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【783】ボーデン湖を渡ってスイスへ

私のこの夏の旅は7月23日ケルンからスタートしたのですが、
そこから、ドイツ南部で行われたある集会に出て、その後、
ボーデン湖へ移動、そこを船で渡り、対岸のスイスの町に
着きました。国境を越えるのに、遊覧船で、というのは
なかなか面白い手でした。パスポートのチェックも無し・・・
へぇ~、こんなんでいいの?と思うくらいあっけなく国境を
越えました。スイスは、EUに参加しておりませんから、通貨
も違うのに・・・
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ボーデン湖は、ドイツ最大の湖です。その岸は、ドイツ、スイス、
リヒテンシュタイン、オーストリアが接しているはずです。
ドイツ側のリンダウという町で、乗船まで小一時間ほど散歩する
時間がありました。ぐるりと回っても30分もかからない小さな町です。
バイエルン州に属し、古い建物の壁面に描かれたフラスコ画が美しい
町でした。
見事なファサードの建物は、旧市庁舎。
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少し横道にそれますと、また、味わいの深い小路が。ある家の壁面には、
ボーデン湖を形づくったオブジェが!
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私は、こういう小路をぶらぶらするのが好きです。
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対岸の町は、Rorchachというスイスの町。
ロールシャッハと言えば、私はすぐ、若い頃に習ったロールシャッハテスト
という言葉を思い出し、周囲の方に話しかけてみましたが、だれも知らず~
こういうことが最近よくあります。
つまり、私の知識が古すぎるのでしょうね。周りにいた人は、若い人ばかり
ではなかったのですが、自分の持っている常識がだんだん通じなくなった
と気づきました。日本語も、「何それ??聞いたことがない」と言われることが
多くなりました。同じ日本人同士で通じ合えないとは、残念なことです。
(上の写真は、ロールシャッハテストの例です。Hermann Rorchach博士は
 このテストを世に紹介したスイス人の心理学者ですが、直接この地名とは
 関係がないようでした。)

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リンダウの町で、友人がコーヒーを飲みたいと言ってカフェに
座っていたら、スズメたちが列を作ってクロワッサンのおこぼれに
あずかろうと待ち構えておりました。ドイツのスズメはあくまで規律正しい!

のんびりリンダウの町を散策しながら、撮影をしていたのですが、
乗船してから、船の人が対岸のスイスは、8月1日は建国記念日で、すべての
店は閉店とおっしゃるのです。(それなら、リンダウで、サンドイッチぐらい
買っておけばよかった!と気づきましたが、後のまつり!)
建国は、1291年ですから、今から725年前のことです。
EUには属さず、通貨はスイスフラン。永世中立国として孤高の地位を
誇っています。
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ロールシャッハから、サンクト・ガレンへ移動。町中に、国旗が
翻っており、まるで私たちを歓迎するかのようで(もちろんそれは
美しい誤解ですが)・・・。人影が少ない町をウキウキしながら歩きました。
やっと数軒開いていたCaféに飛び込んで、昼食にありつけました。
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そこから、標高2504mのMt. Saentiesへ向かいました。
その山はだにもスイスの国旗が!この国旗は、建国記念日に合わせて
掲げたられたもので、巨大なものです。横幅80㎝の国旗を何百枚も縫い合わ
せて、それをロッククライミングの若者たちが、岩肌に張り付けたものです。
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翌朝、国旗を撤収作業中の姿を、ロープウェイの中から撮影しましたが、どれほど
巨大な国旗なのか、また、それを掲げるために捧げられた途方もなく大きな愛国心を
身近に感じることができ、心を熱くしました。
(左下に豆粒ほどの人の姿が確認できると思います。大事な国旗ですから、
 巻き上げて、一本の柱のようにして下に下ろす作業をしているのです。)

by tamayam2 | 2016-08-24 11:06 | たび | Comments(10)

【782】ケルン再訪

今年の夏は、例年出席していた学会はそろそろ引退して、
教会関係の集会に出席することにした。会場は、ドイツ南部の
黒い森地帯。集会が始まる前に、4,5日間、ケルンに滞在した。
よく通った町の中心、Neumarktの市電の駅
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2004年から2007年まで住んでいたこの町は、さして変化なく、
どの景色も懐かしい。親しい友人宅にお邪魔して、彼女の日常生活を
ご一緒させていただいた。
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ケルンは、意外に暑く、28,9度。ビルの屋上のソフトクリームも健在だった。

