タグ:人 ( 58 ) タグの人気記事

【557】石見銀山と群言堂

群言堂(ぐんげんどう)というユニークな会社がある。
主に、衣類、服飾品、生活雑貨を作って売っている。素材は、昔から日本にあるものを見直して
現代の生活にマッチするように工夫されたもの。そして、失われかけた日本のモノ作りの技術を
再評価するような仕事をしている。
“エコ”とか、“和のテイスト”といったベラベラした風潮とは一線を画している。
会社のHPはここ

群言堂の服を初めて買ったのは、東京の小田急デパートで、かれこれ10年ほど前の話。
10年も経つのに、布地の風合いや着心地がますますよくて捨てられない。海外で着れば、
さり気なく日本をアッピールできる。織りも、染めも、刺繍も昔から日本にある技法だし、
なんだか落ち着くのである。
会社の本拠が島根県の山奥にあるというのもユニークだし、設立者ご自身の理想や信念
を若い人に伝えつつ、地元に仕事を創出しているという生き方も素敵だ。
c0128628_7353579.jpg

石見銀山に行ったら、群言堂の本店に出会えるかナ~と楽しみにしていたら、中央の通りに入ってすぐの
ところにあった。
看板の上には、木彫りのミシンの飾りが! 
手仕事に従事しております、という主張だな。
道の向こうから来るのはVeloタクシー。ここでは、環境保全のため車が使えない
から、観光客に利用されている。
c0128628_736539.jpg

ショップの内部は撮影しなかったが、中庭やインテリアなどを撮影させてもらった。
美しいものを追及し、モノを大事にしながら生きる生き方が、伝わってきて
居心地のよい空間ができている。そこで働く人たちも生き生きとして楽しそうだった。
c0128628_736425.jpg

c0128628_7372763.jpg

c0128628_7375150.jpg

こちらは、床屋さんの店先に飾ってあった昔の椅子。
c0128628_738268.jpg

こんな椅子に座ってバリカンで頭を刈ってもらった経験がある人もおられるでしょう。
c0128628_7385680.jpg

「弥七」という屋号を持つ貸自転車の店先で。気のいい青年で、見物している間、
荷物を預かってくれた。窓枠にからまっているのは、テッセンか半鐘ヅルの綿毛。

by tamayam2 | 2012-11-13 07:40 | たび | Comments(12)

【547】トケイソウによせて

路上Watchingと称して町を歩きながら、よそ様のお宅の垣根の植物を
観察して写真を撮っている私は、不審者と見られては困るので、慎重にしずしずと
歩いている。
c0128628_05448.jpg

先日、豊島区で見た高い塀から逃げ出したトマト・・・そのお宅なのだが、
塀の別の側からは、トケイソウの実が垂れ下がっていた。
過去ログ:【542】九月の末に
高いところに咲き終わった花がいくつか残っているようだが、花殻や実が道ばたに
落ちているものだから、Tamayamは好奇心を抑えきれず、また写真を撮ってしまった。
c0128628_064159.jpg

よく調べてみるとこの種類は、クダモノトケイソウと言って食べられる種類のようだ。
それなら、なおさら、もったいないことと吝嗇なTamayamは思う。

このお宅の主はご老体で、だれかの手助けがないと高いところの植物の世話も
ままならないのかもしれないと考えたりもした。
(なにしろ、蔓草というのは、どんどん上の方へ上っていってしまうからなぁ~)
c0128628_0733100.jpg

この種のトケイソウは、どこかで見たと思ったら、9月に出かけた函館の熱帯植物館だった。
副花冠と呼ばれる部分がちりぢりに縮れていて変わった形をしていた。
もともとは、中央アメリカや南米の暑い地方のもの。この植物園は、湯川温泉の
熱を利用して熱帯植物を育てているのだ。
c0128628_08887.jpg

上から見るとわからないが、横から見ると3本の雌蕊が時計の長針、短針、秒針の
ように見え、そこから時計の文字盤というイメージが生まれた。キリスト教国では
Passiflora、または、passion flowerと呼ばれる。情熱のpassionではなくて、
キリストの受難を表すpassionだ。
南米各地で宣教した宣教師は、中心の子房柱を十字架、
3本の雌蕊をキリストを磔(はりつけ)にした釘と見立てた。
副花冠は、キリストの頭の茨の冠というイメージで、福音を語り継いだらしい。

