【612】友人の葬儀に、ケルン再訪

私の誕生日にいつもカードをくれるドイツ人の友人のGから
カードが来なかった。イースターが過ぎたころ(4月の始め)と
彼女の誕生日5月28日に間に合うように贈り物を送ったが
返事がなかった。もしや、と思っていたら、訃報が。

17日に葬儀という知らせだったので、15日(土)にドイツに発って、
19日早朝に帰国した。3泊のあわただしい悲しい旅となった。
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到着したのは、15日の晩、6時ごろ。サマータイムで9時過ぎまで
明るいので、ホテルのわきの森には、たんさんの家族連れが散歩して
いた。自転車で、あるいは、自家用車を森に縁に停めてそこから
歩いてきたのだろう。ドイツ人は、つくづく「森の民」だと思う。
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こんな新緑の季節ばかりでなく、小雨降る日でも雪の中でも、彼らは
森に来て歩く、歩く。そこで、家族が話し合い、恋人たちは将来の夢
を語り合うのだ。
土曜日の午後から日曜日にかけて、すべての店が閉まり、消費行動は
ご法度。コンビニが至るところにある日本から見ると、驚くほどの
徹底ぶりだが、どの労働者にも日曜日は安息日として休む権利が与えられて
いる社会だから、人々はその日は安息日として過ごすことになる。
私は、市電に乗って、町まで行きたかったのだけど、小銭がなくて、
市電の切符が買えず往生した。仕方がなく、4Kmぐらい歩いてしまった。
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私がかつて住んでいたのは、ケルン市のLindenthal地区。
Lindenthalとは、リンデン(西洋ボダイジュ)の谷という意味だ。
ちょうど、リンデンバウム(西洋菩提樹 シナノキ科 Tilia x europaea)の花が満開
だった。
♪~泉に沿いて、茂る菩提樹・・・ あのシューベルトの菩提樹ですよ。 写真上。↑
よい香りがし、ミツバチが大好きな木だ。亡くなったGは、いつも
おみやげにずっしりと重いリンデンの蜂蜜をくれた。ドイツ人の抗生物質
だからね、傷口に塗ってもよいのよ、と言って。

下の写真は、多分ウツギの種類(?) 墓地には、たくさんの白い花が咲いていた。
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葬儀は、300人ほど集まり、棺はたくさんの素朴な小花で飾られていた。
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後日、親族だけが立ち合って火葬と納骨式が行われるということだった。
上は、サワグルミの実。 鎖のように長く垂れ下がっていた。

葬儀の案内状にあった言葉が彼女の性格と生涯をよく表していたので、
ここに書き留めておこう。
(私ども親族は、亡くなったGに対してこのような形容詞を捧げます)
Sie war eine starke Persoenlichkeit, lebensbejahend, kommunikativ,
vielseitig und stets neugierig.
(彼女は、強い個性を持ち、人生のあらゆることを前向きにとらえ、
わかり合えるまで人と話す努力を惜しまず、多方面にわたって、
好奇心を示し、未知の物事に対して常に探究心をもっている人でした。)

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私がドイツ滞在中に、まさか、生涯の友を得ようとは、想像もできなかった
ことですが、彼女の上記の性格によって、肌があったと言おうか、
とことんまで、理解しようとよく話した結果、時間をかけて友情を築くことが
できたのだろうと思います。
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私は、ドイツ語がうまくできず、彼女は、日本語が未熟でしたが、
二人の間の共通語は、お互いにとって外国語である英語でした。

by tamayam2 | 2013-06-19 15:17 | たび | Comments(6)
Commented by bella8 at 2013-06-19 16:04
tamayamさん、おかえりなさい。
大切なお友達とのこの世でのお別れにドイツまで行かれたのですね。
葬儀に300人程の方が集まられたのですから、きっと人望の篤い素晴らしい方だったのでしょう。
それで、昨日お教室でもお目にかかれなかった理由がわかりました。

私も昨年経験しましたが、これからはこのような辛い別れをいくつも乗り越えて行かなければならないんですね。

ケルンの緑に心が慰められますね。



Commented by tamayam2 at 2013-06-19 16:51
♡  bella8さん、
急なことで、お届けもせず休んでしまいました。ごめんなさい。
あなたの昨年同じような経験をされたのですね。隔たっており
ますと、病の程度がわからず、今度、お訪ねしようと・・・考えて
いる内に亡くなってしまいました。他人に言うときには、控えめに
表現する点など、日本人と同じなんですね。ドイツ人は、外見は
無骨に見えますが、非常に細やかな配慮ができる人たちであると、
彼女とそのご家族と付き合って知ったことです。やはり生きた人間
と付き合わないとわからないことです。お教室の先輩方からも
学ぶことがいっぱいです。火曜日のお教室を教えてくださって、
本当に感謝しております。
Commented by rumikoh at 2013-06-20 09:32 x
tamayamさんは ケルンで 生涯の友に出会ったのですね。

2年半前に 私も親友に先立たれました。
週に一回は映画を見に 銀座や渋谷などに出かけていたので
先日も用事があって久しぶりに銀座に行ったのですが いまだに彼女と待ち合わせた喫茶店には 入れません。
日比谷駅で いつも別れていたので そのホームもいまだにつらいです。
彼女と一緒に行ったコンサートのCDも 聞くと涙が出ます。
何かあるたびに 彼女に支えられていた自分に再遭遇して 彼女の存在の大きさに 涙しています。

国際結婚している仲間も 在住のジュネーブで彼女に似た日本人を見ただけでつらいと言っていたので ケルンの方で遠く離れていても
来日もされているでしょうし、tamayamさんも 心に刻まれた思い出がたくさんあるから つらいと思いますが ドイツまで 駆けつけられて なにより 良かったですね。

Commented by tamayam2 at 2013-06-20 11:05
♡ rumikoh さん、
冒頭の友人、 bella8さんのコメントのように、
>これからはこのような辛い別れをいくつも乗り越えて行かなけ
>ればならないんですね・・・・友人の死、家族の死・・・どうしても
避け得ない別れが、ありますね。それぞれの時を感謝して、
楽しんで過ごさないといけませんね。
15日JG同窓会の講演会があり、今井通子さんが山の話、森林浴
の話をなさったそうです。私は、ドイツにおり欠席しましたけど、
家人がでかけ、よい講演会だったと言っておりました。
Commented by nenemu8921 at 2013-06-21 09:40
お帰りなさい。
たいへんでしたね。
状況がしかとは見えず、言葉が見つかりませんが、
元気なtamayamさんの日常がまた展開されますように。


サワグルミの紐の画像、いいですね。
しっかり撮っておきたかった植物です。季節を選ぶので。
東北でよく見たのに。
ケルンなのね。


Commented by tamayam2 at 2013-06-21 11:10
♡ nenemu8921さん、
ケルンは、第二次大戦の後、大聖堂を除いて、町全体が
空襲にやられ瓦礫の山になりました。時の為政者アデナウワー
だったか、町を囲むリンクを二重、三重に張り巡らしそこを市民の
森にしたのです。森がないと人は生きてはいけぬという発想で。
だから、ケルンの町のアパート群は、コンクリートの粗末な作りで
見るべきものもありません。戦後60年、森の木は十分に育ち
そぎ大木になっています。こういう大木を見ると本当に心が
晴れ晴れしますよ。サワグルミ、リンデンバウム・・・ニレ今が
最盛期です。
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