まず一番先にしたことは、花屋に行って花を買い、親友のGさんの墓に
詣でたこと。ご自宅の近くのこじんまりとして市営墓地。
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友人の説明によると、市営墓地は、25年間 €400(日本円で約5万円)で
借りるのだそうだ。ふ~む、25年間か!? 遺族が墓参りするのに十分な時間
かもしれない。それ以上は、ちょっと責任が持てないかも・・・。
それ以上、その場所を借りたければ、あと25年分延期すればよいそうだ。
ケルン市民の大多数は、この方式によって埋葬される。
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友人がDom(ケルン大聖堂)の夜間コンサートに行くというので、
ご一緒した。夜9時から一時間あまり。会場についたら、すでに
Domの中は人でいっぱいだった。全体で、4、500人もいただろうか。
素晴らしい演奏だった! この大聖堂自体が一つの楽器のようになって、
オルガンの響きが堂内に響きわたっていた。
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堂内には、すばらしいステンドグラス、柱という柱には、諸聖人の像が
刻まれているのだけれども、これは、聖クリストファーのもの。
旅行の守護神と言われている。
今度のヨーロッパ行きでは、多くの人に、テロや事件に巻き込まれないように、
と注意を受けた。注意していてもどうにもなるものではないが、結果的に
何ごともなかったので、本当にやれやれと思っている。
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昔よく歩いたところ、そんな場所をぶらぶらと歩けて大変満足した。
昔、住んでいたアパート。オレンジ色のビルの3階に住んでいた。
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よく行ったケルンの植物園、Flora. どこに何が植えられているか
熟知しているので、歩いていて楽しかった。

今度の飛行機は、ルフトハンザ機で、鉄道の切符も込みになっている便。
羽田→フランクフルト、そこからICE(特急)でケルン中央駅まで。
そのルートは、よく利用したことがあるので、私にはなじみがある。
大好きなドイツ鉄道にも乗れてうれしかった。
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ケルン駅と大聖堂の裏手に、ライン川が流れていて、その鉄橋の金網に
たくさんの錠前が掛けてあるのに、以前から気づいていた。
帰国するとき、時間が十分あったので、そのおびただしい錠前を見に行った。
若者たちが恋人と永遠の愛を誓いあって、そこに錠前をかけておくの
だという。そういう習慣は、世界のいろいろな場所で見られるようだが、
金網の塀が重そうで、なんだか痛ましく感じた。

by tamayam2 | 2016-08-19 09:31 | たび | Comments(10)

【751】西洋のツタと日本のツタ

フランスBourgesのEさんのお気に入りの道で、少し紅葉が
始まったばかりのツタを見た。西洋のこの種のツタは、
細長い葉が5枚で、紅葉の色が朱色というより、紅色。
燃えるような紅だ。
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Eさんが調べてくださって、アメリカヅタまたの名をヴァージニアヅタ
ということが分かった。(学名Parthenocissus quinquefolia)
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しかし、ドイツにいたころ、この種のツタを、どなたかに、
「ヘンリーヅタ」と聞いたことがあった。(学名P. henryana)
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どちらかは、よく分からないのだが、茎が赤くなるという特徴は、
アメリカヅタのものらしいので、フランスのものは、アメリカヅタ
のほうに違いない。ややこしい表現ですね…(笑)

この細葉5枚のツタは、西洋ではごく一般的に見かけるものだが、
日本では余り見かけられないと思う。
日本の山地で見かける葉が3枚のツタウルシとも違う。
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日本でよく見かけるツタは、ナツヅタと呼ばれるもの。
(学名 P.tricuspidata)この種のツタの葉は、一枚で、
モミジのようにつながっている。
こちらは、ドイツのWormus大聖堂の入口で撮影したもの。
1122年ヴォルムス協約というのが、世界史で有名だが、よく調べてみたら、
1521年にマルティン・ルターがヴォルムスの公会議で、異端とされた、
ことのほうがキリスト教史では有名。Wormusには用が無かったのですが、
Mannheimという近くの町に行ったときに立ち寄ったのです。
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さて、私がドイツ・ケルンに滞在中(2004年~2007年)、
アパートの台所の窓から庭の向こうに見える裏通りのお宅のツタが
とても見事だったので、ある日、ぐるっと裏道に回って、撮影した
ことがあります。
裏道に通じる横道がないので、かなり大回りしてそのお宅の玄関に
達しました。大きなお宅で、屋根の天辺のあたりから紅葉が始まっていました。
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駐車中の車のリア・ウィンドーに映った家。
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また、その一角に、家全体がツタに絡まっているお屋敷がありましたので、
別の時に撮影に出かけました。一階の右から2つ目のドアのところを
家の前から撮影したものが下の写真です。
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これほど、ツタに覆われますと、窓や戸口がふさがれないように、
常に、剪定を怠らないようにしないといけませんね。

