ケセン語訳聖書

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ケセン語ってご存知でしょうか?

東北地方の宮城県気仙沼市近辺の方言というより、
岩手県陸前高田市、大船渡市辺りの方言をケセン語
言うようです。
ここに長年住み、医院を開業している
山浦玄嗣(はるつぐ)というお医者様がおられます。

この方は、土地の人に聖書の言葉を伝えたくて、
ケセン語訳聖書(4つの福音書)を出版されました。
震災の起こるずっと前のことです。
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聖書の中の言葉、例えば、
「心の貧しい人は、幸いである。天の国は、その人たちの
 ものである。」 マタイ5章3節  新共同訳

ケセン語訳では、このようになります。
「頼りなぐ、望みなぐ、心細い人ぁ、しあわせだ。
 神様の懐に抱がさんのぁ、その人達(ひだぢ)だぁ。」

心の貧しい人とは、だれのことだろう?
凡人には、よ~くわかりません。でも、この訳なら
わかります。
「頼りなぐ、望みなぐ、心細い人」のことなんですね。
震災後の日本人は、みな「心貧しい人」です。

山浦氏は、震災後、とても有名になられましたから
ご存知の方もおられるでしょう。ケセン語のことは
こちら のページがくわしいです。または、こちら。
大震災に遭われた方々の中にこんな方がおられたのですね。

聖書のような世界中の人が知っている書物を、
ギリシャ語から、ケセン地方の庶民、だれにでもわかる言語に
意訳して、伝えようするその情熱はどこから来るのでしょうね。

翻訳の言葉は、とかくわかりにくいもの。掻痒隔靴(そうよう
かくか・・・靴の上から痒いところを掻くようなもの)の感が
あります。でも、山浦先生のケセン語の聖書は、ケセン語の人
たちに直接訴えかけるわかりやすさと温かみがあります。
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山浦先生のことを知ったのは、
最近出版された「イエスの言葉 ケセン語訳」
文春文庫839 2011年12月20日出版で。

