラの便りが聞こえはじめると、
日本人は落着いてはいられなくなる。
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私の心もザワザワするのだが、ドイツ人は、特にサクラだけに
心を寄せるわけではない。サンザシ、ミラベル(スモモの
一種)、アーモンドなどの花木が咲き始め、スノードロップ、
ラッパ水仙やクロッカスなどの球根類が地面からわぁ~と顔を
覗かせると、心がさわぎ、サンドイッチ類を持って森や林に
出かけたくなるようだ。

いま、どこでも梅の花がまっさかりだが、梅の木の下で
どの人もみな幸せそうだ。
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若いお母さんと子どもたちが木の下でキャッ、キャッと笑っている。
老夫婦が静かにウメを見上げて何か語らっている。
お昼休みに職場を抜け出した一団が、ぶらぶら歩きを楽しんでいる。

ウメの木の下で、サクラの花見のように、ゴザを敷き、飲めや
歌えやのパーティーをしている人は見かけない。

ウメはサクラに比べておとなしい感じがするし、花の一つ、一つ
がいいというより、ぼぉ~と霞んでいるような樹形と、
ほのかな香りのするあたりに身を寄せたくなるような暖かさが
よいなぁ。

上は、紅梅。いずれも 7日、新宿御苑で。
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満開のカンピザクラ。4日 小石川植物園で。

このサクラの横の井戸は、旧小石川養生所跡地。
庶民のための施療院。(享保7年 1722年建)
山本 周五郎『赤ひげ診療譚』の舞台になったところ。
この作品を基に、黒澤 明の映画『赤ひげ』が作られた。
三船 敏郎の赤ひげ先生役は、忘れられない。
by tamayam2 | 2008-03-08 10:52 | 日々のできごと
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