ジャコウアゲハを見た!

8日午後、小石川植物園で、
コンニャクの葉の広がりの見事さや茎の翼を呆然と
見とれていると、汗が額や首筋からポタポタ落ちた。
コンニャク  サトイモ科 Amorphophallus konjac 】
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朝から垂れ込めた空は、どんよりと重く、風がソヨとも
吹かない。
あぁ~、こんなところを歩き回ったところで、
蚊に刺されるのがオチだ…と思ったとき、ひょっと
眼をやると、眼の前にうつくしいチョウが止まって
いた。

ジャコウアゲハ ♀ アゲハ科 Atrophaneura alcinous】
私が長年ひと目でも見たいと思っていたチョウだ。
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ジャコウアゲハは、ウマノスズクサしか食べない。
ウマノスズクサは、私がヨーロッパでも日本でも気になって
しかたがないツル草で、Blogでも何度となく取り上げた。
       都市の緑化とウマノスズクサ(2007年6月)
       キューガーデンにて (2007年10月)
       高尾山でウマノスズクサに出会った(2009年5月)

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ウマスズクサは毒草であるから、このチョウは、体内に毒を
蓄えている。そのおかげで、鳥に食べられずに済む。
なぜ、この草しか食べないのか??
いろいろ謎が多いチョウだ。
この事実については、Blog仲間のnamiheiiさんの文章にくわしい。
   「黒蝶の戦略」…ジャコウアゲハの超能力(2005年8月)

食わず嫌いで、個性ばかり主張していたら、絶滅の危機に
あうよ、ウマノスズクサはあまり都会で見かけないし…
と心配するが、ジャコウアゲハ自身は比較的繁殖力の強い
チョウということだ。 ♂は、真っ黒なチョウ。

私はこのチョウを見たとたん、カメラを構えたが接近しても
逃げる風情がなく、数分後、左右の葉に立ち寄りながらゆら
ゆらと静かに飛び去っていった。まるで夢を見ているような
幸せな数分間だった。
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ウマノスズクサ ウマノスズクサ科 Atistolochia debilis】
この近くにウマノスズクサがあるに違いない。そう思って
探すと、花壇の中に一株、花壇の外に数株まとめて植えて
あった。国内外のコレクションができていた。しかし、
いずれも暑さのせいか、発育が今ひとつの感じだったが、
その中の一株の葉に幼虫とタマゴを認めた。

間違いなくジャコウアゲハの幼虫だった。さっき見たものは、
羽化してまもない個体だったのだろうか。

(幼虫だのタマゴだの、気持ち悪いとおっしゃる方がおられ
たらゴメンナサイ。チョウの幼虫は、こんな段階を経て羽化
し、あの美しい姿になるんです。)


私はこのチョウに出会えただけですっかり満足し地下鉄の
駅に歩いて行ったら、花火会場に向かう浴衣姿の少女たち
が大勢歩いていた。

雑踏の中をチョウがひらひら舞っているように見えて困った。
by tamayam2 | 2009-08-09 21:41 | 日々のできごと
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