東北地方の方だけでなく、日本語の豊かさに関心のある
方々に読んでいただきたい一冊です。
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by tamayam2 | 2012-01-25 07:30 | 日々のできごと | Comments(18)
Commented by namiheiii at 2012-01-25 10:57
被災された人、いや今の日本人すべてにに勇気と希望を与えてくれる言葉ですね。
Commented by ミッチ at 2012-01-25 21:25 x
これはもう、その地方の方言を使っての翻訳・意訳というよりは聖書の注解書に近いですね。注解書は国よってすごく変わってくるように(英語圏とドイツ語圏のように)、ケセン語のそれはは独特のものとなるにちがいありません。機会があれば各福音書を読んでみたいものです。
Commented by kimiko_shibata1 at 2012-01-26 08:04
ケセン語の福音書、まったく存じませんでした。
是非、読んでみます。
地方の言葉は温かみ、優しさがいっぱいです。
Commented by アンデレ at 2012-01-26 16:50 x
早速文春新書の「イエスの言葉,ケセン語訳」を、求めて読み始めております。ケセン語はともかくとして私たちの身近な日常の言葉で語られた聖書のみことばをより身近に感じています。それに伴う山浦先生のお話心にしみるものがあります。お陰様でソン所そこらの牧師さんや司祭さんの話より聖書のみ言葉を理解できます。有難うございました。信徒仲間にも読ませてあげたいです。
Commented by tamayam2 at 2012-01-28 14:25
♡ namiheiii さん、
このところ寒いというより、冷たい日が続いています。
被災者の方々のことを思います。山浦先生の翻訳で聖句を
読みますと、すーと入ってきて、そう、そう、とうなずけます。
やはり、生活の言葉だからでしょうね。
Commented by tamayam2 at 2012-01-28 14:31
♡ ミッチさん、
ああ、翻訳というより注解書・・・そうかもしれません。
新共同訳でよくわからないと、英語訳やドイツ語訳を
読んでみると、なぁんだ、そういうことか!と納得することが
あります。各国語の聖書は、ホテルでいただいてきちゃいました。
いけなかったかな?(笑)
Commented by tamayam2 at 2012-01-28 14:40
♡ kimiko_shibata1 さん、
私は、特定の故郷をもっていないので、故郷の言葉を
もっていらっしゃる方を見ると、いいなぁ~と思います。
なんだか、温かみがあって、人間的で素直に気持ちが
言えますね。東京地方もなんだか空気が冷たいです。
今朝、地震があったので、ドキッとしました。お元気で
お過ごしくださいね。
Commented by tamayam2 at 2012-01-28 14:48
♡ アンデレさん、
山浦先生の4福音書訳は、CD付きでけっこう高価です。
でも、文春文庫は、廉価ですから、人に薦めやすいです。
山浦先生の被災体験、出版社の倉庫から在庫を救出した
話など生々しいお話もあります。私はカトリックではありません
が、最近出版されたフランシスコ会聖書を手に入れました。注解も
ついていて大変役にたちます。寒い日が続きます。どうぞ、
お元気で!
Commented by アンデレ at 2012-01-28 15:09 x
私もカトリックではありません。カトリックとプロテスタントの中間的なアングリカン(聖公会)ですがフランシスコ会の注釈つきの聖書を読んでみたいと思います。九州弁のイエスの御言葉の本があればと思います。あったら、「ホンナコツ,ウレシカデスバッテン」
Commented by 寧夢 at 2012-01-28 23:39 x
びっくりしました。先週末この本を買って読んでいたところでした。
宮城県人2世の私にとっては、結構わかる言葉が沢山あり・・・。
いつだったかラジオでも話題になっていたのですが。
偶然ですね・・・。
Commented by tamayam2 at 2012-01-29 09:07
♡ アンデレさん、
>「ホンナコツ,ウレシカデスバッテン」
小倉出身の亡母が聞いたら、「ほぉ、そぎゃんこつ、アンデレさんが
おっしゃったと」と言ったでしょうね。懐かしい響きの言葉です。
Commented by tamayam2 at 2012-01-29 09:12
♡ 寧夢さん、
読書家の寧夢さんも読んでおられるのね。キリスト教の
本は、どちらかというと特殊な部類ですのに。私は、自分が
故郷をもっていないのに、方言にとても関心があります。
現代の日本語にあやしい外来語まがいの縮約語が増えて、
増えて、老人がみな混乱していることを思いますと・・・
「ああ、肌でわかる言葉がここにある!」という感じが
するのですよ。
Commented by ikutoissyo at 2012-01-30 10:43
昨日、新聞の書評欄でこの本が出ていました。
娘が美大に入って絵画史を学んだ時に聖書を買いました。
それでも私には縁遠い読み物で、何かに引用された部分しか知りません。
ただ、夫が岩手出身ですので、ケセン語には親しみが湧きます。
Commented by tamayam2 at 2012-01-30 20:18
♡ ikutoissyo さん、
ご主人が岩手ご出身なのですね。山浦先生のところは、
岩手県陸前高田市の近く、宮城県気仙沼市とは、近く
でも方言はやや違うようです。私には、みな同じに聞こえ
ますが。西洋の美術は、キリスト教抜きでは理解できない
ことが多いですね。私もヨーロッパに住んでみてはじめて
聖書をよく読むようになりました。何千年も前の書物なので、
難しいことも多々ありますが・・・
Commented by tabikiti at 2012-02-06 10:17
えーはなしじゃねぇー、げに、まっこと山浦先生云う人は
えらい せんせーじゃねぇー

日本の伝統や文化行事の中には、本来他の国が発祥地だった
というモノが数多く在るみたいです。
日本人は、何事も受け入れ、そのものの本質を見抜き
より進化させ続ける素晴らしい能力に長けているようですね!
Commented by aamui at 2012-02-08 07:54
又tamayamuさんのご紹介の本読みたくなりました 聖書はなかなか理解できませんがこれなら解るかなぁ?余計解らないかも・・・
Commented by tamayam2 at 2012-02-08 22:15
♪ tabikiti さん、
お国言葉は暖かくいいですね。本当の気持ちが伝わるわね。
日本人は、まずは相手のよいものを素直に受け入れる点が
いいですね。そのあと、サルマネではない工夫をするのですね。
コメント、ありがとう。
Commented by tamayam2 at 2012-02-08 22:17
♪ aamui さん、
ケセン語は、なかなか味わいがある言葉です。このごろ、
TV見ていてもわからない言葉が多くってね・・・トホホです。
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