ふむふむ、それほどまでに、この花は、造形的に立体的で不思議な形をしている。
c0128628_0105742.jpg

閑話休題。
『文藝春秋』十月号の巻頭随筆に、渡辺 和子という方がエッセイを
書いていらっしゃる。この方は、カトリックの修道女なのだが、若いとき
修練院での修行中、百数十のお皿やコップをテーブルに並べる作業をしていたとき、
このような単純労働を機械的に、義務的に片づけていたら、修練長に叱られたという。

「あなたは、何を考えながら仕事をしているのですか?」
さらに、修練長が続けて言う。
「時間の使い方は、そのまま命の使い方なのですよ。同じ仕事をするなら、
やがて夕食の席につく一人ひとりのシスターのために祈りながら(皿を)並べて
いきなさい。」
c0128628_0114578.jpg

シスター渡辺は、当時を振り返ってこう言う。
「その席に座る一人ひとりのシスターに、『お幸せに』と祈ったからといって、その方が
幸せになったかどうかは、わからない。しかし、これは、自分の時間の使い方、私の人生
の問題なのだ。そう思って仕事をしていると、自分の顔から自然に仏頂面が消えていった。」
c0128628_0121484.jpg

私は、この方のことを全然知らなかったのだが、Webで調べると、85歳の
立派な経歴を持つ方で、今年4月に出版された著書『置かれた場所で咲きなさい』
(幻冬舎)は、9月末に21版を重ね、65万冊も売れているという。
それは、本離れの進んでいる現代においては、やはりすごいことなのだ。

本を読んでみると、何かむずかしいことを言っているのではないのだが、人生の深い真理について、
なるほどと考えさせられる。
c0128628_0124931.jpg

この方は、インドのマザー・テレサが来日したときに、アテンドや通訳をなさったようだ。
マザー・テレサは、炊き出しの食事を貧しい人に与えるシスターたちに、3つのことを実行するように
諭したという。

1.パンとスープを渡すとき、相手の目をみてほほえむこと。
2.相手の手に触れて、ぬくもりを伝えること。
3.短い言葉でいいから、言葉掛けをすること。


日々の仕事や作業に追われていると、重要なことが 抜けてしまうことがある。
作業の能率や結果ばかりに目をうばわれ・・・それが、何のために、
誰のためにやっているのかわからなくなってしまうのだ。

私も、この本を読んで以来、そうそう! とうなずきながら・・・ちょっとほほえんで
みたり、鏡を見て、自分の人相がすこしは改善されたか確かめたりしています。

この一年間に撮りためたトケイソウを載せてみました。園芸種も含めると500種以上にも上るそうです。
トケイソウ【時計草 トケイソウ科 Passiflora  caerulea】
by tamayam2 | 2012-10-14 00:14 | 日々のできごと | Comments(21)

【539】九月の銀ブラ、その後

先回【538】で、銀座四丁目の角、サッポロ銀座ビルに掲げられた
「あきたびじょん」の女性について触れた。
c0128628_12285192.jpg

この広告について、どなたからもコメントがなかったが、友人からのメールで
日本を代表する写真家、故木村伊兵衛氏の「秋田おばこ」シリーズの一作品と判明した。
60年前に撮影されたこのモノクロ写真は、今も人を惹きつける魅力がある。
やや遠くを見つめる澄んだ瞳、考え深そうな表情、現代女性のような騒々しさがない。
c0128628_12293738.jpg

朝日新聞6月8日に、「ポスターの君、今いずこ?」という記事が載った。

それによると、モデルの女性は、旧大曲市(現大仙市)角間川出身の柴田洋子さん。
その後結婚して、三上洋子さんになった。この写真は、19歳のときという。
地元の写真家が野良着姿の彼女の写真を撮り、それが入選、木村伊兵衛氏の目に留まった。
それから、木村氏は、1952年~71年にかけて秋田を21回も訪れるほど秋田に入れ込んで、
たくさんの人々の表情を撮影した。「秋田おばこ」シリーズは、木村氏の代表作となった。
おばことは、若い娘さんのこと。

