9月の第一週に札幌に行ったとき、 “マイバウム” を見た。
地下鉄東西線 西11丁目駅へ行ったら、そこが大通り公園に面していた。 ありゃら、目の前にドイツ風の塔がそびえ立っているではないか。 マイバウム(Mai baum)!ドイツ語では、五月の木、英語ではMay pole。 ミュンヘン市から贈られたものだそうだ。高さ23mもある。 サッポロ、ミュンヘン、ミルウォーキー・・・というのは三大ビールの産地でしたよね。 きっと、ミュンヘンと札幌は、友好都市なのでしょう。 南ドイツの町の広場でよく見かけるマイバウム。 主に手工業者のギルド(同業者組合)の盾や職人が仕事をしている姿を模した人形 などが飾られる。 ふつうは五月に建てられ、翌年に新しくされるまで、一年間そのままにしておく。 五月一日には、このポールの下で、男女が民族衣装を着て踊ったり、歌ったり・・・。 春が来たことを寿ぎ、樹木の精に祈りを捧げるお祭りかなぁ~。 ドイツ民族は本当に森が好きで、森から生命の恵みを受けているという信仰が 強いようだ。 札幌で、北大の植物園に行った。明治19年(1886年)の創設。札幌農学校の演習の ための植物園で、園内に宮部金吾(初代園長)の記念館がある。 ハルニレなどの巨木が茂っており、植物たちはそれぞれの生育環境によって分類 されている。特徴的なのは、ここには、北方民族(主にアイヌ)が利用する植物群 のコーナーがあること。一番目についたのは、猛毒のトリカブト。矢毒として使われたのだろう。 過去ログ:【532】池とうの植物、8月末に、内地のトリカブトが 北海道のものは、エゾトリカブト、奥羽地方(主に青森県)のものは、 オクトリカブトと区別されている。 この植物は、葉と言わず花と言わず猛毒なので、触ることができないが、 ちゃんと花のお顔をこちらに見せてくれたので、奥の蕊まで撮影することができた。 辺りには人影もない。こうしてトリカブトの生い茂る林の一画を歩いていると、 殺人事件の犯人になったようなゾクゾクとした感じがしてくる。 トリカブトは、英語でMonkshoodという。カトリックの司教様などが かぶっている帽子に似ているのだ。ドイツ語では、Eisenhut 鉄兜という意味。 中世の兵士がかぶっている鉄兜ですね。日本語の発想も同じです。 やや開けたとところに茂っていたダンゴギク。これも猛毒ではないが、毒草と いうことで、動物がときどき被害を受けるそうだ。 その隣りに咲いていたのが、ハチジョウギク。八丈島とは無関係の無毒のキク。 鋸歯のある立派な葉がめずらしくて撮っていたら、モンキチョウが飛んで きてくれた。 家にも、マイバウムの鉛製の置物があります。 横の建物は、テラコッタでできた教会の模型。いずれも ドイツでは珍しいものではありませんが、なかなか精巧に作られており、 ドイツ人のクラフトマンシップ(職人魂)を感じるので気に入っています。
by tamayam2
| 2012-09-26 09:19
| たび
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