ツタに覆われた家は、一見ロマンティックに見えますが、
湿気や、ツタの中に住みつく虫や小動物のために、体によくないと
聞いたことがあります。呼吸器系の病人がいる場合には、あまり勧められ
ないとも。
でも、おとぎの国のお家のようなこんな風景に、女性は一度は、あこがれ
ますよね~

by tamayam2 | 2015-10-10 14:16 | 日々のできごと | Comments(12)

【738】オオコンニャク尽くし

21日の夜、ショクダイオオコンニャクが、神代植物園で開花したらしい、
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というニュースを知った。ショクダイとは、燭台、ロウソク立てのこと
です。以前にも小石川植物園(2010年7月)と
神代植物園(2011年12月)で見たことがあった。
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株を植えてから5~7年経たなければ、花をつけないということ、
世界で2番目に大きい花ということで、大騒ぎなのだ。
それに、良い香りではなく、鼻が曲がるほどの悪臭がするという点でも、
話題になる。
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22日には、大事な用があったのだが、7:30に家を出て、ともかく
撮影してきました。
やはり、期待どおり悪臭がしていました。畳の腐ったあばら家に入った
ような匂いでしょうか。
直立している棒は、花びらに見える仏炎苞の付属物なのですが、
そこから悪臭を出して昆虫をおびきだすのです。
ショクダイオオコンニャク【サトイモ科Amorphophallus titanium】

この植物に関心をもったのは、何を隠そう、かなり前からなのです。
ドイツのボン大学付属植物園で、数日前に開花したショクダイオオコンニャク
が、しぼんでだらりと身を折っている奇妙な姿を見ました。
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とてつもなく大きい植物で、あれぇ!と驚きました。
本当の姿は、下のようだったらしいのですが。
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先日、富山県中央植物園でも、コンニャクの種類を見ました。
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以前にベルリンのダーレム植物園でも、コンニャクそのものを
見ました。
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学名にKonjacと書いてあり、なんだかうれしいような
気恥ずかしいような気持ちになりました。

私は、食品の中では、コンニャクは割に好きなほうです。
西洋人は、これをどうやって食べるのか知らないでしょう。
おでんにコンニャク、肉じゃがに糸ゴンニャク、みそ田楽・・・
いいなぁ~
コンニャクがサトイモ科というのも、実にアジア的ですね!

by tamayam2 | 2015-07-23 16:27 | 日々のできごと | Comments(14)

【683】長年の夢だったユーレイル・パス

若いとき、旅行がしたかったけれども、お金がなかった。
働いて少しは自由なお金が使えるようになったときは、旅行する時間がなかった。
70歳になって、もう一度ゆっくりヨーロッパを旅行したいと思うが、
そろそろ体力と注意力に翳りが見える。

