2010年 02月 11日 ( 1 )

植物図鑑の絵

先日、通りがかりの書店で「古書の中の植物展」
という展覧会をやっていたので、覗いてみた。
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『本草圖譜』(ほんそうずふ)という江戸時代に
書かれた日本最古の植物図鑑の一部を見ることが
できた。岩崎 灌園が、文政11年(1828年)に
刊行した図譜は96巻にのぼる。約2000の主に植物が
精密に描かれている。本草学(今の薬学)のためなので、
植物以外に若干の動物も含まれているという。
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むかしは、写真もコピーも
無かったのだもの、
すべては、
筆で精密に書写
するしかなかった。

そのことを
思えば、
いまは、何と
恵まれた時代
なのだろう!


そこでは、同類の古書のページを切り取って売っていた。
私の財布に見合うほど廉価だったので、植物の精密画を数枚
買った。額に入れて壁に飾ってもよいかなと考えた。

西洋風に言うとボタニカル・アートというのだろうか。


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私は、花や葉だけでなく、実や根がどういう形をしている
のか、いつも知りたいと思っているので、美術的に美しいと
いうより植物図鑑のような正確な描写に興味がある。

ページを切り取られた絵の描き手は、辻 永(つじ ひさし)
(1884-1974)という方で、原本は『萬花圖鑑』(まんかずかん)
ということがわかった。

たくさんの日本画を描かれたのに、没後、遺作がページごと
切り離されて、文字通り切り売りされちゃ、遺族の方が見たら
悲しいだろうと思ったり、1ページでも売れるというのは、
すごいことだと思ったり・・・俗人はいろいろなことを考える。

細い筆で描かれており、一部が彩色されている。
この図は、さんせう
サンショウ 山椒 ミカン科 Zanthxylum piperitum】
春の木の芽あえ、しらすと山椒の実の佃煮・・・日本人に
とって親しい植物ですね。


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この絵を描かれた
辻氏に
ついて、
調べようと
思って
いたら、
たまたま
読んでいた
本に、彼の
晩年の
記述が
あり
驚いた。









著者の日野原氏は1911年生まれ、今年99歳になられる、
東京聖路加病院の高名な医者。
先生が最期を看取られた患者のうち、とくに印象深かった
22人の人の生き方、死に方について語っている。

読書の喜びは、ページをめくれば、時空を越えた人々と
いつでも会話できるってことですね。

日野原 重明著『死をどう生きたか』中公新書1983年
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by tamayam2 | 2010-02-11 13:03 | 日々のできごと | Comments(20)