洋子さんは、地元でバレエの教師をしていたが、その後日系アメリカ人と結婚、1967年に渡米した。
結婚後も年に一度は、秋田に帰ってきていたが、2010年にアメリカで亡くなったという。
60年の過ぎ去った日々を思う。

今年、この美しい女性の写真が、秋田の魅力を発信する戦略として採用され、再び人々の
注目を集めている。

私の友人は、木村伊兵衛氏が気の毒、ともらしていたが・・・60年をすぎて著作権
が失われたのだろう、美しい女性は、東北支援という新しい役割を担って生き返ったと
言うべきだろう。

でもね・・・「どこまでもニッポンでいよう!」、「ユタカな国へ」というキャッチフレーズは曖昧で、私には、意味がよく通じない。
もっと、美しく、力強いメッセージは考えられなかったか。
ニッポンとかユタカな とか、外国人の舌足らずのような日本語をなぜ使うの?

オリンピックの応援じゃないのだから、しっかり漢字かな混じり文で、言いたいことを
はっきりとおっしゃいよ。

by tamayam2 | 2012-09-20 12:31 | 日々のできごと | Comments(12)

【522】日光植物園にて

とうとう、やっぱり、ついに・・・8月になりました。

暦の上では、大暑も過ぎ、そろそろ立秋に入るのでしょうか。

Blog仲間のKanmyougamaさんは、鹿児島にお住まいですが、
陶芸家としてのお仕事も、畑仕事も、お仲間とのゴルフも・・・
どれも頑張っていらっしゃる。その方が村上鬼城のこの句に
共感を覚えると言われます。ああ、ったく、その通り!
私も膝を打ったことです。

・・・・念力のゆるめば死ぬる大暑かな・・・・   
c0128628_6485781.jpg

同じくBlog仲間のKimikoさんが日光植物園のことを書いておられたので、
7月31日、新宿から直通電車で出かけてみました。
c0128628_6491126.jpg

「栃木県は、内陸部だから、暑いよ」という家人の忠告通り、
日光もけっこう暑かったです。でも、広大な園内を歩いていると
木々の間に涼風もが吹き、田母沢御用邸に隣接する川べりの道は、
特に気持ちよかったです。
c0128628_651832.jpg

園内の今の主役は、ダイコン草の黄色い花とハエドク草という
目立たない薄紫の花でしょうか。
c0128628_6514988.jpg

一番見たかったキレンゲショウマは、まだ蕾が多かったですが、
少し開花しているものもありました。
c0128628_6521142.jpg

キレンゲショウマ【黄蓮華升麻 ユキノシタ科 Kirengeshoma palmate Yatabe】
一属一種の珍しい花です。学名のYatabeとは、植物学者、矢田部良吉氏の
こと。この花の命名をめぐっては、牧野富太郎氏と論争があったらしいですが、
花は人間界の論争とは無関係に夏のこの時期にちゃんと花を咲かせてくれます。
その日会ったのは、たくさんのトンボたち。

ヒヨドリバナなど、蝶が好きな花がたくさんありましたが、蝶も
暑い中はどこかに身をひそめているものか、あまり姿を見ませんでした。

私にとって初見の花は、キヌタ草。 その昔、洗濯に使ったという砧。
4枚の輪生した葉が美しい野草ですが、花は米粒より小さく、撮影は
難しかったです。
c0128628_6525131.jpg

キヌタソウ【砧草 アカネ科 Galium kinuta Nakai et Hara】
学名にkinutaがありますから、日本固有種なのでしょう。
Nakaiというのは、中井猛之進、Haraは、原寛という植物学者です。
 


                  
by tamayam2 | 2012-08-03 06:53 | たび | Comments(10)

500回目のエントリー

2007年8月2日にこのBlog:Yamyam町一丁目 を始め、
この記事で、ちょうど500回目になりました。500回で、キリが
良いから、引っ越そうと考えておりましたが、なんだか
面倒くさくなったので、このまましばらく続けることにします。
c0128628_1381386.jpg

