【571】信心・信仰・ご利益

台北の四大観光名所は、
①故宮博物館、
②蒋介石を祭った中山紀念堂、
③近代的な高層ビル、イーリンイー(101)
④龍山寺、と言われている。
このお寺は、下町にあって東京で言えば浅草寺のようだ。
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仏教の寺ではあるが、道教、儒教や台湾固有の神様、媽祖など100以上の
神様を祭っていて、内部に一歩足を踏み入れれば、たしかに厳粛な雰囲気が
ただよっている。老若男女みな長い線香を手にして拝んでいる。
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宗旨の細かい差異は問わず、どんな神様であれ、ご利益(りやく)があれば、
とりあえず、お祈りしておきましょう、ということであるらしい。
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黒い衣を着ている人は、ボランティアの人で、参拝客のお世話をしている。
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特別なことで祈る人は、お供えをする。花とか、ペットボトル入りの飲み物、
果物などが多かった。目を見張るような立派な花籠もあるが、ごくささやかな蓮の花と
その周りにユリ科の花だろうか、非常に香りのよい白い花を放射状の並べたお供えも
あり、素敵だと思った。きっと、亡くなった方への供養のためのだろう。
これらの供え物は、お祈りが終わると家に持ち帰るそうだ。

どんな人も長寿を願う。それでも人は、いずれ死ぬ。
残された身内のものは、故人の死を悼み祈る。そのために行うことは、万国共通で
よく理解できる。

日本でも新年になるとあちこちの寺社に初もうでに出かける人が多い。
宗旨はともあれ、何でも祈願しておけば、いずれかの神様が願いを聞き届けて
くれるかもしれないと思う。
どの神様のご利益が顕現あらたかかはわからないから、ともかく
保険として八百万の神々のお祈りしておくにしくはない。
日本人の大半も、初詣などは、とりあえず、今年の幸を神々に拝んでおこうと
いうのが本音ではなかろうか。

こういう考え方は、一神教のキリスト教社会などから見れば、なんだか非常に
ルーズで、節操がない感じがするが、東洋人は、こういうルーズだけれども
もう少し別の表現で言えば、融通無碍(ゆうずうむげ)の生き方も、われわれには
よく理解できる。

ドイツに住んで、住民登録をする際、宗教を記入する欄がある。
私は、キリスト教、evangelisch(新教、プロテスタント)と書いたら、
秘書がイヤな顔をした。日本人なら、ふつう無宗教とか、仏教と書くのに・・・
キリスト教と書けば、キリスト教国では税金が課せられるのだ。
(私はそういうことを知らなかった・・・)

そのおかげでキリスト教会は、市から金銭的援助を受けており、質素ではあっても、
建物の補修費や維持費の心配はしなくてもよいのであった。私がかの地で死ねば、
葬儀や埋葬も市の費用でまかなってもらえたことだろう。宗旨を明らかにするという
ことは、社会的義務も負うことと知り、ふむむ・・・と頷いたのだった。
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こちらは、台湾ではどこででもよく見かけた溶樹、沖縄方面ではガジュマル
よばれる樹木だ。
無数の気根が垂れ下がり、風になびいている。そのうち、気根が地面に達すると、
そこに根を下ろし、やがて独立した樹に成長する。いろいろな木にからみついて、
宿主をがんじがらめにして、ついには、絞め殺してしまうこともあるという。
別名、シメコロシノキとも呼ばれる、なかなか手ごわい木でもあるのですよ。
ガジュマル【クワ科 Ficus microcarpa】

by tamayam2 | 2013-01-07 22:43 | たび
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