【604】大正年間にできた学校、二つの校舎

先日、さいかち坂を歩いたとき、御茶ノ水・駿河台近辺をぶらぶらした。
あちこちに、明治大学、日本大学の校舎が点在していて、そこ、ここで
朗らかな笑い声が弾けている。若々しい町だ。
でも、私ども年配者にとっても、懐かしい学校がありましたよ。
どちらも大正年間にできた専門学校です。
私はそのどちらにも通ったことはないのですが、何だか夢多き若き日の
ことを思い出して、ジーンとしてしまいました。
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①文化学院
なんと、今年で創立92年!(1921年、大正11年創立)
創立者は、西村伊作という方ですが、与謝野鉄幹、晶子夫妻が学校設立に関わり、
自ら教壇にも立ったのです。この学校の教師陣は、昔も今も、その道の一流の方が
綺羅星のごとく輝いているのです。文芸、演劇、美術などの分野の人材を養成する
専門学校です。
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入り口は、英国コテージ風、アーチ型の入口は、洞窟の穴の
ようです。私が若いときに知っていた文化学院にもアーチ型の入口でしたが、その
建築は今はなくて、2008年に再建されたそうです。この建物は、驚くべきことに
14階建ての校舎が背後に控えていて、日本BS放送と建物を共有しているのだそう
ですが、外観から見るとのどかなコテージ風なのです。
遠藤 誠という1968年生の若い建築家の作品です。

②アテネ・フランセ
“ふらんすへ行きたしと思えども、ふらんすはあまりに遠し・・・”(萩原朔太郎詩)

私が学生のころ、フランスへ留学する人は、たいていこの学校に通って、
学校フランス語を鍛え直したのではないでしょうか。ドイツ語なら、ゲーテ・インスティテュト、
英国留学ならブリティシュ・カウンセル・・・
私はそういう先進国へ留学しなかったものですから、こういう学校に通う同窓生を
まぶしい思いで眺めていたものです。
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創立は、1913年(大正2年)フランス政府の文化広報活動の拠点です。
上の建物は本館ですが、中央屋根の辺りに人の横顔のマークが見えます。これが
学校のマークなのですね。
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更に、ピンクの壁をよく見てみますと、レリーフのような模様が規則的に並んでいます。
アルファベットのようでもあり、Atheneeという文字をかろうじて読むことができます。
う~む、洒落ているなぁ、と感心して見ました。
この建物は1967年、吉阪隆正という有名な建築家の作品だそうです。
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もっと感心したのは、本館に続く建物の壁です。基本的には、鏡のように輝くメタルで
できているのですが、表面が波打っているものですから、道を隔てた前の街路樹や、
建物が非常におもしろい形を形成するのです。しかも見る人の立ち位置によって、
その模様がどんどん変形するのです。まるで万華鏡のような面白さです。

言葉で説明するのはとても難しいですから、御茶ノ水方面に行かれたら、ちょっと
その模様が変形する壁をごらんになってください。
東京・御茶ノ水なら、ふらんすより、近いですよ。地図はここ
by tamayam2 | 2013-05-11 19:15 | 日々のできごと | Comments(6)
Commented by rumikoh at 2013-05-11 20:53 x
tamayamさん

女学校のESSで 英語雑誌を tamayamさんと一緒に編集してました。
その時 校正を頼んだ方が 文化学院の方で tamayamuさんと二人で 文化学院に頼みに行きました。

それ以来 あの辺りは 私の大好きな場所です。

先日 岩波ホールに カミユの自伝映画を見に行った時 フランス語専門の本屋 田村書店の店頭で100円均一の本があり もう処分してしまって手元にない 昔のペーパーナイフでページを切らないと読めないフランス語の本を 100円均一で2冊も買えて幸せでした。
子供たちにその本の話を しても理解してもらえなかったので その種の本に再会出来て良かったです。
フランス人の富豪は 革表紙の本に装丁し直していたので わざわざページを切らないで 販売していたのだと 今更ながら 田村書店の店主に教えて貰いました。この頃のフランス語の先生でも本を大事にしないので困ったことだとその店主が嘆いていました。
Commented by tamayam2 at 2013-05-11 23:12
♡ rumikohさん、
まぁ!そんなことがあったのですね。何だか私はかつて文化学院の
構内に入ったようなおぼろ気な記憶があったように思っていました
・・・・昔からこの学校に憧れや敬意を抱いていたのでしょう。ペーパー
ナイフで頁を切らないと読めない書物・・・そういう本は確かに存在
していました。それが100円均一ですって!? あなたはフランス語
が読めるからその価値がわかるのですね。すばらしいですね。神保町
の辺りの古本屋も今度散歩してみたいです。お元気で。
Commented by 寧夢 at 2013-05-14 07:13 x
素敵な建物の紹介ありがとうございます。
また東京に行く時に出かけたい場所が増えました。
アテネフランセは以前から憧れていたのですが。

実は連休中、目黒区役所(旧千代田生命本社ビル、村野藤吾設計)の
見学に行ったのですが、なかなか記事が更新出来ず・・・。
転勤後忙しいですが、だいぶ慣れてきました。
今しばらくお待ち下さいね。
Commented by tamayam2 at 2013-05-14 22:25
♡ 寧夢さん、
東京の建物Watchingもけっこう面白い分野ですね。あれっ!と
思う建物が名立たる建築家の場合、やっぱり、さすが・・・と思い、
うれしいわね。私は名を見て訪ねているのではなく、訪ねて、
ピンと来れば、名を調べているんですから、よい建築というのは、
なにかピンと来るものがあります。そういう作品に出会えるのは
うれしいです。寧夢さんとは、そいいう勘がお互い働くのね。(笑)
Commented by aamui at 2013-05-28 06:23
お早うございます しばらくぶりに来ましたが やっぱりここは面白い いやますます面白くなってるみたい ありがとね(=^ェ^=)
Commented by tamayam2 at 2013-06-06 23:55
♡  aamuiさん、
なんだかこのところ海外からのお客が多くでまた旅人生を
やっていて、コメントの返事が遅れました。ごめんね。
老いても、好奇心を忘れずに生きたいわね!! お元気で、
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