7月の路上ウォッチング 危険な植物

都内を歩いていると、ゴーヤアサガオなどで
上手に“緑のカーテン”をこしらえておられるお宅を
見かける。陽よけにもなるし、目隠しにもなるし、
最近かまびすしいエコロジーの見地からも
良いことなのだろう。
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こちらのお宅は、↑ 年がら年中アサガオのような濃い青の
花が絡みついている。晩秋まで花が咲き、この家自体
が蔓草に覆われているようだから、宿根花みたいだと
思っていたら、はたして宿根花。

宿根アサガオ ヒルガオ科  Ipomoea indica】   
別名:ノアサガオ、リュウキュウアサガオ
園芸種名:オーシャン・ブルー または、サフィニ・ブルー)
種はできず、挿し木で増やす。葉は、ハート形。
                       豊島区で

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この ↑ トランペットが吊り下がっているような花を最近
都会でよく見かけるようになった。四谷駅前の土手の
傍らにもある。
                 こちらは、渋谷区の町角。

看板、標識、ミラー、郵便ポスト・・・たくさん
立ち並ぶ通学路の角地に、大輪の南国の花が咲きこぼれ
花がらが地面にも落ちていた。

ダチュラ ナス科 Datura metel】
別名:チョウセンアサガオ、曼荼羅華(まんだらげ)
園芸種名:キダチチョウセンアサガオ
       エンジェル・トランペット

江戸時代の蘭学医、華岡 青洲がこの種の植物を使って
日本初の全身麻酔術を行ったことが知られている。

ダチュラの種類は多いが、どれも触ったり、口にすると
非常に危険な植物である。
       (通学路に植えるとは、モノ識らずねえ。)

都会の街路樹の植え込みの中で、うす紫いろの花が
咲いている。 ↓ ジャガイモの花によく似ている。
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 ワルナスビ ナス科 Solanum carolinense】
全身トゲトゲで覆われており、触ることもできない。
繁殖力が旺盛で、毒草。明治時代に北米からもたら
された。要注意外来生物の一つ。  渋谷区で

和名の植物名のつけ方を観察していると、
人間の犯しやすい悪意のない勘違いや、
多少偏見を含む独断もあり、思わず笑ってしまう。

琉球とか、朝鮮や蝦夷という接頭語は、
日本を中心にして考えると、やや亜流の、正統から
外れたという意味があるようだ。
一昔前のどーしようもない旧弊な考え方だと思う。

ワルナスビという名から、よくよく嫌われている
らしいことがわかる。この草を駆除しようとして、苦労している
人々の憎しみがしっかりこめられている。

ダチュラが麻酔薬として使われていたころには、
キチガイナスビという異名もあった。文字通り、
精神障害を引き起こすほどの毒性があるからだろう。

ナス科の植物は、ジャガイモ、トマト、ピーマン、
トウガラシ
・・・夏野菜の代表格だが、大変クセが
強い。共通点は、花びらが一枚ずつ離れていないで、
底が筒のようにつながっている点である。

エンジェル・トランペット(天使のラッパ)などと
呼ばれる園芸種は、ちょっと見には素敵だが、
植える場所や扱い方をよく知っていないと、どんな
悪さをするかわからないぞ~。
外来種が増えすぎると怖いとtamayam2は思っています。
by tamayam2 | 2009-07-11 17:42 | 日々のできごと
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