【630】ラッパ飲み

2004年に初めてドイツに行ったとき、市電の中で、女性がビールの小瓶を
ラッパ飲みをしているのを見て、 ショックを受けた。
住んでみてわかったことだが、特に夏、特にサッカー(フースバル)の試合の後は、
男女を問わず、場所を問わず、ビールはラッパ飲みされるのがフツ―の光景なのだった。
(現在は、車内の飲食は禁止になっている)

瓶の口から直に飲み物を飲むなどということは、昔の日本女性はできなかった。
自動販売機でプラスティック容器入り飲み物を買うようになってから、できた
新しい習慣だ。今は、歩きながらでも、会議中でも、どこででもラッパ飲みだ。
子供も、年よりも、この暑い時期には、外出先でラッパ飲みしている。
無論、私も恥じらいなくやっている。習慣とは恐ろしいものだ。

2007年に日本に帰国したとき、電車の中で人々がケータイをいじっているのに
たまげた。当時ドイツでは、ケータイ(ハンディ)を持っている人は、
ビジネスマンぐらいで、学生や主婦、子供、老人が持っているケースが少なかった。
カード交換式以外は、契約料金が割高だったのだ。

このごろは、日本は、ケータイからスマホにかわったが・・・
電車の中で小さい長方形の箱を握りしめて何らかの操作に熱中している人が非常に多い。
7人掛け座席の7人中6人ぐらいが箱を凝視していたり、指で頁を繰っていたりしている。

私は、ひそかに前の座席を見て、7分の6とか、7分の5とか、心の中でつぶやく。
電車の中では、他人との接触を断ちたいのだろうか・・・ぼんやり中吊り広告を
見たり、車窓風景を眺めたりする人は少ないし、本を読んでいる人も珍しくなった。
1.
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家人が歩行が不自由な人になって以来、電車に乗ったら、優先席を目指す。
優先席とその周囲は、ケータイ電話のスィッチOFFと明記してあるが、
これは、だいぶ前から有名無実になっていて、前後6席ある優先席は、だいがい
6分の3~4ぐらいがケータイ/スマホ利用者によって占められている。
老人の利用者もいる。ペースメーカーに影響がある言われているが、あまり影響がないという説もあるとか・・・。
人はその当事者になってみなければ、痛みが理解できない。
2.
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歩行が不自由な人には、10mの移動でも恐る恐るで・・・無事に目的地に
着けるかどうか、何度も頭の中でシミューレーションをしてから、詮方なく電車に乗って
いるのである。
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このごろ、ちょっと怖いと思うのは、「歩きスマホ」の人だ。
前を行く若者が階段の途中で急に止まり、後続の私がつんのめりそうになったことがある。
怖かった! 歩きながら、文字操作をしたり、通話したり・・・周りの人のことなど、
全く眼中にない人が多くなった。公共の場と自分ちと区別がつかないのだな・・・うむむ。

この夏に見た植物たち。
1.よく生垣に使われるベニカナメモチの園芸種に、きれいな花が咲いているのを見た。

2.トウダイグサ科のユーフォルビアは背が高く、1~2mにもなり、花壇の中央では
  主役級の扱いだ。ヨーロッパでよく見かけた植物。
  トウダイグサ科の植物は、353属7500種もあって、一大科を形成している。
  サボテンや多肉植物のような姿もあり、その多様性に興味が尽きない。
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3.シダは、日本中いたるところで見られるが、日本固有のものもあり、シシガシラは、
  Makino(牧野)の学名がついている。

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by tamayam2 | 2013-08-27 20:35 | 日々のできごと | Comments(10)
Commented by pfaelzerwein at 2013-08-27 22:43
「ラッパ飲み」 - 自販で購入したコーラを立ち飲みしたとして子供を引きずって帰り叱責したというのは、今は鬼籍にある日系二世の遠縁の夫婦でした。

ビールに関しては、ドイツの路上の工夫がやっていて初めて目にした光景ですが、自分自身は今でも好んではやりません。やはりグラスを出させて飲むほうが美味いからです。先日、フランス人とそのような場面でビールを飲んだときには、女性は当然ながら、男性にもラッパのみは習慣にはなっていないようでした。ワインのラッパのみは見たことが無いのと、ビールの伝統はやはりドイツのものかなと感じました。

その意味からは、水も購入することはなく、ペットボトルを持ち歩く習慣もないので、ラッパのみの機会は子供の頃よりも完全に減少しました。恐らく反面教師のようなものです。
Commented by tamayam2 at 2013-08-28 08:01
♡  pfaelzerweinさん、
お久しぶりです。日本は、この夏大変な猛暑で、家の中にいる
お年よりが熱中症で命を落とすという事故もありました。ですから、
水分補給を小まめに、というかけ声が全国的に合い言葉になり
ました。ドイツ人のラッパ飲みは、やはり、フースバルの興奮と
関連があるのでしょう。一般的には論じられないですよね。
試合の後やカーニヴァルの後、ビール瓶を路上に捨てるので
その破片で往生したこともありますが、大きな市の清掃車が現れて
瞬く間にきれいに片づけているのにも感心しました。私の住んで
いたところが、ケルンのStadionに近いところだったので、あの
喧騒がしっかり頭にこびりついてしまいました。(笑)お元気で。
Commented by tabikiti at 2013-08-28 08:47
躾と いう言葉は
もはや死語なのでしょうね~^^。





