チュ-リップいろいろ

この絵は、1608年フランス、Florilegiumという本に
収められている植物画、今ふうに言えば、フローラル
アートです。(米国 The Cleveland Museum of Art蔵)


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ずいぶん花数の多い、変わった植物です。

左にチョウが描かれているのは、いいとしても、
右下には、そのチョウ幼虫である毛虫まで
描かれています。
(チョウ好きには、うれしいことですが・・・)

茎の長い植物らしく全景が画面におさまらないもの
だから、茎を途中でちょん切っちゃった!
大胆なデフォルメ、少々ユーモラスです。
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こういう植物は実際に存在します。
2008年4月、ボンの植物園で撮影。
フリチラリア【ユリ科 Fritillaria imperialis】
日本名は、瓔珞(ようらく)ユリ、バイモ〔貝母〕などと
同じ仲間です。
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西洋の庭園では、中央部に堂々と配置され、
ひときわ高くそびえているさまは、立派なものです。

ドイツ語ではKaiserkrone 王様の冠という意味。
チューリップの中の王の王、園芸家に愛され、高値で
取引されるのでしょう。

チューリップと言えば、オランダが有名で、西洋の
花のようですが、じつは、トルコ原産です。
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オランダは、トルコから球根を買い、品種改良を重ね、
一大産業に成長させたのです。
チューリップの取引をめぐっては、殺人事件も起こるし、
小説種にもなるし・・・この美しい花は、人を狂わせる
魔性を秘めているようです。


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ベルリンの
植物園で見た別のヨウラクユリ

チュリーップの原種は、丸みを帯びておらず、細長い形
をしています。


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トルコのタイルに描かれたチューリップとカーネーションのモチーフ。

ブルーのものがチューリップ。
カーネーションもトルコ原産の植物です。
by tamayam2 | 2010-04-18 22:44 | 日々のできごと
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