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【686】スキマ植物

私のリンクにあるBlog「太美吉の楽書」には、「うまれたばしょでさく」という
タグがある。

敷石の間、ブロック塀と道のスキマに生えて、花を咲かせている植物の
スナップが集められたり、67枚!

そういう細部に宿るささやかな命に心寄せる太美吉さんという方は、
お目にかかったことはありませんが、きっと心やさしい方なのだろう。
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私は、長らくこういう道端のスキマ植物を不遇な植物だと思っていた。

考えてみたらいい、例えば、広いお庭のあるお屋敷に育つ子どもと、
他人の家の軒先の陰にひっそりと建つ小住宅で育つ子どもと・・・
前者の子どものほうが幸せに決まっていると・・・。
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しかし、最近出版された上の本を読んで、目から鱗・・・非常に驚いた。
中公新書2259 『スキマの植物図鑑』塚谷裕一著
筆者、塚谷氏によると、こういう植物は、憐れむべき気の毒な植物ではなくて、
むしろ非常にラッキーな植物だというのだ。
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私どもは、ヒトの立場から自然界を見てはいけない。

植物にとって幸せな環境とは、塚谷氏によれば、
「水も肥料も潤沢にあり、通風も適度にあって、そしてさんさんと太陽の光が射す
状況」が、「一か所に根を下ろしたまま動くことができない植物にとって、光合成を行う
は最高の場所」なのだそうだ。
であるからして、
「コンクリートの裂け目、アスファルトの割れ目、石垣の隙間、ブロック塀や電柱の根元」
など、我々の生活圏のすぐ身近にある環境に、偶然にも種を落としたものは、非常に
幸運な存在と言えると言うのだ。
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ああ、彼らの生存の営みの根幹が光合成であることを、つい忘れていた!
さて、この本を読んでから、私も“スキマ植物”を意識して見るようになると、
ほんとうにまぁ、いたるところにこうした“スキマ植物”が見えてくるのだ。
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あるものは、園芸用植物が庭先から逃げ出したもの、あるものは、鳥のフンを介して
運ばれたもの、あるものは、種が勢いよく弾き飛ばされて・・・着地したところが、
コンクリートの割れ目だったり・・・。
そういう植物は、冬の間に地中に深く根を下ろし、春になるとすくすくと伸びていきます。
周りに競合する植物も無ければ、燦々と照る太陽の恵みも独り占め。
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こういう場所に生える植物を雑草とばかりにせっせと抜く人もいるでしょう。
うまく生き延びて、居場所を確保できれば、シメタものです。
生きとし生けるもの・・・みな光と空気、水分が必要です。
筆者の塚谷氏の植物対する暖かい視線に感動しつつ、身近な植物の健気な力を
称えたい気持ちが、どこからともなく湧いてくるのです。

この書物、2014年3月25日に発行されておりますのに、なぜか書店でお目に
掛かりにくいのです。有名なA社に注文しますと、中古本しかなく、
定価が1000円なのに、倍以上のお金を払うはめになりました。
地方の古書店から送料を払って、手に入れたのです。

今年の3月に発行され、翌月に注文を出しているのに、新本が買えないとは、
いったいどういう仕組みになっているのでしょう。
これは、日本の出版界の七不思議です。

by tamayam2 | 2014-05-25 23:56 | 日々のできごと | Comments(24)