切符を失くしたり、カバンを置き忘れたり、
ぼんやりしていてスリに遭わないだろうか・・・
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今年は、スロベニアに行く予定があったので、その帰りがけに近隣の国に
立ち寄ろうと思い計画を立て始めたのが、今年の3月。
旅行予定の8月は航空運賃が高くなるので、4月に成田⇔チューリッヒ往復の切符を
比較的安く押さえることができた。
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8月31日、リュブリャナから空路ウィーンへ。
その後は、ウィーン → プラハ → ミュンヘン → コンスタンツ →チューリッヒ
ユーレイル・パスを使うことに決めた。
ユーレイル・パスは、ご存じのない方にご説明しますが、ヨーロッパを網羅する主要路線の鉄道、バス、船などを自由に乗り降りできるパスだ。
しかし、条件があり、ヨーロッパの住民は買えない。ヨーロッパ以外のところに住んでいる旅行者が
自国でパスを購入しなければならない。
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日本へ来る外国人が、京都・奈良に新幹線で行った後、九州・北海道まで足を伸ばすので、
お金があるのだなぁ~と思っていたら、彼らは、なんと自国で、ジャパン・レイルパス
を購入してきているのだった。(その逆ヴァージョンです)
RAIL  EUROPEのホームページがあるのだが、細かいことが分かりづらいので、
この切符は旅行社で買ってもらった。
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私のパスは、四か国(オーストリア、チェコ、ドイツ、スイス)を六日間で周るもので、
5万円ぐらいだった。年齢が60歳以上は、1等と決まっているようで、普段は2等に
乗る私としては、ぜいたくのような気がしたが、1等はすいていたし、飲み物の
サーヴィスがあり非常に快適だった。
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経路は自分で計画をすればよく、変更も自由。しかし、私は、夜遅く目的地に着くのを
好まないので、いろいろな経路をインターネットで調べ、第1案とその代替え案を調べて行った。
インターネットのルート検索は、非常によくできており、国が違っても細かいところまで
調べることができる。経路の地図も出てくる。乗り換え案内も非常にていねいに書いてある。
ただし、列車が遅れなければの話だけれども・・・。
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かなり綿密な計画を立て、それを5日間で実行したわけだけど、すべて第1案通り、
正確に運行されたので、修正案を使う必要がなかった。
胸のすく思いとは、このこと!
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昼食は、駅で買った(大好きな堅いドイツ・パンの)サンドイッチですませ、
荷物は、自分の席のそばに置いておき、飛行機のように、トランクのチェックインや
わずらわしい通関手続きが要らず、非常に気が楽だった。
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ただし、乗り降りのときには、ホームから列車まで、2~3ステップ分持ち上げなければ
ならないので、大きなトランクは鉄道向きではない。
たいていそばにいた若者が、手を貸してくれたが・・・。

地方の小さい駅では、エスカレータなどないので、乗り換えのとき、
階段を使わなければならなかった。まだ、バリアフリーではないのだ。

スイスの駅々では、階段とスロープの両方があって、どちらか選べるようになっていて
親切だと思った。
写真は、雨のプラハの風景と、ミュンヘン中央駅。

by tamayam2 | 2014-09-13 23:36 | たび | Comments(22)

【690】6月は旧友に出会うとき

先日、New  Zealandから来日した旧友と箱根に行った。
私がNZから帰国したのは、2000年。
それ以来彼女とは、ほぼ毎年会っていることになる。ことしは、13回目。
よくまぁ、続いたものだ。
今年は、箱根に2泊して、岡田美術館で歌麿の浮世絵を見たりした。
このフジは、箱根湿生花園で。木にからみついたフジは、宿主をしのぐ逞しさ。
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大学時代のクラス会も長く続いている。今年は、東北地方に11名が集った。
秋田新幹線が通じて、とても便利になった。東京、大宮に続いて、仙台、盛岡・・・
あっという間に東北の奥地へ。

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盛岡で、岩手大学を訪ねた。宮澤賢治が学んだ旧盛岡高等農業学校が
記念館として公開されていた。その前にあった賢治の像。
宮澤賢治(みやざわ けんじ 1896~1933)
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ベートーベンを真似してうつむき加減になって歩いている姿だそうだ。
西洋文化にあこがれ、西洋文化を貪欲に吸収してイメージを膨らませ、
独自のファンタジーの世界を築いた。
こういう人物を育んだ岩手県には懐の深い文化人がいて賢治を支えたのだろう。
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賢治の像のそばの草むらで今年初のアゲハチョウを見つけた。
ジャコウアゲハであろうか。
美しい個体だった。
追記)敬愛するBlog友 蝶鳥ウォチングのYodaさんから
教えてもらいました。
    カラスアゲハの♀だそうです。Yoda先輩、ありがとうございました。

6月7日、ドイツ時代の友人Gさんの一周忌。共通の友人、Sさんにお花を
買って墓地に手向けていただくことにした。ドイツでは、このように鉢植えの
花を友人が墓地に置く。我々が手向けた花は、手前の赤と白の花の鉢。
その後ろにあるのは、ロウソク立て。ずっと火が消えないようになっている。
まだ墓碑が無く、仮の木の十字架だけだが、そのうち墓碑が建つはずだ。
過去ログ:2013年6月  友人の葬儀にケルン再訪 

