【502】トルコ ②地図に残る仕事

トルコは、ヨーロッパとアジアの交差点と言われる。
イスタンブールは、トルコの西端に位置しており、
ボスポラス海峡を隔てて、ヨーロッパ側とアジア側に分かれている。
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ヨーロッパ側には、ロンドンから出発したオリエント急行という
古典的な鉄道の終着駅、スィルケジ(Sirceci)がある。
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アガサ・クリスティの小説に出てくるオリエント・エクスプレス。
やや鉄道オタクの気味のあるTamayam2が、イスタンブール
を再訪したかった理由は、その古典的な駅舎の撮影をもう一度したい
という希望があったからだ。

カンカン照りのイスタンブールに着いてすぐ駅舎に向かった。
1800年代にできた駅舎は、まだ現役として使われている。
昼下がりのこととてレストランに人影はなく、制服姿のウェイターたちは、
やや手持ち無沙汰な感じだった。ローカル列車の行先はロンドンでは
ないだろうが、東欧のどこかの都市まで、人々を運んでいるはずだ。
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我々が泊まったホテルの最上階の食堂から見下ろすと、細々とした民家や
商家が雑然とひしめいている景色が広がっていた。
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目をさらに凝らしてみると、そこに日本語の文字が飛び込んできた。
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「地図に残る仕事」・・・・これが、日本の大成建設が何年もかかって
取り組んでいるボスポラス海峡に海底トンネルを建設するプロジェクト。

ボスポラス海峡は、地中海と黒海を結ぶ唯一の海路。ここを
閉じてしまえば、黒海沿岸の旧ロシア諸国は、地中海に出ることができない。
軍事、交通上の最大の要衝である。

九州と本州を海底でつなぎ、北海道もトンネルでつないだ実績のある
日本の技術が、こんなところで生かされている。日本人として
うれしかった。まさに、「地図に残る仕事」なのだ。
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私は、アジア側の鉄道の駅を確認するため、連絡船に乗り対岸に渡った。
アジア側の鉄道の出発点は、ハイダルパシャ(Haydarpaca)。
かつてドイツの技術で建設されたという駅舎は、とても豪華だった。
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首都のアンカラやイラン方面に行くのだろうか、今も現役の国際列車の
発着駅であった。そこからほど近いカドキョイ(Kadikoey)という町は、
活気あふれる庶民的な町だった。おそらくイスタンブールの大多数の
庶民が住むベッドタウンなのだろう。ヨーロッパ側の旧市街は全域
世界遺産に登録されている歴史地区で、ホテルや旅行者向けの
施設が密集しているほかには、広大なトプカプ宮殿や
アヤソフィア博物館等の歴史的建造物で占められている。
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いろいろな顔を持つ多彩な文化のひしめき合う街、イスタンブール。
海岸べりの通りを歩くと、「ボスポロス、ボスポロス!
ボスポロス海峡を巡る遊覧船が出るよ」と客寄せの呼び声が
かまびすしい。昼近くになると、そばのモスクから礼拝の時
を告げるアザーン(呼びかけの言葉)の声が拡声器から鳴り響く。
焼き栗や焼きトウモロコシのにおい。懐かしい焼き魚を焼くにおいもする。

以前に食べたことのあるサバ・サンドイッチは、今はガラタ橋の下で
売っていた。もちろん、いただきましたよ。一つ、5トルコ・リラ(約250円)。
この辺りは、世俗的なにおいが充満していて、なんだか、
浅草の仲見世あたりを歩いているようだ。