【671】グアテマラで見たチョウたち

先回【670】で羽の透けたチョウについて書きました。続きというほどでは
ありませんが、保護区で、また道端で見かけたチョウをまとめてここで
ご紹介いたします。中には、ややぼやけているものもありますが・・・ご勘弁を。
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これは白黒ですが、黒地に黄色のもたくさん見かけました。
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今回のグアテマラ旅行でできたら、植物や蝶の図鑑を買いたかったのですが、
そういうモノがあまり見当たらずちょっと意外な気がしました。
   ガイドの話「グアテマラ人はあまり本を読まないからねぇ~」
そういう事情もあるのでしょう。
もう一方で、アメリカ、メキシコなどで出版されるもので間に合うので、
敢えてグアテマラ国内で出版する必要がないという事情もあるようです。
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やっとAntiguaの本屋で、『Plants of Costa Rica』という本を見つけ買いました。
中米の国々は、以前書いたとおり“ガホサニコパ”と接近してまとまっているのですから、
グアテマラだって、コスタリカだって植物にそう違いがあるわけではないのです。
知人がチョウなら、『Mariposanes Mexicanes』(メキシコの蝶)がいいと推薦してくれた
ので、今度はそれを手に入れようと思います。
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Tikal遺跡は、グアテマラ・シティーから飛行機で1時間北へ飛んだFloresから更に
車で1時間奥地に入った密林の中にあります。メキシコ国境寄りで、赤道に近くなる
ため、たしかに暑かったです。午後にスコールにも遭いました。
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ガイドに従ってゆっくり歩きながら密林に点在する遺跡群を見て歩きます。
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私は、チョウがいると撮影したくて立ち止まってしまうのですが、グループの群れから離れると
まずいわけです。(苦笑)
もう少し、チョウを追いかける時間があればなぁ~と思ったことです。
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密林の中には、チョウだけでなく、クモザル、ピューマ、ハナグマ(アライグマの仲間)、
鳥類では、白シチメンチョウ、オオハシ、インコの種類、ハチドリなども住んでおり、絶えずサルの
けたたましい鳴き声がギャー、ギャーと響いているのでした。
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名が不明なチョウもいますが、ここに載せておきます。

by tamayam2 | 2014-03-15 11:15 | たび | Comments(7)

【636】Blog友の出版に思う

Blogで何年がお付き合いしている宮沢賢治研究家のネネムさんが、
『イーハトーブ・ガーデン』という写真・エッセイ集を出版された。
彼女がここ数年熱心に撮り続けているカワヤナギの花芽の表紙だ。
この本については、ここ でご覧になれます。
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彼女の視点は常に、賢治が愛した植物を実地に見ること、賢治がどう名づけたか、
作品中でどう表現しているかを探ることに凝縮される。その視点が素敵だ。
専門家ならではの考察にいつも教わることが多い。
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宮沢賢治(1896~1933)は東北の限られた地域で活動し、若くして亡くなったのに、
彼の世界観、自然観は、おどろくほど自由で、広く、膨大な作品中で扱っている樹木
の数は120種、草花は260種余り・・・賢治が生きていた時代には、珍しかったと
思われる園芸種や、シダや地衣類など特殊なものも含めると一大植物誌となる。
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私は、ネネムさんのBlogで、ノブドウが“めくらぶだう”、ヤナギが“べむべろ”と
賢治の作品では呼ばれていることを知った。
私が密やかに愛しているサイカチヤドリギなど、かなり特殊な植物も登場する。
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日本の詩歌で愛されている花鳥風月の世界とは異なった賢治の美意識の世界がある。
賢治の表現は、現代にも通じる新鮮な言葉で綴られる。文学には門外漢の私にも興味が
尽きない。
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ネネムさんのBlogを初めて紹介してくださったのは、大阪在住の「Festina Lente」の寧夢さんという方。
ネネムさんと同時に「今日も楽しくCiao!」のBellaさんもご紹介くださった。
あなたがきっと気に入るBlogだと思って・・・と。
(寧夢さんとBellaさんのBlogは右のリストにリンクがあります)

そういうBlog友とのお付き合いは、かれこれ4,5年になるだろうか。
植物が好き、写真が好きという共通項だけで、こんな素晴らしい方々と知り合いに
なることができて、本当に幸せだ。
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私がBlogを初めて今年で10年になる。はじめは何を書いてよいかわからなかった。
その内、何かテーマを持ちたいと考えるようになり、私の場合、植物という大きな
テーマは決まったものの、ネネムさんのように絞り込めていない。そこいらへんが
私の限界なのだろうが・・・Blogという新しい手法で、自分の視野を拡げてくれる人たちを
たくさん知ることができたこの10年に感謝でいっぱいだ。
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9月の野原を歩いていると、どこでもよく目につくのがセンニンソウ
センニンソウ【仙人草 キンポウゲ科 Clematis ternifloea】
学名が示す通りクレマチス、テッセンの仲間。花の後には、風車のようなひげ根が伸び出て(それが仙人の髯のように見える)
種を盛大に飛ばす。頑強で他の植物に絡み付いてはびこり、毒草でもあるのだが、
花は花嫁のブーケにしたいほど可憐でかわいい!?

