【614】映画「二十四の瞳」の舞台

6月の第一週末に、香川県小豆島へ行った。

小豆島と言えば、私の世代では、ああ、あの「二十四の瞳」の・・・と来る。
しかし、若い世代は、え~? にじゅうよんの? あずき島?
いいえ、にじゅうの瞳 の しょうど島です。
高峰秀子という女優さんがいて・・・説明したいが、わかってもらえないだろうナ。
c0128628_959290.jpg

映画に出ている高峰秀子、笠智衆…木下恵介監督、原作者の壺井栄…みな故人となった。
この映画ができたのは、昭和29年(1954年)。約60年前になる。
c0128628_1014676.jpg

小豆島は、今の人には、オリーブの木が茂る南国風の島というイメージなのだ。
ちょうどオリーブの花の開花時期で、島中どこでも香しい花が咲いていた。写真上。
c0128628_100564.jpg

小豆島の東のはずれ苗羽(のうま)から出た半島の先っぽに映画の舞台となった
岬の分教場がある。今は、「二十四の瞳映画村」として観光スポットの一つ。
c0128628_1022533.jpg

本物の分教場は、そこから10分ほど海岸沿いに歩いたところに保存されており、
当時(昭和3年~46年ごろ)の教室の様子を見ることができる。映画もこの分教場
で撮影された。小学校の1年生から4年生までは、この分教場で学び、5年生からは
島の中心部にある本校へ移る。
c0128628_1032369.jpg

主人公の大石先生(高峰秀子)は、この分教場の新任教師として赴任してくる。
そこで、12名の尋常小学校一年生の担任となる。12名だから、
24のキラキラした瞳が女(おなご)先生の一挙一動に注がれる。
c0128628_1035845.jpg

新任教師は、生徒とのやりとりの中で、この島の貧しさ、生徒たちの置かれている家庭
環境、刻々と迫りくる軍国主義の圧力・・・を感じとっていく。
c0128628_104561.jpg

写真上  あふち【楝 センダン科】の花

改めてこの映画を観た。背景に流れる懐かしい童謡や学校唱歌の数々が懐かしい。
七つの子、仰げば尊し、ふるさと、朧月夜・・・
茶っきり節、金毘羅舟々などの民謡もあった。

日本人なら、子供のころどこかで歌ったそういう歌の数々。それが、今では
初等教育で教えないのだそうだ。
言葉が難しいから・・・と言って。(嗚呼)
その代わりに教えるのは、NHKの幼児番組の歌やCMソング。
そうなると、その番組をみていないおばあちゃん世代は、子供と一緒に歌えなくなる。
残念なことですね。
c0128628_1055194.jpg

写真上 小豆島には、醤油工場が多い。昔は、塩田をつくっていた。

私は、今、高齢者の友人と小さい竪琴のような楽器(Leier)を習っている。
その方が老人介護施設で、その楽器で童謡を弾くと、みなが回りに集まってきて自然に
歌が口から流れ出るそうだ。若い介護の人たちも手を休めて、
♪~菜の花畑に入り日薄れ・・・
そういう国民だれでも、どの世代でも知っている歌を、大事にしていかなくちゃと
思う。たしかに言葉は少々難しいけど、少し、現代風に書き直したりして、継承
したらいいと思う。

♪~卯の花の匂う垣根に、ホトトギス早やも来、鳴きて、忍び音もらす、
  夏は来ぬ   
「これって、さっぱり意味わかんない」と若い方から言われたことがある。(嗚呼)

「6月ごろの山の道を歩いていると、どこからともなく、ホトトギスの低い、押し殺した
ようなグルグルという鳴き声が聞こえてきて、農家の垣根からウツギの白い花の香りが漂ってくる。
ああ、もう夏が近いのだなぁ~という感じ」・・・ですよ。

こういう日本人の共通にもつ感覚を、国語の先生がた、生徒たちにぜひ教えてあげて
ください。

by tamayam2 | 2013-06-26 10:10 | たび | Comments(11)
Commented by kanmyougam at 2013-06-26 15:07
「24の瞳」・・・・・見ました。
感動しました。

田舎では映画を観る機会の少ないこと
教室の黒いカーテンを体育館に張って暗くして
汗をかいてみました。
戦争を息苦しく
平和をありがたく心に刻んで見ました。

またぞろ痛みを忘れて改正がの言う方があります。
Commented by tamayam2 at 2013-06-26 19:12
♡  kanmyougamさん、
小学校の校庭に白い幕をはって、地べたに座って、暗くなるのを
待って見ました。映画はそれだけで心も踊るほどうれしかったですね。

軍歌の勇ましさと対比して、この映画では、たくさん唱歌が使われて
いると聞きました。壺井さんは、当時大ぴらには言えない
反戦の考えをこの小説に潜ませたのでしょう。私がお訪ねした
在島者によれば、壺井という姓は島には多いそうです。
Commented at 2013-06-27 03:13 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by tamayam2 at 2013-06-27 06:18
♡  cimarron さん、
この映画”The Way”は、邦題は、”星の旅人たち”私も観ました。
とてもいい映画でした。実の親子でしたね。私もサンチアゴ巡礼の
ほんの一部でもやってみたくなりました。色々な個人的理由で
巡礼に参加している人と道連れになるのですが、それぞれの
人生の重さ、でも仲間と行く道の味わい深さ・・・そんなことを
感じました。でも500マイルはとてもとても遠い道です。(笑)
Commented by KawazuKiyoshi at 2013-06-27 12:13
好い映画でしたねー。
おばあちゃんと一緒に見に行って、
おばあちゃんが涙涙だったのを覚えています。
あばあちゃんといっていたのは、父の妹でした。
随分年のおばさんでした。
今日もスマイル
Commented at 2013-06-27 13:57 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2013-06-28 06:14 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2013-06-28 06:14 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by tamayam2 at 2013-06-28 09:35
♡  KawazuKiyoshi先生
映画を話題にしますと、それぞれの方に
ああ、あの映画は、あの時の・・・という記憶の結びつき
ますね。特にいい映画は。
今の中年の女性は、「おばさん」 と呼ばれることに抵抗が
あり、アラフィフとかシニアとか言い換えをする傾向がありますね。
いいじゃありませんか。
おばさん、おばあさん・・・人がどう呼ぼうと。ふふふ
Commented by tamayam2 at 2013-06-28 09:38
♡ cimarronさん
Kroller Muller Museumは、広大な森の中にあり、路線バス
で行くには大変でした。でも素敵な美術館でした。
私の過去Logをお読みになっているって。はずかしいです。
アメリカでは、ガレージセールとか、雑貨の売り買いが手軽
にできていいですね。日本でもあるのでしょうが・・・私の家は
古いガラクタが溜まる一方。なんとかしなくちゃと思います。
Commented by tamayam2 at 2013-06-28 21:44
♡ 鍵コメさん、
私が考えるより、今の国語の先生のおかれている立場は
厳しいのですね。教師に限らず、いろいろな職業の現場で
こういう効率主義的考えが蔓延しているのでしょう。Aは無駄
だから、教えない、Bは受験に出るから教える・・・・悲しいことです。
特に国語は、日本人の思考を支える道具ですのに。心ある教師
は、現場で苦しむでしょうね。気の毒です。この童謡に出てくる
卯の花、ホトトギス・・・そういう日本の自然に季節、季節に姿
を見せてくれる動植物の名を知らないと、それにまつわる感性
も育たないし、ましてや俳句、短歌なども味わえないわねぇ~(嗚呼)
<< 【615】ケルン中央駅 【613】お墓事情 >>