戸口と窓辺について

戸口と窓辺に関して・・・ドイツの町々の点描です。


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ちょっと見にくいかもしれません。

ピンクのドア枠上部に、
17*I*H*S*08
記されており、

その下の扉上部に白いチョークで、
20*C*M*B*10
記されております。

これは、ドイツの家でよく見られる印なのですが、
上のものは、1708年(日本では元禄時代)にこの家が建てられ、
ラテン語、I*H*S  In hoc salus (この十字架の下に救いあり)
という文字が、1708年の17と08の間に挟みこまれています。

下のものは、今年の公現節に教会にお祈りをしてもらった家の印、
チョークで書かれています。
(教会に献金もしたでしょうから、領収書の意味もあるのでしょうか)

C*M*Bは、Christus Manshionem Benedicat(神、この家に住み給へ)略語。
2010年の、20と10の間にC*M*Bを挟みこみ、
一年の神のご加護を祈る言葉です。
チョークの文字は、一年間消さないでおきます。

  過去ログ:2006年2月 謎の数式?
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これは、かつては、納屋か厩の戸口であったようです。
同じような謎の数式のチョークがかすかに読めます。

ヨーロッパの住宅のドアや窓は、なかなか赴きがあり、
写真を撮る者にとっては、魅惑的な被写体です。
(数多く撮るわりには、いいものが少ないのですが)


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←この写真、
右のドアの上に
謎の数式が
認められます。








ドアの上部には、聖母マリアの像が見えますね。
300年前のご先祖は、さだめし信仰深い方だったのでしょう。
この地方(バーバリアン地方)は、カトリックが多いのです。



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肉屋さんは、
Metzgereiと
いうのですが、
しっかり牛の
マークです。



文盲が大半を
占める中世の
世界では、
絵文字が大活躍
したはずです。








こういう店に入って、自家製ソーセージを何組か(ソーセージは2本で1組)、
ハムを数枚切ってもらって、ワインのツマミにするのは最高です。

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窓辺を飾るカーテンは、特に上等なものではありませんが、
住む人のセンスがうかがえます。子供のいる家でしょうか。
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窓辺の花は、ゼラニウムやペチュニアが主流です。
ときには、ブドウやノウゼンカズラのような蔓草が、窓辺を
華やかに彩ることもあります。
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どんな人が住んでいて、どんな暮らしがあるのでしょう。
みなそれぞれに個性的で、住む人が外の人に向けて、
Willkommen (どうぞ、お入りなさい) のメッセージを
伝えています。
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カーテンのある小窓、花のある窓とノウゼンカズラが絡みついた家の窓は、
上部が内側にスライドしていますね。この日はちょっと暑かったのです。

ドイツの窓は、きっちり閉めるか、全開か、上部だけ開けて
風を通すか・・・の三種類あります。日本には無い特殊な金具が窓枠に
装着されていて、ノブの角度で3種の開け方ができるようになっています。

Tamayam2が日本でもぜひほしいものが、この窓枠です。
もの作り大国日本。ヨーロッパ式古典的窓の開閉問題を
研究して、ぜひ製品化してほしいです。

外から見られたくないが、ちょっと風を入れたい時、
この上部スライド式は非常に便利です。
by tamayam2 | 2010-09-11 05:37 | たび
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