野原で、ダンギクという植物を見た。
菊の葉に似ているがキク科ではない。
ダンギク【段菊 クマツヅラ科 Caryopteris incena】

同じクマツヅラ科のカリガネソウもその近くで見たが、花の形は違うものの、
近縁種らしい。風に揺れる花は、本当に鳥の姿のよう。雁がねは雁だが、
私には中米で見かけるケッツアルという鳥のように見える。
カリガネソウ【雁がね草 クマツヅラ科 Carypteris divaricata】

by tamayam2 | 2013-09-23 14:07 | 日々のできごと | Comments(8)

【629】『星の王子さま』の世界

『星の王子さま』というサン・テグジュぺリ(Saint-Exupéry)の作品がある。
一見子供の童話のようだが、子供の発言を装いつつ彼独自の文明論を展開していると言われている。
サン・テグジュぺリ(1900~1944)は、飛行機に乗り消息不明になって消えてしまったから、生涯も悲劇的だ。
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この本は世界のいろいろな言語に翻訳され、親しまれている。
原文がフランス語のものを、なぜかドイツ語で読もうという人たちがあって、
お仲間に入れていただき、最近やっと結末近くになってきた。

その人たちと一緒に、6月末、箱根にある「星の王子さまミュージアム」という所に
出かけた。子供だましのテーマ・パークかと思ったが、展示物は、
作者の生涯や作品をていねいに辿っており、興味ふかいものだった。
「星の王子さまミュージアム」の案内は、ここ
よく植栽された庭に、登場人物のオブジェが点在していた。
作者の魅力的な挿絵が立体的に再現されたもの。

王子は自分の住む惑星から宇宙に飛び出し、いくつかの小惑星を訪問する。
まず訪問したのは、王様の国であった。
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開口一番、「おお、民が来たか!」・・・
王子:(一度も会ったかことがないのに、僕がだれだかわかるのかな?)
・・・王様というものにとって世界はとても簡単で、人はみな民であるのだ・・・
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その後、王子は、大物気取りの男、酒びたり男が住む惑星を訪問した後、実業家の惑星を訪ねる。実業家は、王子の顔も見ないで、何かせわしげに計算をしている。
5億162万2731・・・この数字は彼の所有する惑星で彼はその管理をしている。
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次に訪問した惑星は、とても小さい惑星で、住民はガス燈の点灯人しかいない。
この小惑星は、一分に一回自転するから、この男は一分おきに灯をつけたり消したりしなければならない。
「どうして、こんなことをするの?」という王子の質問に、「そういう指示だから」と答える。
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6番目の惑星で会ったのは、地理学者
地理学者は、研究室にこもって探検家の報告が正しいかどうかを検分し、記録するのが仕事だと
言っている。なにしろ探検家にはほら吹きが多いから・・・と探検家の仕事に疑いをもっている。。

我々も仕事と称して、いろいろなもの、ことに関わり合いになり、それ以外には
関心をもつ余裕もなくアクセクとしながら暮らしている。王子様の純粋な眼で
この人間社会を見れば、だれでも一人残らずこのように滑稽に見えるのかもしれない。

存外、人間の真の姿を言い当てているのかもしれないと思わせる点が、
この話の不思議な魅力になっている。
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解説書を読むと、実業家が計算している妙に具体的な数字、5億162万2731は、
第二次大戦で犠牲となったユダヤ人の数と一致するという。サン・テグジュぺリの
こだわりが、至るところに潜ませてある。