帰国して5年経ちましたが、いまだに異邦人のような
不思議な感覚をもちつつ、何とかYamyam町の住民に
紛れて生活しています。

先月、生誕150年を迎えられた故牧野富太郎先生のことを記事に
しました。子供のころから、牧野先生の植物図鑑に親しんでおり
ましたが、老年になってこんなに植物に熱を入れてしまうとは
人生はおもしろいものですね。やはり、何でも若いときに、 
“とっかかり”をさらっとでも付けておくことだと思います。

近ごろ発行された記念切手によると、牧野先生の手になる原画や
命名された植物5点が復原されています。私のスキャン技術が悪くて
きれいにお見せできませんが、よく見たい人は、郵便局でお買い
求めください。

5点の植物のうち、私は始めの2つしか見たことがありません。
あとの3点もいつの日にか実際に見てみたいものです。

以下は、郵政省のWebからとった簡単な説明ですが、明治時代に
牧野先生はロシア人の植物学者、
マキシモヴィッチ氏
(Carl Johann Maximowicz 1827-1891) 
と深い親交があったようです。お二人の会話は、いったい
何語で行われたのでしょうか。マキシモヴィッチ氏は、バルト海沿いの
人ですから、ドイツ語ができたでしょう。牧野先生は、小学校中退です。
たぶん、英語かドイツ語で話したのかしらと、想像をたくましくして
おります。
Tamayam2はこうした人と人の交流にとても心惹かれております。


c0128628_13111825.jpg

1.ガマズミ【蒲染 スイカズラ科Viburnum dilatatum Thunb.】
牧野先生が描いた着色原画。先生は、イギリス製の絵の具を使って
おられたということ。


c0128628_13131889.jpg


2.ジョウロウホトトギス【上臈杜鵑 ユリ科 Tricyrtis macrantha
                            Maxim.】
高知県の石灰岩地に特産する多年草。明治20年(1887)年に発見し、
マキシモヴィッチが学名を、牧野先生が和名を付けた。


c0128628_13143069.jpg


3.ヒメキリンソウ【姫麒麟草 ベンケイソウ科 Phedimus sikokianus
                       (Maxim. ex Makino) 't Hart】
四国の山地に特産する多年草。明治22年(1889)年、高知県仁淀川町鳥形山
で採集した標本をもとに新和名を発表、明治24年(1891)年にマキシモヴィッチ
から授かった学名を発表した。生育地が限られているため全国的に珍しく、
自生地のある徳島県、高知県で絶滅が危ぶまれている。


c0128628_13203887.jpg

4.ホテイラン【布袋蘭 ラン科 Calypso bulbosa (L.) Oakes var.
                        speciosa (Schltr.) Makino)】       
本州中部の針葉樹林下に稀に生える多年草。牧野先生は、江戸時代の植物画
からその存在を知り、明治35年(1902)年に和名を付けた。明治40年(1907)年、
開花株の寄贈を受け、実物を見て花の図を描かれた。



c0128628_13234988.jpg
5.コオロギラン【蟋蟀蘭 ラン科 Stigmatodactylus sikokianus
                            Maxim. ex Makino】
本州~九州のスギ林に生える多年草。明治22年(1889)年に高知県越知町
横倉山で発見、牧野先生は、明治23年(1890)年にマキシモヴィッチが提唱した
学名を発表、翌年和名を付けた。


池の写真は、先月25日、箱根・湿生花園で撮影。
c0128628_1334299.jpg

by tamayam2 | 2012-05-05 17:57 | Comments(16)

牧野富太郎生誕150年

Blog仲間で高知県在住のtabikitiさんから
牧野富太郎先生生誕150周年の催しものが、東京練馬区の牧野記念庭園
であることを教えていただいた。
c0128628_18235155.jpg

5日、家からそう遠くないので出かけてみた。
西武池袋線大泉学園から歩いて6,7分、学芸大学付属中の
そばにある。子供のころから、牧野先生のお名前は知って
いたし、当時は、植物図鑑と言えば牧野植物図鑑のことだった。
c0128628_18253242.jpg

