米国に住む娘一家が東京のわが家に6月12日から23日まで滞在していた。 久しぶりに会う孫は、8歳と10歳。LAの公立小学校のたしか2年生と3年生か。 彼らが日本で一番したいことは、奈良で生きているシカと会うこと。 我々も同行することにしたが、なにしろ、我々は、80代と70代。 我々のペースに合う部分だけ部分参加することにした。 さぁて、奈良に着くやいなや、奈良公園に直行。 シカは結構大型の動物なのに、そこら辺に堂々と歩いている。子供たちも、 もちろん私どもも、すっかりこの動物が好きになってしまった! 静かに歩んでいて、攻撃的ではないし、体が美しい。触っても恐れない。 臭くない。大仏殿の前の歩道は人がいっぱいだったが、シカは悠々と歩んで いる。子供たちは、目的がかなえられて大満足していた。 翌日、娘一家は、親戚の者と会うため、春日神社へ。 我々は、別行動して、バスに乗って唐招提を訪ねた。 薬師寺を訪ねたかった理由の一つは、ウチに昔からあった古い写真の一つ、 ヘレンケラーが(たぶん第2回目の訪問の1948年)鑑真和上のお目を 撫でている写真があったから。鑑真和上の像の永遠に閉ざされたお眼を 指で触っている彼女自身も盲目。盲目の人が鑑真和上のお姿を確認するために 触覚に頼っている。非常に不思議な、感動的な写真だ。この像は今は、 一般に公開されていないが、「身代わり像」としてレプリカを見ることができる。 (国宝。唐招提寺はユネスコの世界遺産の一つ。) 芭蕉が鑑真和上坐像を拝したときに詠んだ「若葉して御目の雫拭はば」を はからずも思い出した。 上は、鑑真和上の墓所へ行く道。苔生して、きらきらと輝いていた。 ちょうど見ごろだった蓮の花も見ることができた。 静かな石畳の道。 どこかで美しい景色に出逢ったら「あ~、いいなぁ!今度来るときにはあの人と 歩きたいとか、〇〇にも足を伸ばしたい」などと昔は思ったもの。 今は「今度? それはないだろう~」と思う。 だから、老人の旅は寡黙になるが、別に深刻ではない。時の流れを回顧したり 行く末を想像したりしてけっこう愉しんでいるのだから。寡黙な人と旅をするのも そう悪くないと思った。
by tamayam2
| 2017-06-24 16:22
| たび
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