【673】美ヶ原散策(1)

信州に住む友人に誘われて、24日~25日、美ヶ原散策をした。
山本山荘という伝統ある山荘に一泊した。
そこの主人は、創設者、山本俊一さんの遺志を受けついて標高2000mの
この地を訪れる人々をもてなしてくださる。
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驚いたことには、従業員は、ネパールから来た青年たちで、
とても美しい日本語を話す。オーナーのお躾がよいのだろう。
田部井淳子さんとエベレストに登った人や、三浦雄一郎さんの登山を手伝った人など・・・
山のベテランぞろいなのだ。この青年たちがお国に帰って、日本からの登山客の
ガイド役を務めてくれるはずだ。
外国の人がきちんした日本語で応答しているのを見るのはとてもうれしい。
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山小屋の食事にあまり期待はしていなかったのだが、ヴォリュームたっぷりの
洋食だったし、絶景を見ながらの入浴も最高だった。
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美ヶ原を象徴する美しの塔に刻まれた尾崎喜八の詩を友人が読んでくれた。

    登りついて不意にひらけた眼前の風景に
    しばらくは世界の天井が抜けたかと思う。

・・・世界の天井が抜けた・・・まさに、そんな空!

     やがて一歩を踏みこんで岩にまたがりながら、
     この高さにおけるこの広がりの把握になおもくるしむ。
     無制限な、おおどかな、荒っぽくて、新鮮な、
     この風景の情緒はただ身にしみるように本源的で、
     尋常の尺度にはまるで桁が外れている。

・・・桁が外れている・・・空も草原もただただ広いのです!

     秋の雲の砲煙がどんどん上げて、
     空は青と白との眼もさめるだんだら。
     物見石の準平原から和田峠の方へ
     一羽の鷲が流れ矢のように落ちて行った。
     

王が鼻の方へ歩いて行く途中で、マルバダケブキの一群に出あった。
ニッコウキスゲは鹿の大好物で喰い荒らされるが、この大振りな花は、
「鹿も喰わないから、こんなにデカい面して繁茂しているんだよ」と友人が言う。
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確かにこの花は、開花した花はまだしも、蕾は焦げ茶色で、なんだか奇妙な形を
しており、人間の私にもあまり魅力的な花と映らない。
マルバダケブキ【丸葉岳蕗 キク科メタカラコウ属 Ligularia dentate】
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ところが、そこへ、ウラギンヒョウモンが!
この花の上で長い間、吸蜜していたから、この花はチョウには気に入られているらしい。
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高原のいたるところでよく見たハクサンフウロにもモンシロチョウが来ていた。

一年中風が強く、砂礫地のこの地で貴重な植物、シャジクソウを見ることができた。(冒頭の2枚 ピンクの花)

クローバーやレンゲなどの仲間で、葉が車軸のように放射状につくことから命名された。
シャジクソウ【車軸草 マメ科 Trifolium lupinaster】
どの草も花が豆粒のように小さく、背も低く、強風に飛ばされないように
しっかりと岩間にしがみついている。

次回に高原で見た花々をご紹介いたします。

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by tamayam2 | 2014-07-30 13:12 | たび | Comments(2)
Commented by namiheiii at 2014-07-31 10:33
山ならではの色んな花が見られて良かったですね。美ヶ原には55年前の冬にスキーツアーで登ったことがあります。上田から入り松本に下りました。山小屋は一軒しかありませんでしたから先代の経営だったかもしれません。名前はわすれました。冬ですから雪しかありませんでしたがその頃の私は花にはまったく興味がありませんでした。
Commented by tamayam2 at 2014-07-31 18:59
♡  namiheiii先生、
今から55年前ですと、1959年頃、先生は、さっそうと冬の
美ヶ原でスキーをされていたんですね。あのころ、スキーは
本当に憧れのスポーツでした。ここには、山本小屋しかありません
から、きっとここにお泊りだったのでしょう。山本氏は、子孫が絶えて
別の方が継いでおられるようですが、Alp精神は受け継がれている
ようです。私も2005年以前には、ほとんど植物に関心がなく、
毎日書類ばかり見て暮らしておりました・・・ふふふ。
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