この彫刻の置かれている植え込みで見た植物2つ。
ギボウシは、日本では特に注目されないが、ヨーロッパでは、日本を代表する植物のように扱われていて、
日本庭園には必ず植栽されている。
斑入りの葉がきれいなのと、花の蕾の形が、コリント様式の神殿の柱の装飾模様に
似ている。
日本人は、橋の欄干の柱頭を覆っているものと似ている、と感じ仏教的な名をつけた。
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ギボウシまたは、ギボシ【擬宝珠 ユリ科 Hosta】

冒頭の花は、オドリコソウの仲間、園芸種のラミウム。葉も美しいが赤紫のきれいな花を初めて見た。
ラミウム【ツルオドリコ草 シソ科 Lamuim】

by tamayam2 | 2013-08-24 10:16 | たび | Comments(4)

【547】トケイソウによせて

路上Watchingと称して町を歩きながら、よそ様のお宅の垣根の植物を
観察して写真を撮っている私は、不審者と見られては困るので、慎重にしずしずと
歩いている。
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先日、豊島区で見た高い塀から逃げ出したトマト・・・そのお宅なのだが、
塀の別の側からは、トケイソウの実が垂れ下がっていた。
過去ログ:【542】九月の末に
高いところに咲き終わった花がいくつか残っているようだが、花殻や実が道ばたに
落ちているものだから、Tamayamは好奇心を抑えきれず、また写真を撮ってしまった。
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よく調べてみるとこの種類は、クダモノトケイソウと言って食べられる種類のようだ。
それなら、なおさら、もったいないことと吝嗇なTamayamは思う。

このお宅の主はご老体で、だれかの手助けがないと高いところの植物の世話も
ままならないのかもしれないと考えたりもした。
(なにしろ、蔓草というのは、どんどん上の方へ上っていってしまうからなぁ~)
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この種のトケイソウは、どこかで見たと思ったら、9月に出かけた函館の熱帯植物館だった。
副花冠と呼ばれる部分がちりぢりに縮れていて変わった形をしていた。
もともとは、中央アメリカや南米の暑い地方のもの。この植物園は、湯川温泉の
熱を利用して熱帯植物を育てているのだ。
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上から見るとわからないが、横から見ると3本の雌蕊が時計の長針、短針、秒針の
ように見え、そこから時計の文字盤というイメージが生まれた。キリスト教国では
Passiflora、または、passion flowerと呼ばれる。情熱のpassionではなくて、
キリストの受難を表すpassionだ。
南米各地で宣教した宣教師は、中心の子房柱を十字架、
3本の雌蕊をキリストを磔(はりつけ)にした釘と見立てた。
副花冠は、キリストの頭の茨の冠というイメージで、福音を語り継いだらしい。

ふむふむ、それほどまでに、この花は、造形的に立体的で不思議な形をしている。
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閑話休題。
『文藝春秋』十月号の巻頭随筆に、渡辺 和子という方がエッセイを
書いていらっしゃる。この方は、カトリックの修道女なのだが、若いとき
修練院での修行中、百数十のお皿やコップをテーブルに並べる作業をしていたとき、
このような単純労働を機械的に、義務的に片づけていたら、修練長に叱られたという。

「あなたは、何を考えながら仕事をしているのですか?」
さらに、修練長が続けて言う。
「時間の使い方は、そのまま命の使い方なのですよ。同じ仕事をするなら、
やがて夕食の席につく一人ひとりのシスターのために祈りながら(皿を)並べて
いきなさい。」
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シスター渡辺は、当時を振り返ってこう言う。
「その席に座る一人ひとりのシスターに、『お幸せに』と祈ったからといって、その方が
幸せになったかどうかは、わからない。しかし、これは、自分の時間の使い方、私の人生
の問題なのだ。そう思って仕事をしていると、自分の顔から自然に仏頂面が消えていった。」
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私は、この方のことを全然知らなかったのだが、Webで調べると、85歳の
立派な経歴を持つ方で、今年4月に出版された著書『置かれた場所で咲きなさい』
(幻冬舎)は、9月末に21版を重ね、65万冊も売れているという。
それは、本離れの進んでいる現代においては、やはりすごいことなのだ。

