【753】北八ヶ岳「坪庭」にて

標高2240mの北八ヶ岳「坪庭」は溶岩台地。
風が吹き土が飛ばされ、植物にとってはこの上なく
過酷な環境だが、それでも植物は生えている。
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9月最後の日、友人たちとここを歩いた。
ロープウェイのおかげで、子供でも登ることができる。

岩石の上にシミのような地衣類が生え、
そこに苔が生えると、どこからか針葉樹の種が飛んできて
芽を出す。過酷な環境に耐えたものだけが、生き延びる。
ここの植物は、みな、岩に這いつくばるようにして
強風から身を守っている。
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ロマンティックに響くコケモモの実。
(ローウェイの乗り場のある売店でジュースやジャムを売っていたが、
そんなものが作れるほど実が採れるわけがない。
どこかの栽培地で採れた実を使っているのだろう。)

この辺りで、有名なのは、縞枯れ(しまがれ)現象
10年を単位にして、針葉樹が縞状に枯れてしまうのだそうだ。(写真上)
この辺りにしか観察されないので、不思議な現象と言われている。
確かに枯れた木々の筋が幾筋も観察された。
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珍しいと思ったのは、ゴゼンタチバナ(御前橘)の赤い実!
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7月ごろには、端正な白い花をよく見かけるが、初めて実を見た。
ゴゼンタチバナのそばに、てらてらと光る葉が生えている。
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これは、小イワカガミの葉。
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夏には、ピンクのかわいい花を咲かせるコイワカガミ
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ヤマハハコもあちこちに咲いていた。
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ハバヤマボクチ(葉場山ボクチ)は、ここではなく、翌日の八島湿原で見た
ものだが、珍しい形をしていたので、ここに載せておこう。
「ほくち(火口)」というのは、火打ち石で起こした火を燃えやすい
ワラなどに移して薪へ移動させるもののようだ。その形がこんな形

なのだろう。アザミの仲間。
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アザミもあちこちに咲いていた。
強く健気な花だと思い、一つ一つ撮影せずになおれなかった。
10月下旬には、早くも初冠雪の時期を迎えることだろう。

私にとって懐かしいこの地を案内してくれた信州の友に
心から感謝している。

by tamayam2 | 2015-10-17 09:45 | たび | Comments(6)
Commented by ふく at 2015-10-17 17:11 x
しまがれといれたら市曲がれがでました。
何のことやら。パソコンも時々?
縞枯れの語感に惹かれたり清楚な花が
見事に変身したごぜんたちばなの実と
対面したりほんにすてきなブログだこと!
いっつも楽しみにしています。
Commented by tamayam2 at 2015-10-17 22:02
♡ ふくさん、
愛読くださりありがとうございました。私もいろいろ
調べて行くうちに珍しい言葉に出会えます。
縞枯れ現象は、主にここのことを指すらしく、長野県では
当たり前の言葉ですが・・・一般的には知られていませんね。
やはり、害虫が原因らしいです。なぜ、縞状に枯れるのかは、
謎です。ゴゼンタチバナは、美しい言葉です。とても端正な
花で、ゆかしい感じがしますね。ボクチという言葉が火口
のこととは、わかりませんでした。確かに火打ち石を使うと
それを移すための燃えやすいワラ屑とか、タンポポの綿毛の
ようなものが必要だったと想像が付きます。昔の人の動作が
想像されて、興味深いです。
Commented by PochiPochi-2-s at 2015-10-17 22:39
ゴゼンタチバナの実、初めて見ました。
花は知っていたのですが。
枯れたヤマボクチ、いい感じですね。
以前一度だけ絵に描きました。
アザミも絵に描くと案外おもしろいです。

坪庭の素敵な写真を拝見して、もう一度坪庭に行きたいと思いました。
Commented by namiheiii at 2015-10-18 10:59
40年ほど前に此処に行ったことがあります。その頃すでにロープウェイがあったのですね。その頃はあまり植物には興味がなかったのでぐるりとひと回りしてごとごつと岩の多い地味な箱庭のようなところだなあという感想でした。ゴゼンタチバナの紅葉と実は初めて見ました。写真も見事に撮れていますね。縞枯れ現象、不思議ですね。此処だけの現象ではないのですか?
Commented by tamayam2 at 2015-10-19 08:15
♡ PochiPochi-2-sさんm
絵を描かれるのですね。本当は、写真でチャチャと撮る
より、しっかりスケッチしたほうがいいのです。
私もゴゼンタチバナの花は知っていましたが、実を見た
のは初めてでした。夏の姿をよーく知っているから判断
できたのだと思います。小さなことですが、色に惑わされず
に葉の付き方などの特徴を掴んでいなかったらわからなかった
でしょう。子供でも登れる観光地ですが、案外おもしろ
かったです。体力的にも疲れませんし。。。ああ,
モダンな利器は多いに利用しなくっちゃ。
Commented by tamayam2 at 2015-10-19 08:25
♡  namiheiii先生、
私もしばらくぶりに出かけました。あまり期待していなかったのですが、
懐かしい植物に会えてうれしかったです。ゴゼンタチバナは紅葉しても
やぱり端正な感じでした!風がびゅうびゅう吹いて植物の生育には過酷な
環境なのに、健気に咲いている花々をいとおしく眺めました。
縞枯れ現象は、長野県では他でも見られるらしく、害虫が原因らしい
とまではわかっているそうですが、なぜ、10年周期?なぜ、ここに多い?
それはまだなぞのようです。
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