やっぱり、アジアなのだなぁ~。

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by tamayam2 | 2012-05-26 09:41 | たび | Comments(16)
Commented by kanmyougama at 2012-05-26 10:19
tamayam2 さんの記事に出会えないな・・・・
ひょっとしたら旅行中だろうかなどと考えていました。
振り返ってみたら「銀座のこと」で更新があってそれ以降のことです。
いっぱい見落としができていました。
ソウです5月3日に空港ギャラリーに搬入して17日終えて工房に帰るまでのことでした。
イスタンブールと対岸のアジア側の駅舎の様子佇まい、面白く見せていただきました。
アジアとヨーロッパの接点がヨーロッパ的でありイカにもアジア的であって異質のようていてしっかり融合していたり、元来文化はそんなものかと思ったりしています。
Commented by kimiko_shibata1 at 2012-05-26 10:56
小説の中で知った異国の地、憧れのイスタンブール
>アガサ・クリスティの小説に出てくるオリエント・エクスプレス。
こんな駅舎なのですね。
きっと語学に堪能で、旅慣れしたtamayam2ならではの素晴らしい風景を本当に楽しませていただいています。
ヨーロッパ側、そして、アジア側と・・・
いろんな描写も生きている人間の生活を思わせてくれます。
オリエント、オリエンタル・・・いい響きです。

地図に残る仕事・・・素晴らしい!知人に大成建設社員がいましたが、彼は橋の仕事をしてアジアにいました。
各地で活躍する日本人たちが誇れる母国でなくては・・・・
Commented by ミッチ at 2012-05-26 15:45 x
しばらく更新しておられなかったので、ご病気では?と心配しておりましたが、トルコまでご旅行だったとは!そのエネルギッシュなこと、ただただ頭が下がります!
ドイツでは石を投げれば必ず当たるほどトルコ人がいるのに(そして私の知り合いにも沢山いるのに)、トルコへ旅行したことはまだありません。こんなに面白く、そしてガイドブック顔負けのすばらしい写真入りの旅行記を拝読して、やはり一度は行ってみたいな、という気になりました。でも、先ずPをどう説得するか、それが大問題です(彼女国の好き嫌いが激しいのです!ギリシャチュニジア、エジプトもダメ)
Commented by ikutoissyo at 2012-05-26 19:16
私もやっぱりアガサクリスティのオリエント急行に憧れます。
駅舎のステンドグラスが憧れを倍増します。

トルコの人たちにとってこの海峡海底トンネルは、長年待ちに待った夢の実現ですね。
日本人が、日本の技術でその手助けをしている・・・誇りに思います。
完成はいつなんでしょう?
Commented by ふく at 2012-05-26 23:31 x
なんと鉄子さんでもあったのね。
機関車の方でなく。
情緒ある駅舎、旅はこうでなくっちゃ。
いつかきっとと訪ねたいところが増える増える。
Commented by tamayam2 at 2012-05-27 08:25
♪ kanmyougamaさん、
個展がなさったり、農作業に追われたり・・・忙しいけれども
生き生きとしたすばらしい人生を歩んでおられる様子を
Blogで拝見しました。敬愛の念を禁じえません。
本当にイスタンブールにおりますと、文化は国境を越えて
どこからどこまでが西洋とか東洋とか・・・言えません。
この地には、ローマの文化、ギリシャの文化、オスマントルコ
の文化・・・いろいろな人種、文化を呑み込んで大きくなって
きたのだなあと感じさせられます。
Commented by tamayam2 at 2012-05-27 08:28
♪ kimiko_shibata1 さん、
まさかトルコの下町で日本の文字が見られるなんて
思ってもいなかったので、びっくりしました。こういう大型
のプロジェクトを日本のゼネコンがやっているのですね。
大成建設のご友人にどうぞよろしく。
Commented by tamayam2 at 2012-05-27 08:41
♪ ミッチ さん、
そうですか、Pさんは好き嫌いが激しいのですね。(笑)私も
トルコに特に関心があったわけではなかったのですが、2008
年にチャナッカレというところで学会があり、エーゲ海沿いの
トロイ、エフェソス、イズミール、また内陸部のパムッカレ、コンヤ
カッパドキアを訪ね、その文化の多重性に感嘆したのです。
キリスト教者としてはパウロの3回に亘る宣教地ですし・・・
今回の旅ではドイツ人と一緒でした。彼らもあまりトルコについて
知らなかったらしく、よかった、よかったと言っていました。ルフト
ハンザで3時間半ですって。また、植物的には、チューリップや
カーネーションの原産国です。植物的にも面白い国ですよ。
ぜひ、説得していらっしゃいよ。
Commented by tamayam2 at 2012-05-27 08:46
♪ ikutoissyo さん、
オリエントエクスプレスは、昔は、動くホテルといわれたほど、
ヨーロッパのお金持ちの社交の場でもあったようです。彼ら
にとってトルコは、アジアなのでしょう。今は、出稼きの人の
輸送手段みたいですが(笑)。大成建設の大型プロジェクト
の完成は、来年のようです。イスタンブールの市内には、
トラムやバスが走っているのですが、外国人にも利用しやすく
便利でした。地下トンネルができると、それに伴い地下鉄も
でき、もっと便利になるそうです。
Commented by tamayam2 at 2012-05-27 08:51
♪ ふくさん、
実は、そうなのです(笑)駅とか、国境とか、岬とかそういう
場所に立ってみたいという、非常に単純な動機なのですが。
地図を見ながら移動を楽しむという趣味でしょうか。
○○の北限とか、突端とかが好きなのです。
Commented by nenemu8921 at 2012-05-27 09:47
こんにちわ。まあ、トルコでしたか!!
わたくしは、多分、訪れることのない国だと思いますが、
tamayamさんの視点で捉えた画像とともに拝見していると、
あなたのおしゃべりが聞こえてきます。楽しい。(^.^)
さりげない動機というか…、それでいて、行動力が「あって、すばらしい!
オリエント急行は映画のイメージもあって、ゴージャスな階級社会をイメージしていました。
時代とともに、すべてのものが変化していくのですね。