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岩手大の植物園を見たかったのだが、立派な敷地があるものの、あまり活用されて
いる気配がなかった。植物学は、今は流行らないのかな・・・。
きっとコンピュータの画像を見ながら分子レベルの研究がなされているのだろう。
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夏草が覆いしげる構内を歩きながら、いまは過去の人になってしまったGさんや賢治を
偲び、梅雨の晴れ間の清々しい新緑の風景を楽しんだ。

by tamayam2 | 2014-06-13 13:11 | たび | Comments(8)

【681】富岡製糸場が世界遺産に

群馬県の富岡製糸場が、ユネスコの世界遺産(産業遺産)として認められたという
うれしいニュースが伝えられました。連休中は、大変な人出だったということです。
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私が出かけたのは、2011年4月、たまたま信州からの帰り道に、立ち寄ったの
です。“世界遺産に!”、という町の人たちの熱い気持ちは伝わりましたが、
ちょっと無理なのでは・・・と思っておりました。
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明治5年に建てられた工場は、かなり傷んでいましたし、町の規模が小さく、
人が押しかけたら大変ではないか・・・とも思ったものです。

日本で産業遺産として、先に認められた島根県石見銀山(いわみぎんざん)もなかなかアクセスの
難しい場所でした。過去ログ:2012年11月  石見銀山にて

石見から産出された銀が一時期、ヨーロッパで大いに流通したという事実が、
世界的とみなされた理由です。

富岡の場合、ヨーロッパでどんなに絹織物が珍重されたか、フランス・リヨンでは
絹の緞帳、絨毯、女性の夜会服などを扱う老舗の店をいくつか見たことがあります。
ヨーロッパの人々にとって、日本は絹を産出する国というのが基本的なイメージです。
シルク・ロードの果ての極東にジパングいう国があるのです。

日本の養蚕の智慧が、フランスの製糸工業の技術を導入することによって、
世界的な規模の産業として発展したのです。
工場わきには、フランスから技術指導に来た人たちの宿舎が残されていました。
明治年間に、日本人とフランス人がどうやってコミュニケーションを図ったのでしょうか、興味深いことです。
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建築にもフランスの智慧が至るところに生かされていました。このレンガの積み方も
その一つです。この積み方だから、堅牢なのです。
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製糸工場で働く工女は、「女工哀史」として伝えられるような気の毒な下働きではなく、
技術者としてよい待遇を与えられていたと聞き、うれしく思いました。
いまで言えば、都会で高給をとるOLというような、憧れの職業だったようです。
そういうことを知ったのも、町のヴォランティアのガイドさんがていねいに説明して
くださったからです。
ユネスコの世界遺産には、自然遺産、文化遺産の他に、産業遺産という分野もあり、
日本では、石見銀山に次いで、富岡が2番目。

ドイツでは、ゴスラ-(Goslar)という中部の銅山が、産業遺産に登録されています。
過去ログ: 2005年10月 ゴスラ-の鉱山
過去ログ: 2009年9月  鉱山の町、ゴスラ-  
 
たしかに、この小さな町の産出する銅のおかげで、ヨーロッパの人々の生活の質が
向上したことは事実なのです。また、ゴスラ-を中心として交通、流通が画期的に
発展したのです。
ドイツを訪れる旅行者は、こんな山奥の鉱山に立ち寄る人は多くないのですが・・・
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富岡の工場の近くで見た、タイツリソウ【鯛釣草 ケシ科ケマンソウ属】
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Yamyam町で最近、とても増えていたように思う外来種のヒナゲシ
ナガミヒナゲシ【長実雛罌粟 ケシ科 Papaver dubium】
1961年に東京世田谷区で、発見されて以来、いまや住宅地、道端、空地・・・
どこにでも侵出していといわれています。可愛いけれども、ちょっと心配。
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ウチの庭のシャガ山椒の若葉も・・・今の季節を彩る植物として載せてみました。
筍の煮物に、“木の芽”は欠かせませんね。

by tamayam2 | 2014-05-05 11:42 | たび | Comments(4)