ニリンソウ【二輪草 キンポウゲ科 Anemone flaccida】
長じて植物に関心を持つようになって、リンネの二名法に
親しむようになると、Makinoが学名に出てくる植物の
多さに驚く。しかし、牧野先生の言動が、保守的な学問の
殿堂、東京大学植物学研究室に様々な問題を巻き起こした
事情も知るようになった。何しろ牧野先生は、植物採集の
実績は人一倍あるものの、学問的基礎がない。
学歴は小学校中退だ。
c0128628_18255946.jpg

寒緋桜 ↑
高知県のご実家が裕福なお宅だったことから、自由な発想で
好きな研究に打ち込めたのだろう。その後、実家の経済が
傾くと、さすがの先生も生計を立てるのに苦労するようになる。
子だくさんで、野山で植物採集ばかりしている極楽トンボの
ような夫と生活を共にした夫人の苦労は如何ばかりか!
先生は晩年、新種の笹を亡き妻の名をとって、スエコザサ
(寿衛子笹)と命名して、労をねぎらわれている。
c0128628_18264280.jpg

練馬区の記念庭園の中にある先生の旧邸の書斎。↑
c0128628_18574559.jpg

書斎の壁の銘板。 ↑
「学問は底の知られざる技芸也」と書かれている。
東大の先生方には、学問を技芸と言われちゃあ、抵抗が
あるだろうなぁ~。

先生は、精密画の技能にも優れた才能を発揮された。
6月17日まで、練馬区の牧野記念庭園内で牧野富太郎関連の展示
が見られる。HPはここ

書斎にあった「活かし箱」は、採取した植物を枯らさない
ように保存するための箱だという。精密画を描くためには、
枯らしては困るわけですね。今のようにデジタル写真が
あるわけじゃなし、すべて手作業で時間をかけてていねいに
やっておられたのだ。
c0128628_635521.jpg

先生はまた、サクラを大変愛しておられた。
私が訪れた5日には、カンヒザクラ(寒緋桜)やヤマザクラが
きれいに咲いていた。
その他、オトメツバキ、バイモ、ニリンソウ、ヒトリシズカ、
ヤブレガサ、カタクリ、ハナニラなど先生が自宅のお庭に集め
られた野草があちこちで花を咲かせていた。

とても人間的で、愛すべき牧野先生は、一般の人々に
植物観察や分類学の面白さを教えてくれたすばらしい
教師だった。権威におもねず、言いたいことをズバズバ
おっしゃるから、周りはヒヤヒヤしただろうが、こういう
人の生き方は痛快だ。

土佐の高知県立牧野植物園は、交通のアクセスがあまり
よくないが、国内ではおそらくピカ一の植物園。
以前に訪れたことがあるが、駆け足だった。
今度は、その辺りに宿をとって二日ぐらいかけてゆっくり
見てみたい。HPはここ

by tamayam2 | 2012-04-08 18:32 | 日々のできごと | Comments(8)

白日会展覧会へ

昨日3日、日本中を吹き抜けた春の嵐に、終日翻弄されました。
みな様は、いかがでしたか。
c0128628_65596.jpg

その前日2日(月)私は、東京・六本木にある国立新美術館へ
出かけました。Blog仲間のKanmyougamaさんこと、上名窯さん
の油絵の大作を見るためです。
上名窯さんとのお付き合いは、Blogを通じて、もう7,8年に
なるでしょうか。
薩摩焼の流れを汲む陶芸家でいらっしゃいます。
ご自身が二束草鞋 とおっしゃっていますが・・・油絵のほう
でも大きな作品を生み出されています。そのテーマは、一貫して
陶芸工房のある丘の上から見下ろす八代海の島々の風景です。
c0128628_67741.jpg

定点撮影で四季折々の風景をBlog上で見せてくださっています
から、Blog愛読者にはおなじみの景色です。特に早朝や、日没の
空気と光の様子は、写真で拝見しても清々しく壮観です。
c0128628_681281.jpg