本を読んでみると、何かむずかしいことを言っているのではないのだが、人生の深い真理について、
なるほどと考えさせられる。
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この方は、インドのマザー・テレサが来日したときに、アテンドや通訳をなさったようだ。
マザー・テレサは、炊き出しの食事を貧しい人に与えるシスターたちに、3つのことを実行するように
諭したという。

1.パンとスープを渡すとき、相手の目をみてほほえむこと。
2.相手の手に触れて、ぬくもりを伝えること。
3.短い言葉でいいから、言葉掛けをすること。


日々の仕事や作業に追われていると、重要なことが 抜けてしまうことがある。
作業の能率や結果ばかりに目をうばわれ・・・それが、何のために、
誰のためにやっているのかわからなくなってしまうのだ。

私も、この本を読んで以来、そうそう! とうなずきながら・・・ちょっとほほえんで
みたり、鏡を見て、自分の人相がすこしは改善されたか確かめたりしています。

この一年間に撮りためたトケイソウを載せてみました。園芸種も含めると500種以上にも上るそうです。
トケイソウ【時計草 トケイソウ科 Passiflora  caerulea】
by tamayam2 | 2012-10-14 00:14 | 日々のできごと | Comments(21)

【544】三連休の前に

最近は、月曜日を祝日にして、土、日、月と三連休にしてしまうことが多い。
十月の第1週に信州に行こうと思っていたが、混雑を避けるため、急に思い立ち
連休前に出かけることにした。
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この赤い原は、何の畑だと思いますか?

Blog仲間のNickさんが、毎年ご紹介くださる長野県箕輪(みのわ)町の、
「赤ソバの里」の風景です。
高嶺ルビーというヒマラヤ原産のソバの種を観光用に植えているそうです。
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ネパールの人もソバを食べているのですね。
西洋でもbuckwheatは、パンやパンケーキの材料として健康志向の方に人気があります。

さて、「赤ソバの里」は、伊北ICを降りてから、案内の道しるべを頼りに農道の中に入って行きます。
しばらく行くと、町のボランティアの方が管理している駐車場に着きます。
そこから少し歩いた谷あいの一角が赤ソバ畑です。
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赤に近い濃いピンクから、比較的薄いピンクまで、ソバの花が一斉に風に揺れて
いる様は壮観です。アカタテハやキチョウも見ることができました。

町の人が経営するにわか造りのソバ屋さんで赤ソバのザルもいただきました。
歯ごたえあり、しっかりしまったソバのお味でした。
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駐車場の入り口に小高い丘が築いてあり、ヘヴンリーブルーでしょうか、たくさんの
青いアサガオの花の塔ができていました。駐車料金も、入園料も無料で・・・申し訳け
ないようなサーヴィスを受け、箕輪町の心意気に感動しました。今年は、13日に
閉園するそうです。
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新田次郎の小説に、『聖職の碑(いしぶみ)』というのがあり、大正2年(1913年)8月に
起きた山岳遭難事件がテーマになっています。
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「中箕輪尋常小学校の修学旅行で赤羽校長に引率された37名の児童が
 伊那駒ヶ岳に登り、急な天候変化のために11名が遭難した事件」と
 本の解説に書いてあります。ちょうど100年前の事件です。

 伊那駒ヶ岳とは一般的には、木曾駒ヶ岳のこと、私がロープウェイで登った「千畳敷
 カール」のさらに上の方らしいです。3000m級の高地に小学生が徒歩で登ったとは、
 信じられないことです。

by tamayam2 | 2012-10-06 15:11 | たび | Comments(16)

ケセン語訳聖書

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ケセン語ってご存知でしょうか?