Commented at 2012-05-28 05:11 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by echaloter at 2012-05-28 22:54
tamayamさん、こんにちは。
あ~、今回もいい旅をなさったのですね~♪
この旅のルートは、いつか私も行きたいところです。アジア側では、「あーやっぱりアジア」と感じ、ヨーロッパ側では、「あーやっぱりヨーロッパ」と感じたい!!
ボスポラス海峡のトンネル工事に大成建設が関わってるんですね。ほんと、なんだか誇らしい気持ちになります。
昔は地図を見ながら登山を楽しみましたが、今は世界地図を見ながら、地図に残る旅をいくつもしたいなと思います。素敵な旅行の達人、tamayamさんに続け!かな。^^駅とか、国境とか岬・・・いいですよね~。港もいい!
日本語など、言葉に関する観察も興味深いので、tamayamさんのように、時々ブログに書き留めておこうかなと思ってます。今は・・・畑の話題が中心だけどw モクゲンジは青々と葉を茂らせていますよ♪
Commented by tamayam2 at 2012-05-30 14:10
♪ nenemu8921さん、
>あなたのおしゃべりが聞こえて・・・・しばらく沈黙していた
かと思うと、べらべらしゃべりだして・・・本当におはずかしい
ことです。中近東というとちょっと警戒してしまいがちですが、
この国は、大変親日的で、面白い国でした。ちょうど、トチの
樹の花のさかりで街路樹がきれいでした。
Commented by tamayam2 at 2012-05-30 14:16
♪ cimarronさん、
そう、探偵のポアロ(Poirot)ですよ。アガサクリスティが離婚
して、イスタンブールに行き、気分転換したみたいです。
駅の近くに定宿があり、今でも彼女の泊まった部屋が
記念に残されているとか。英国風の気取ったアクセント
が聞こえてくるようですね。東京も5月末というのに、竜巻、
雹、突風、雷雨と油断のできない気候です。朝顔を植えた
ばかりですが、風に飛ばされないか心配。
Commented by tamayam2 at 2012-05-30 14:23
♪ echaloterさん、
定点撮影の姫リンゴの樹と、たくさんのバラ見せていただいて
ありがとうございます。やっぱり五月はバラの季節ですね。
日本のYamyam町あたりでもどこのお宅の垣根からもバラ
の花がこぼれ出ています。素朴はツルバラも立派な名前の
ついたバラも、みんなそれぞれにいいですね。香りもいいし・・・
この頃は、日本では、Old Rose系が流行っているらしく、ちょっと
英国庭園風のものが多く見られます。やはり、いろいろ流行り
廃りがあるらしいわね。モクゲンジはこのあたりでは、簡単に
見られませんが、実ができると面白いですね。
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