Commented by tamayam2 at 2013-08-28 20:26
♡  tabikitiさん、
こんな漢字を知っている人は少ないでしょう。
身についた美・・・いい言葉ですね。

すれ違うとき、ちょっと傘をかしげる傘傾げ・・・
人の前を通るとき、前を失礼・・・と言ったり・・・
 
そういう麗しい習慣はどこへ行ってしまったのでせうね。
Commented by 寧夢 at 2013-08-31 10:34 x
食べ歩きが恥ずかしくなくなった?のはいつの頃から。
立ったまま、持ったまま食べ、呑みながら歩き、喋る。
子供の頃は許されなかったことなのに。

会釈、姿勢、視線、そういう言葉はどこかへ消えてしまって、
ガンを飛ばすだのガンを付ける、
目線というのも、昔は余り使わなかった。

体が「骨が豊か」だった時代は、遙か遙か昔なのですもの。
心の豊かさや奥ゆかしさがどこかにいってしまったとしても、
今、どれだけのことが出来て残せるのかと、
我と我が身を振り返り、娘を見ていても思います。
和が親はもっと思っていることでしょう。
Commented by tamayam2 at 2013-08-31 20:32
♡ 寧夢さん、
ご家族とともに関東での休日、いかがでしたか?私も29日、
ちょっとしのぎやすい天候だったので、つくばに行って来ました。
静かな植物園の中を自由に歩きまわるのは、私の至福のひととき。
時には、沈黙して独りになるのもいいです。このごろ「上から目線」
が嫌われているようで、発言する人もとても遠慮がちですわね。
視線ではなく目線という湯桶読みが不思議な感じでしたが、
ついに定着したようですね。上からエラソーにとやかく言われたく
ないのですね。(笑)娘に日本の奥ゆかしさを伝えたいと私も思い
ますが、成功にはほど遠く・・・。私自身が奥ゆかしさを失いつつ
あるのでしょうね。お元気で。
Commented by BBpinevalley at 2013-09-01 05:10
人は、その当事者になってみなければ、痛みが理解できない・・・・本当ですね。
人間とは、いかにも想像力に欠けるもの。
思いやりの気持ちや優しさがあったとしても、想像力に欠けると、その気持ちは使い道の無いものですよね。
最近は、人間生活が安易になって、普段の生活に「痛み」や「辛さ」が無くなったものだから、尚更だと思います。
その上、目先のことだけを考えていれば生活でき、目先のことにしか注意がおよばないほど刺激の多い忙しい世の中になってしまい、例え有ったとしてもその想像力を使う場もありませんね。

おくゆかしさなどに至っては、もっと注意の及ばないところなんでしょうね。
アメリカ文化の影響も有るのでしょうが、西洋社会に住んでいるものとしては、もっと肝心なところも真似てもらいたいものだと、つくづく思います。
Commented by tamayam2 at 2013-09-01 07:50
♡  BBpinevalleyさん、
>人間とは、いかにも想像力に欠けるもの・・・自身でもそう
思うことがよくあります。時間に追われ、スケジュールに追われ、
忙しい生活をしておりますと、なかなか人の痛みに気づかない
ことも・・・。西洋社会の落ち着いた生活態度を、本当にどう伝えたら
よいものかと思います。NZに住んでいたころ、北のほうの貧しい僻地
を訪れ、こんなに自然が美しく、こんなに貧しい生活なのに、人は
ユーモアを忘れず豊かに暮らしていけるのだなぁ~と感動を覚えたこと
があります。ユーモアは人を救う力になるなぁ~と。
Commented by nenemu8921 at 2013-09-05 11:32
ビールのラッパ飲みにぎょっとしたのは、映画「マディソン郡の橋」を見たとき。
(あの原作は駄作でしたが、メリルストリープの演技がよくて、とてもいい映画になっていました)
えっ!!と思いましたよ。でもエレガントな人は何をしても絵になるなあと感嘆したりもしたのでした。
何をしてもがさつな私はとてもラッパのみは出来ませんが。。。。
Commented by tamayam2 at 2013-09-05 18:35
♡  nenemuさん、
「マディソン郡の橋」は私の好きな作品です。メリルストリープが
出ているものはみんな好きですが。駄作なかぁ~
えっ?彼女がラッパ飲みを?アメリカ人は、よくやるわね。
会議などでこの頃はプラスティックの瓶が出ていて、コップは無い
のよ。私もついにラッパ飲みの女になりました。ラッパ飲み、
立ち喰い、歩き喰い・・・若い女の子ならサマになるけど・・・我々の
年の人には抵抗があります。
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