東北地方の宮城県気仙沼市近辺の方言というより、
岩手県陸前高田市、大船渡市辺りの方言をケセン語
言うようです。
ここに長年住み、医院を開業している
山浦玄嗣(はるつぐ)というお医者様がおられます。

この方は、土地の人に聖書の言葉を伝えたくて、
ケセン語訳聖書(4つの福音書)を出版されました。
震災の起こるずっと前のことです。
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聖書の中の言葉、例えば、
「心の貧しい人は、幸いである。天の国は、その人たちの
 ものである。」 マタイ5章3節  新共同訳

ケセン語訳では、このようになります。
「頼りなぐ、望みなぐ、心細い人ぁ、しあわせだ。
 神様の懐に抱がさんのぁ、その人達(ひだぢ)だぁ。」

心の貧しい人とは、だれのことだろう?
凡人には、よ~くわかりません。でも、この訳なら
わかります。
「頼りなぐ、望みなぐ、心細い人」のことなんですね。
震災後の日本人は、みな「心貧しい人」です。

山浦氏は、震災後、とても有名になられましたから
ご存知の方もおられるでしょう。ケセン語のことは
こちら のページがくわしいです。または、こちら。
大震災に遭われた方々の中にこんな方がおられたのですね。

聖書のような世界中の人が知っている書物を、
ギリシャ語から、ケセン地方の庶民、だれにでもわかる言語に
意訳して、伝えようするその情熱はどこから来るのでしょうね。

翻訳の言葉は、とかくわかりにくいもの。掻痒隔靴(そうよう
かくか・・・靴の上から痒いところを掻くようなもの)の感が
あります。でも、山浦先生のケセン語の聖書は、ケセン語の人
たちに直接訴えかけるわかりやすさと温かみがあります。
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山浦先生のことを知ったのは、
最近出版された「イエスの言葉 ケセン語訳」
文春文庫839 2011年12月20日出版で。

東北地方の方だけでなく、日本語の豊かさに関心のある
方々に読んでいただきたい一冊です。
by tamayam2 | 2012-01-25 07:30 | 日々のできごと | Comments(18)

バオバブの木

「・・・仕事には先延ばしにしても大丈夫なものも、たまに
 ある。でも、バオバブの場合は、絶対取り返しがつかなく
 なる・・・抜くのが遅くなると、二度と取り除けなくなる。
 そうして星全体をおおう。根が星を貫通する。星はとても
 小さいからそんなバオバブが増えすぎると・・・」
        
      サン=テグジュベリ『星の王子さま』より


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バオバブの木について初めて知ったのは、この本の挿絵
でした。たいていの日本人は私と同じではないかしら。
バオバブの木って、アフリカやマダガスカル島などでしか
見られない木だそうです。
バオバブ【baobab パンヤ科 Adansonia digitata】
京都府立植物園の温室で、この木を見ました。
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枝を色々な方向に広げている様は、まるで木がさかさまに
なって根が天に広がっているような様子と、ものの本には
書いてありますが、温室では、それほど自由自在に枝は広げ
られない様子でした。ま、でも幹も太く、巨木になりそうでした。
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つぼみが垂れ下がっていたのですが、私の手の平にちょうど収まる
ぐらいの大きさ。夜間にいい香りとともに開花するそうです。一日花。


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昼間は
見ることが
できない
ので、
植物園の
HPの
写真で
どうぞ。







中心に雌花があり周囲をぎっしりと雄花がとり囲んでいます。
珍しい樹木を育てるのも植物園のひとつの使命なのでしょう。
そのほかに、キソウテンガイとか、アアソウカイという珍しい植物を
見ました。
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私が関心をもっているウマノスズクサ科のこんな花もありました。
ちょっと宇宙人みたいですね。原産国は中米。
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薄暗いところに密集していると、ちょっとドキンとしてしまいます。
アリストロキア サルバドレンシス【ウマノスズクサ科 
     Aristolochia salvadorensis】


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by tamayam2 | 2011-09-26 13:43 | 日々のできごと | Comments(20)

伊吹山のお花畑

長いあいだ行きたいと思っていた田中澄江「花の百名山」
の一つ、伊吹山(標高1377m)に行く機会が与えられた。
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植物の中には、イブキトラノオとかイブキジャコウソウ
とかイブキという接頭辞がつく植物群がある。伊吹山には
固有種も多いと聞いている。
天下の分け目、関ケ原の近くから、伊吹ドライブウェイで
山頂近くまで車やバスで行ける。
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草原で今目を引くのが、ルリトラノオの群生。(写真上)
これは、伊吹山の固有種の一つ。写真の背景にぼんやり
ピンク色に見えるのは、もう一つのお花畑の主役、シモツケソウ


