ブツエンホウのある花

巨大なサトイモ科の植物に関連して・・・。

こういう植物の花びらのように見えるものは、
仏炎苞(ぶつえんほう)と言う。仏焔苞とも書く。 
仏様の背後を包む炎という感じがするわね。

花自身は、真ん中に屹立する棒のようなもの。

この類の植物には、武蔵鐙(ムサシアブミ)、浦島草(ウラシマソウ)、
座禅草(ザゼンソウ)など、ドキッとさせられるような奇妙な
花が多い。野原に自生している姿をぜひ見てみたいものと思って
いるが、なかなかその機会にめぐまれない。

山野草の店で見たことがあるが、そういう標本のような、
自然から切り離された状態に置かれた花は哀れだ。

自然の中で、昆虫との関係を維持しながら生存している植物
なので、都会のコンクリートの建物の中に置けば、
早晩死滅することは目に見えている。


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さて、4月のドイツの
森でどこでも
生えていたのは、
アルム。
(Arum
maculatum) 












日本で見るカラーという花に似ているが、
それより小型で、仏炎苞の色が薄みどり色、中央の穂状の花は、
暗紫色である。湿って薄暗い場所を好み、有毒。日本では、
見たことがない。ヨーロッパ特有の植物。英語では、Lords &
Ladiesという洒落た名がついていた。


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秋になると、
真っ赤な実ができ、
薄暗い森の中では
目だって見える。










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先日出かけた、乗鞍高原には、ミズバショウの群生が見られた。
ミズバショウ(Lysichiton camtschatcense )もサトイモ科の
植物である。どれも似たような形をしているのに、ミズバショウ
だけが、歌にも歌われロマンティックなイメージを持たれている
のは面白い。
by tamayam2 | 2008-05-20 07:51 | たび
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