だまし絵展

先月の末、渋谷Bunkamura で開催中の、
奇想の王国・だまし絵展に行ってきた。
                   展覧会のHPはここ
こういう系統の絵は、昔から好きだ。
マルグリット、エッシャー、ダリ、歌川国芳や北斎も。

今回の展覧会のポスターの表紙に載っている
ルドルフⅡ世の肖像画は、全体が野菜、果物、花から
成っていて、ワクワクさせられた。
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あなただったら、自分の肖像画が、
リンゴのほっぺや、サヤインゲンの眉毛などで
面白おかしく戯画化してあったら、怒りますか?

この王様は、この絵を見て、カンカンになるどころでは
なく、この絵を描いた画家アルチンボルト(Archmboldo)
の着想の奇抜さをこよなく愛されたのだ。

神聖ローマ帝国の王であったルドルフⅡ世(1552-1612)
は、政治には無関心であったが、文化・芸術の
よき理解者であり、擁護者であったらしい。

この作品は、スェーデンからの出品であったが、私は、
2007年にオーストリー、ウィーン美術史美術館で、
アルチンボルトの奇妙な肖像画を三点観て面白く感じた。
たまたま絵葉書が残っていたので、ご紹介しよう。


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【野菜と果物
 原題は夏】











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【海の生物
 原題は冬】











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【木の幹や根
 原題は不明 
  秋かな?】
















魚介類を素材に使った肖像画は、グロテスクで、ぞっとする
ような迫力がある。魚介類を生で食する日本人は、こんな顔
に見られているのではないかと、そっと辺りを見まわして
しまった。

いろいろなタイプのだまし絵が展示されており、だまされて
びっくりしたり、作者の意図を見抜いて得意になったり愉快な
時を過ごした。

一番面白かったのは、逆遠近法という手法を使った現代的アート。
パトリック・ヒューズ(英国人)の「水の都」という不思議な
作品。
どんな作品か、彼のHPでどうぞ。

8月16日まで開催されているようだから、一度だまされて
みては、いかが?
(夏休みに入ると、子供連れで混雑するかも・・・)
by tamayam2 | 2009-07-15 16:37 | 日々のできごと
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