その景色を、上名窯さんは、18年も、同じモチーフで
油絵を描き続けておられるのです。Blog上では、サイズが
よくわかりませんでしたが、実際に作品を目にしてみますと、
とても大きい作品でした。何号というのでしょうか、
畳2枚分ぐらいの大作です。
白日会という会の、一般入選から、会友になられて、今回は
準会員になられたそうです。
c0128628_6111917.jpg

「長い年月です。途中いろいろあって投げ出したくなったり
 しましたが・・・今日まで続いています。」と控えめに
おっしゃっています。だれかに強制されてするわけではなく、
お仕事のためでもなく、彼を一つのテーマに向けて絵を描かせた
のは、朝夕向かい合う、いろいろな表情を見せてくれる八代海の
自然の力なのでしょう。

その絵の前に立ちますと、民家が立ち並ぶ島のようす、航行する
小舟、輝く空、雲、光る海が見えてくるようです。すべての色が
曇りがなく鮮やかで、見る者の心を朗らかにさせます。

上名窯さんのNO.588 「うれしい出来事」によれば、
「毎日眺めるその景色は、最初は箱庭のようで弱いぼんやりした
景色が特段好みではありませんでした・・・・今は日々の自分の
気持ちを映しているようにさえ思えてきました。」
c0128628_6115193.jpg

国立新美術館の外に出ますと、入口わきの政策研究
大学院大学の敷地内のサクラがほころびかけていました。
ちょっと中に入らせてもらって撮影。その後、青山墓地
のほうへ下る小道を歩きました。
道すがらに見たミツマタの花。(写真上)
昨日の嵐で、あのサクラはどうなってしまったでしょうか、
ちょっと心配です。

c0128628_6122254.jpg

by tamayam2 | 2012-04-04 06:13 | 日々のできごと | Comments(5)

サグラダ・ファミリアで外尾さんに会った

バルセロナで、有名なサグダラ・ファミリア贖罪教会
訪れました。6年前にも訪ねたことがあり、その時より
工事がやや進んでいるように見えましたが、相変わらず、
教会を撮るのにクレーンを撮らずに写すことは難しい
のです。
c0128628_1544675.jpg

    過去ログ:2006年10月 バルセロナにて

c0128628_15444711.jpg

今回、とてもラッキーだったのは、この教会の彫刻を
担当しておられる日本人の彫刻家、外尾悦郎氏
お目にかかり、案内していただいたことです。下の赤いジャケットの方が外尾さん。
c0128628_15452390.jpg

3月19日、NHKハイヴィジョン特集で、
「いつでもスタンバイ」という番組で放映されたばかり
ですので、ご覧になった方がおられるかもしれません。
c0128628_15455920.jpg

この途方もない建築を志し、志半ばで世を去った
アントニオ・ガウディ(1852-1926)は、質素な生活をし、
信仰に生きた人であったと伝えられています。
c0128628_15462247.jpg

外尾さんのお顔を一目見たときに、あっ、この人は、
何か違う! 何か強い意志を持った人だ!という
印象を受けました。

一つ、一つの説明が力強いメッセージでした。
海外に33年間住み、ガウディに心酔して、ノミを振って
石を刻んでいる人の言葉は、無駄がなく心打つものでした。
仕事仲間のスペイン人から絶大な尊敬を得ているようでした。
c0128628_1547510.jpg

別れる前に、我々のグループと記念撮影に収まってくださった
のですが、「皆さん、僕が アントーニオ! と叫びますから、
皆さんは、ガウディ! と答えてください!」
とおっしゃいました。

写真のなかに写っていた人は、間違いなくみないい顔でした。
その後、我々の旅では、バルセロナとを去った後も、
アントーニオ! ガウディ!が飛び交ったことは
言うまでもありません。

by tamayam2 | 2012-03-22 15:49 | たび | Comments(15)

ウメサオ タダオ展

梅棹忠夫先生は、2010年に90才で亡くなられました。
Tamayamが学生時代、最も憧れ、大きな影響を受けた方
です。
c0128628_1461010.jpg

Blog仲間から展覧会のことを教えていただいたので、
寒いある日の午後、お台場にある日本科学未来館に出かけて
きました。関東では、あまり知られていないと案内の方が
おっしゃっていました。それは、残念!
c0128628_1465679.jpg

