【606】黒船が来た町、下田

安政元年(1854年)、鎖国中の日本は、外国の出来事とは無関係に、
安穏な生活を楽しんでいた。そこに、突如現れた黒船
敵は、開港を迫り、日米和親条約を締結を突き付けてきた。
その舞台となった下田の町並みは、至極のんびりしていて、ぶらぶら歩きで
街中をすっかり見て歩けるほど小ぢんまりした町だった。
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ペリー提督が歩いたと言われる川べりの小道は、ペリー・ロードと呼ばれている。
私は、子供のころ、「ぺルリ」と習ったような気がするが、Perryさんですね。
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・・・泰平の 眠りを覚ます上喜撰(蒸気船) たった四杯で 夜も眠れず・・・
 こういう狂歌も学校で習った覚えがあります。大きな船を1杯、2杯と数えたと
 いうのは分かりますが、上喜撰とは何か?
酒の銘柄ではなくて、上等な緑茶の銘柄ですって。

なるほど、静岡県ですからね。上等なお茶を4杯も飲んだら、眠れなくなりますが、
黒船が四杯も押し寄せて来たら、怖くて怖くて下田の町民は震え上がったことでしょう。

今この辺りを歩くと、とてもよい匂いがします。甘い香りにむせそうになるほどです。
香りの主は、ニオイバンマツリ(匂蕃茉莉)、地元の人は、アメリカジャスミンと呼びならわしているようでしたが、ジャスミンとは科が異なり、これは、ナス科の植物。
了仙寺という歴史的に重要なお寺の境内は、この花でいっぱいでした。
はじめ紫でだんだん白くなっていくそうです。

下田の名物は、この花の背景に写っているナマコ壁の土塀。瓦板を白の漆喰で縁取ったものですが、情緒ある景観をつくっています。
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ペリー・ロードは、昔の花街なのでしょう、ちょっと風俗っぽい香りがします。
今は、すっかり若者向けのギフトショップ等にリメイクされています。
唐人お吉さんもこの辺りを歩いたのでしょう。
お吉のお墓のある宝福寺の境内で二匹の眠り猫に会いました。
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この椅子の下、川べりに咲いている野草は、ディジーの野生種。
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ローン・ディジーと呼ばれている西洋産のヒナギクです。なぜこんなところにあるのか、
謎です。
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海に近い場所で、よく見かけたトベラ。本当は、とびら(扉)がなまった名前だそうです。
魔除けに、この木の葉を扉に差したから・・・とのことです。学名にしっかり日本語名が
ついており、学名watcherのTamayamはうれしかったです。
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この花は、今がシーズンらしく、白や薄黄色のものが真っ盛りでした。
こちらは、ニオイバンマツリと逆に、白からクリーム色、黄色に変化するようです。
この花に惹かれていろいろ写真を撮ったのですが、土地の方はだれもこの木の名前を
知らないのでした。
私は、おおよそトベラの仲間かなぁ~と見当をつけたのですが、土地で何と呼ぶ
のか、知りたかったのですが・・・意外に近くに在りあふれているものには、
皆さん関心がないものなのですね。(笑)

上から2枚目のオレンジ色の花も町中でよく見かけた花です。
花アロエというユリ科の植物ですが、原産国は、南アフリカだそうです。
アロエと無関係のユリ科の植物です。学名に忠実なブルビネという園芸名は
覚えにくいので、俗称が一人歩きしてしまったのでしょう。
南アフリカの花がなぜ、下田に??
そんなことをぼんやり考えていると、いくらでも時間がたってしまい、退屈しません。

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by tamayam2 | 2013-05-17 18:01 | たび | Comments(10)
Commented by school-t3 at 2013-05-18 09:33
上等な緑茶の銘柄!@@
まあ~、一つ利口になりました^^

町歩きもtamayamさんにかかると
奥が深くなりますね。
私もちょっぴり昔に引きずり込まれました。

ローン・ディジーはエリゲロンに似ていますね。
まったく別のものですか?
Commented by KawazuKiyoshi at 2013-05-18 12:26
歴史の街ですね。
ゆっくり散策した気分です。
ありがとう。
今日もスマイル
Commented by tamayam2 at 2013-05-19 06:15
♡  school-t3さん、
erigeronという名なのですね。ありがとうございました。北米原産
のようで、園芸屋さんでも扱っているようです。西洋では、雑草です
が、白からだんだん赤味を帯びてきます。一面に咲いていると、2色の
別の株のようできれいですね。今日はペンテコステ。これから教会へ
出かけます。
Commented by tamayam2 at 2013-05-19 06:18
♡  KawazuKiyoshi先生、
日本は、南北になが~い島、歴史も自然もとても面白いです。
シーボルトさんとか、ペリーさんが日本に来て目をぱちくりした
様子を想像しながら、歩いています。お宅の近くにキジがいる
なんて!? 本当に素敵です。
Commented by nenemu8921 at 2013-05-19 06:22
下田、昔行ったことがあります。
眠り猫のいる風景も、ディジーのある石畳?、ブロック?の景観もいいですね。
ニオイバンマツリは名前のごとく、夜、香りが強くなるような気がします。
友人が切花にして持参くださったので、テーブルの上に飾ったら、そんな印象でした。
ローン・ディジーっていうの? ハーブの友人は、エリゲロン、源平菊と、呼んでいました。
私も育てたことがありますが、丈夫で手がかからず、可愛かった。
ハナアロエやトベラもおなじみです。
トベラはこの周辺の海岸で自生しています。いま、いい香りがしますね。
Commented by tamayam2 at 2013-05-19 09:19
♡ nenemu8921さん、
ディジーはエリゲロンというと教わったばかりです。かわいいわね。
匂いバンマツリは香りがきつすぎて、アレルギーの人は、鼻を覆って
歩いていました。花アロエもかつてnenemuさんから教えていただい
たのでした。(*^。^*)海辺のこの町は、ぶらぶら歩きにはちょうど
いいサイズでした。
Commented by namiheiii at 2013-05-19 12:02
5枚目、ヨーロッパの片田舎の風景のようですね。
Commented by tamayam2 at 2013-05-19 17:39
♡  namiheiii先生、
椅子というのは、不思議なもので、そこに人の気配を感じ
させますね。平滑川沿いのこんな場所から、恋する人が
通るのをじっと見ていた人がいたのかもしれませんね。☆~
Commented by 寧夢 at 2013-05-21 07:12 x
とべら、そういえば海の近くばかりで見ます。
鳴門でも阿南でも、白浜でも沢山見かけた覚えが。
魔除けになっていたとは知りませんでした。
Commented by tamayam2 at 2013-06-06 23:47
♡  寧夢 さん、
ごぶさたしておりました。学名にtobiraとあり、驚きました。
私、先週小豆島に行ったのですが、そこにもトベラが海岸べりに
咲いていました。海風が好きな植物なのですね。
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