【668】ナス科の植物

ナス科の植物にはいろいろあるが、それらの多くは、中南米原産で、
15世紀ごろスペイン人によって、アフリカ大陸を経て、ヨーロッパに
伝わったものが多い。
ナス科ナス属のナス、トマト、ジャガイモ、ナス科タバコ属のタバコ
ナス科トウガラシ属のトウガラシ、ピーマン等。
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これらの野菜は、日本人の暮らしにとても身近にあるものだけれども、
ルーツをたどると、中南米にたどり着く。
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これらの野菜の花はみな、五弁のように見えるけれども花びらが独立して
おらず、合弁花だ。根元のところでつながっている。
そして共通点と言えば、ちょっとクセがあり毒素を含むものもある。
タバコや、ジャガイモの新芽など・・・子供のころピーマンが苦手だった人も
多いのではないだろうか。子供の喉は、ナス科の植物のクセを敏感に感知するようだ。
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パナハッチェルのホテルの玄関で見たブーゲンビリアの高い塔。その下のダチュラ(Datura).
これもナス科チョウセンアサガオ属、麻酔薬として使われる。猛毒。

今回のグアテマラ旅行で、ナス科の植物に出会うのも楽しみだった。
ジャガイモの料理はあまり出てこなかった。楕円形のトマトは、じつにおいしかった。
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辛いものが大好きなTamayam2は、市場で乾燥トウガラシの内、特に
辛いものを2種類買った。まだ試していないが楽しみ。ふふふ
(この小母さんから買ったので、写真を撮らせてもらった。)
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時計の文字盤の3時と6時の位置にある野菜は、おそらく食用ホウズキの種類
だと思うが、ホウズキもナス科。
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こちらのガイドが指差しているものは、カボチャの一種だろうか。6時の位置に
あるものは、日本で言うところのハヤトウリ(ウリ科)だと思う。
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Sololaという町の露天商が壺類、スパイスや野菜をつぶす(日本のすり鉢のような)
すり鉢、すり板、石製のすり棒を売っていた。
買って帰りたかったが、こればかりは重くて・・・(苦笑)
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ドイツ人は、よくジャガイモを食べるので、ジャガイモのルーツはヨーロッパだと
思っている人がいるが、それは間違い。
南米からはるばるヨーロッパに渡ったものの、有毒らしいと毛嫌いされた。
しかし、その後16世紀に起こった30年戦争、ペスト禍によってドイツの人口が半減したとき、
彼らの命を救ったのはジャガイモだったと伝えられている。

by tamayam2 | 2014-03-06 13:38 | たび | Comments(6)

【653】今日は聖ニコラウスの日

ドイツ時代の知り合いからメールが来て「今日、12月6日は、セイント・二クラウスの日
と書いてありました。・・・あの、サンタクロースさんのことです!
日本では、クリスマスとサンタクロースのイメージはしっかり結びついていて、
クリスマス・カードのディザインにもよく使われます。
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確かにクリスマス前のこの時期のお祭りではあるのですが、じつは、キリスト教の
クリスマスとは、まったく関係がないお祭りです。
子供たちは、この一年、良い子ちゃんにしていたか、
          それとも、悪い子ちゃんだったか・・・
ニコラウス様の審判を受ける日であるからして、緊張する日なのです。
と、言ってもそれは、ベルギー、オランダやドイツなど北ヨーロッパでのお話。
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オランダでは、“シンタクラウス”の日と呼びます。
日本と同じように、司祭の格好をしたヒゲのおじいさんですが、渦巻きのついた
なが~い杖を持って現れ、子どもの行状を書いた閻魔(えんま)帳をチェック
するのです。(西洋の聖人ですから、閻魔帳はおかしいか・・・)
上のクッキーの袋の絵のような姿です。
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また、クリスマスのころよく出回るTamayamがとても好きなクッキーがあって、
それは、スペクラティウス(Spekulatius)という薄手のクッキーです。
複雑な型押し模様がついているのですが、たいてい聖人の姿で、お味は、スパイスの味がきつく大人向きです。
日本人に贈ったら、漢方薬の香りがすると言われ不評でした。
ま、これが北ヨーロッパのクリスマスを思い出させる味なのです。
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先月末、四谷の上智大学に行きました。神父様たちがお住まいの建物の裏手に、
庭園があるのですが、紅葉がきれいでした。
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この版画は、聖書をテーマとして数多くの作品を遺された渡辺禎雄さんの作品です。
キリストが十字架に架かる前、12人の弟子たちと共にした「最後の晩餐」の絵。
この食事のメイン・ディッシュが魚であったことは、定説になっていますが、渡辺氏は、
大きな尾頭付き鯛をテーブルのド真ん中にもってきました。そして、テーブルには、
握り寿司も並んでいますね! 渡辺氏は日本的な表現で最後の晩餐を描いたのです。
その点に、私は大いに感動して、この版画を買ってしまいました。
キリストが十二使徒と握り寿司を食するの図は、愉快ではありませぬか。