カタカタ表記にしたのは、えっ? その人だれ?と
思わせるように意外性を狙ったとのお話でしたが、梅棹先生
は、若いころ、カナモジ論者で、ローマ字で論文を書かれたり、
しました。漢字仮名混じり文の日本語の表記が、コンピュー
タ時代に国際的な情報交換のネックになると思っておられた
フシがありました。
c0128628_1472582.jpg

確かに、海外で仕事をするとき、アルファベット表記でないと、
不便なことも多かったですが、日本は、表記の煩雑さのゆえに
世界に後れをとるということはなかったようです。
表記の問題よりも、内容の問題ですから。
c0128628_1481660.jpg

先生のご専門は、民族学ということになっていますが、一つの
肩書だけではくくりきれないほどの多面的なお仕事をされました。
パンフレットには「知の巨人」と書いてありましたが、まさに
その名にふさわしい方でしょう。晩年力を尽くされたお仕事は、
大阪千里にある国立民族学博物館の館長職でした。
c0128628_1491743.jpg

しかし、66歳のとき、この方に不幸が襲います。
一晩にして、視力が失われたのです。

売店で、『夜はまだあけぬか』講談社文庫Y524という晩年
のエッセイ集を求めて読みました。先生が生涯かかって
蓄積された知的生産物を、弟子や職員の協力を得て、口述筆記で
まとめ上げられた過程が書かれていました。

いろいろな条件がそろわなくても、伝えたい意志と深い内容が
あれば、なんとかなるものだ、とうなずいたことです。
ウメサオタダオ展は、2月20日まで。HPはここ
by tamayam2 | 2012-02-02 14:12 | 日々のできごと | Comments(8)

六本木で浮世絵を見る

先週、六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで
浮世絵を見ました。浮世絵と言っても、おとなしい風景画とか
美人画ではなくて、まぁ、驚くような豊かな発想の、
奇想天外、江戸時代の戯画、漫画といった感じの浮世絵なんです。
歌川国芳展
歌川国芳展の HPはここ
c0128628_14203915.jpg

下は国芳の作品。三部作で、初公開です。「たとゑ尽の内」
c0128628_14281630.jpg


ポーランド、クラクフでは、浮世絵のことをManggha(漫画)
と呼んで展示しているマンガ・日本美術・技術センターがあり、
前にご紹介したことがあります。
過去ログ:2005年7月 Manga・ Manggha
六本木の会場で展示されている作品数は膨大。
人の頭越しに絵をちらっ、ちらっと見せていただくような塩梅
でしたが、2月12日まで開催中です。なるべく平日に
お出かけください。

昨年ご紹介したメタボリズムの展覧会も同じ場所
でやっていましたが、入場料は別です。
過去ログ:2011年11月 メタボリズム 浜離宮にて
c0128628_1456097.jpg

六本木ヒルズは、元毛利家のお屋敷があった跡地なのでしょう、
毛利庭園という和風庭園もその中心にありました。
c0128628_14254873.jpg

これは、10mを越える巨大なクモの彫刻。昆虫好きには
面白いです。
”ママン” 2002年 ルイーズ・ブルジョア作
c0128628_14461796.jpg

六本木駅の近く、伊太利屋の店先では
ドでかいトラが通行人を睥睨(へいげい)していました。
ネコ類は、何でも好きですが、こりゃ、ちと怖いなぁ。

訂正)Blog仲間のアンデレさんから、ご指摘を受けました。
    この動物は、トラじゃなくて、ヒョウかピューマですって。
    そうですよね。こんな基礎的なこともわすれて・・・
    この店のファッションには、ヒョウ柄のものが多いのです。
    どんな女性でもヒョウ柄を身につけると、ちょっと小悪女に
    見えます・・・
c0128628_14301721.jpg

ヒルズの屋上庭園で見た冬の薔薇。寒いのに
健気に咲いていました。

まだまだ冬の寒さは続きそうです。みな皆様、どうか
風邪など寄せ付けず、お元気で!
by tamayam2 | 2012-01-19 14:35 | 日々のできごと | Comments(12)