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ルリトラノオの葉は対生であるのに対して、よく似ている
クガイソウは、葉のつき方が輪生である。(写真下)
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青いブラシのような花々が風にそよいでいる。

山頂まで40分ほど歩いたが、その日は、カンカン照り、
しかし、ときどきガスが発生して、辺りがぼぉーと
かすんでくる。
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霞の中に蝶の形らしいものが見えた。ただし、遊歩道から
離れているので、立ち入ることができない。ヨツバヒヨドリ
の群生の中に、浅黄マダラもふわふわと飛んでいるのが見えた。
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後で、この初見の蝶は、サカハチチョウとわかった。
山地に多い蝶で、イラクサ科の植物を食草にするらしい。
イラクサ科の植物も目についた。
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こちらは、クサコアカソ
クサコアカソ【草小赤麻 イラクサ科 Boehmeria tricuspis】
この草は、虫に盛大に喰われていて、その犯人は、
この幼虫だった。マダラ蝶の幼虫のようだが・・・?

追記Blog仲間のdojou7さんから、
これは、フクラスズメ(ヤガ科)
の幼虫と教えていただきました。ありがとうございました。



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この山は、
関東から
出かける
には、
ちょっと
遠い。
何しろ
山頂から
琵琶湖が
見えると
いう。
滋賀県と
岐阜県の
境に
位置して
いる。

機会があれば、別の季節にぜひ再訪したい。
花も蝶も両方楽しめるから、私のお気に入りの山に
入れちゃおう。
by tamayam2 | 2011-08-11 09:03 | たび | Comments(10)

新年 登山2011年

新年おめでとうございます。
山陰地方では、大雪で交通がマヒして大変だったとか。
みな様のところでは、いかがでしたでしょうか。
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私は、2008年から、元旦にはできれば普段
住んでいる場所よりちょっと高いところに登って
眺望を楽しみたいと考えています。

2008年は、ミシュランの星に輝く高尾山(599m)へ。
2009年は、前年の混雑に懲りて、鎌倉天園ハイキングコース
        から駿河湾、富士山を望む。
2010年は、湯河原、幕山(625m)
2011年は、昨年3月に出かけた筑波山(877m)を
         再探訪。

筑波山は、深田久弥の「日本百名山」にも入っているが、
小林泰彦の「日本百低山」文春文庫にも含まれている。
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手前は男体山 ↑
私のような体力のない者でも、ローブウェイを利用すれば
あっという間に女体山の頂上付近に到達できる。

何と言ってもうれしいのは、 筑波山きっぷ という
特別きっぷ。これは筑波エキスプレス、路線バス、ロープ
ウェイ、ケーブルの料金が込みで4300円。
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山頂からスカイツリーもうっすらと見えたが・・・
朝7時に家を出て、秋葉原から成田エキスプレスに乗り
筑波へ。その後、女体山、男体山を制覇、下山後、温泉を
楽しみ、午後5時には帰宅できるという超らくちんコース。

同行者が下の歌を諳んじていた。古代にはロマンティック
な歌垣の霊峰。

筑波嶺(ね)の 嶺(みね)よりおつる 男女川(みなのがわ)
           恋ぞつもりて 淵となりぬる  陽成院

百人一首におさめられている歌。
女体山とか男体山とか、男女川(みなのがわ)とか、
非常になまめかしい地名が残っている。
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頂上付近の展望台の前に大きな焚き火ができていた。
立ち枯れた大木の丸太だろうか、山を守る人々の
暖かさが身にしみた。帰りには、ちらちらと白いもの
が舞い始めたが、まあまあ穏やかな新春の一日だった。
by tamayam2 | 2011-01-03 11:50 | 日々のできごと | Comments(20)