この画の下部、右から二人目の弟子は、イスカリオテのユダです。
彼は、後ろ手に、金子の入った袋を隠し持っています。
この後、彼は銀貨30枚と引き換えに、イエスを祭司長たちに売ったのでした。
その結果、イエスは磔刑に処せられたのです。
渡辺禎雄(わたなべさだお 1913-1996)型染版画家

by tamayam2 | 2013-12-06 14:19 | 日々のできごと | Comments(12)

【630】ラッパ飲み

2004年に初めてドイツに行ったとき、市電の中で、女性がビールの小瓶を
ラッパ飲みをしているのを見て、 ショックを受けた。
住んでみてわかったことだが、特に夏、特にサッカー(フースバル)の試合の後は、
男女を問わず、場所を問わず、ビールはラッパ飲みされるのがフツ―の光景なのだった。
(現在は、車内の飲食は禁止になっている)

瓶の口から直に飲み物を飲むなどということは、昔の日本女性はできなかった。
自動販売機でプラスティック容器入り飲み物を買うようになってから、できた
新しい習慣だ。今は、歩きながらでも、会議中でも、どこででもラッパ飲みだ。
子供も、年よりも、この暑い時期には、外出先でラッパ飲みしている。
無論、私も恥じらいなくやっている。習慣とは恐ろしいものだ。

2007年に日本に帰国したとき、電車の中で人々がケータイをいじっているのに
たまげた。当時ドイツでは、ケータイ(ハンディ)を持っている人は、
ビジネスマンぐらいで、学生や主婦、子供、老人が持っているケースが少なかった。
カード交換式以外は、契約料金が割高だったのだ。

このごろは、日本は、ケータイからスマホにかわったが・・・
電車の中で小さい長方形の箱を握りしめて何らかの操作に熱中している人が非常に多い。
7人掛け座席の7人中6人ぐらいが箱を凝視していたり、指で頁を繰っていたりしている。

私は、ひそかに前の座席を見て、7分の6とか、7分の5とか、心の中でつぶやく。
電車の中では、他人との接触を断ちたいのだろうか・・・ぼんやり中吊り広告を
見たり、車窓風景を眺めたりする人は少ないし、本を読んでいる人も珍しくなった。
1.
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家人が歩行が不自由な人になって以来、電車に乗ったら、優先席を目指す。
優先席とその周囲は、ケータイ電話のスィッチOFFと明記してあるが、
これは、だいぶ前から有名無実になっていて、前後6席ある優先席は、だいがい
6分の3~4ぐらいがケータイ/スマホ利用者によって占められている。
老人の利用者もいる。ペースメーカーに影響がある言われているが、あまり影響がないという説もあるとか・・・。
人はその当事者になってみなければ、痛みが理解できない。
2.
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歩行が不自由な人には、10mの移動でも恐る恐るで・・・無事に目的地に
着けるかどうか、何度も頭の中でシミューレーションをしてから、詮方なく電車に乗って
いるのである。
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このごろ、ちょっと怖いと思うのは、「歩きスマホ」の人だ。
前を行く若者が階段の途中で急に止まり、後続の私がつんのめりそうになったことがある。
怖かった! 歩きながら、文字操作をしたり、通話したり・・・周りの人のことなど、
全く眼中にない人が多くなった。公共の場と自分ちと区別がつかないのだな・・・うむむ。

この夏に見た植物たち。
1.よく生垣に使われるベニカナメモチの園芸種に、きれいな花が咲いているのを見た。

2.トウダイグサ科のユーフォルビアは背が高く、1~2mにもなり、花壇の中央では
  主役級の扱いだ。ヨーロッパでよく見かけた植物。
  トウダイグサ科の植物は、353属7500種もあって、一大科を形成している。
  サボテンや多肉植物のような姿もあり、その多様性に興味が尽きない。
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3.シダは、日本中いたるところで見られるが、日本固有のものもあり、シシガシラは、
  Makino(牧野)の学名がついている。

by tamayam2 | 2013-08-27 20:35 | 日々のできごと | Comments(10)