映画『劍岳 点の記』

劍岳(つるぎだけ)は富山県、北アルプスにある
嶮しい山(2999m)。

明治39年、陸軍陸地測量部は、日本地図の
最後の空白部分を埋め、日本地図を完成させる
ため、人跡未踏の山に測量士を派遣した。
 映画『劍岳 点の記』公式ページ
測量士、柴崎 芳太郎に扮したのは、浅野 忠信
この俳優の仕事に対する静かな情熱が、この映画では
一番清々しかった。(ちょっと畏れ多いことを言わせて
いただくと、この人、皇太子様のお顔だちによく似ている。)

測量隊の案内役になった、シェルパの香川 照之という
俳優もすごかった。眼力が冴え冴えとしていて、野生的で
功名心など微塵も無く、人間的魅力があった。
c0128628_1145492.jpg

映画のストーリーに、特に大きな展開があるわけでは
ないが、やはり大自然の嶮しさ、崇高さに圧倒されてしまう。
こんな山に誰もが登れるはずもないが・・・一生に一度でも
あんな雄大な山の峰に立ってみたいと思ってしまった。
c0128628_11412527.jpg

明治時代は、足袋にわらじ、綿入れに毛皮のチャン
チャンコ・・・・今は、防水の効いた登山靴、ゴアテックス、
ダクロン、フリース素材と、何でも揃っている。
ああ、なんという文明の恩恵だろう!

山を歩いていて、三角点の石柱を見たことがあるが、
日本全国津々浦々に、あの三角点を埋める作業は
どんなに大変な作業だったことだろう。あれがあるから
こそ等高線を読んで地形を知ることができるのだ。

あんな高山に、石柱や櫓を建てるための四本の柱を担いで
登っていくなんて、仕事とは言え、つらい仕事だ。

この映画では、CGや空中撮影など近代的な技法を使わず
完成させたと言う。それが、監督の木村 大作
こだわりのようだ。

映画の終わりに出たクレジットには、肩書きが一切なく、
すべて「仲間たち」・・・というタイトルの下、主演俳優、
制作スタッフ、地元の協力者や団体名が流れる。
原作者、新田 次郎の息子さん藤原 正彦の家族の名も
見えた。
新田 次郎の男らしい爽やかな山岳小説は、いずれも忘れがたい。

写真 上:22日 蓼科で、キリガミネヒオウギアヤメ
    下:    同     レンゲツツジ
     いずれも、日本固有種。
by tamayam2 | 2009-06-25 11:45 | 日々のできごと | Comments(21)
Commented by keicoco at 2009-06-25 21:17 x
こんにちわ。ヒオウギアヤメとレンゲツツジで蓼科かなと思いましたら、やはりそうでした。川上村も同じ植物が咲いていました。それに野バラが咲き始めでした。
映画は見る価値がありそうですね。見れるかしら。
Commented by tamayam2 at 2009-06-25 22:15
◆ keicoco さん、お久しぶり!川上村での田園生活、絵のお教室
のお話など、興味深く読ませていただきました。
先週の週末、雨に降られたので、別荘の近辺でトレッキング。
このアヤメは、水辺ではなく草原に、レンゲツツジは、八子が峰に
行く途中の斜面にびっしりとありました。野ばらの季節ですねえ。
ドイツが恋しいです。
Commented by 寧夢 at 2009-06-26 00:49 x
ラジオでTVインタビュー番組を聞いたのですが・・・
スタッフ・俳優さんは、現地の協力者の方々と共に、自分の荷物を担いで山に入ったそうですね。そして、「体が山になる日が来る、そうなったらわかるよ」と言われたんだそうです。長期ロケの背景には「山の体」を作る日々があったという・・・。家人と娘がこの映画を見たがっています。かーちゃんも付き合おうと思っています。
Commented by tamayam2 at 2009-06-26 18:23
◆ 寧夢さん、
私、山歩きが好きなんですが、どうも呼吸器がなんかが二流品
らしく、すぐゼイゼイ息が上がっちゃうのです。でも、ゆっくり、
焦らずに歩を進めていけば、きっと上に行けます。かーちゃんも
ぜひご覧になってください。男らしい男たちと、わからんチンの
陸軍の軍人たち・・・人間模様も面白いですよ。
Commented by あんず at 2009-06-26 19:08 x
今や、ロープウェイだとかケーブルカー、登山電車などで、山については
全くの素人でさえ、標高3000m級の山へいとも容易くたどり着くことが出来ます。
わたしも、スイスでその恩恵にあずかっていたひとりです。
本当に、昔の人(そんな「昔」でもないのに)の情熱と頑丈な精神と肉体には
畏れ多い気持ちにもなります。

役者さんたち、スタッフの方たち、たかが映画だけれど、それにかける情熱もまた
「仕事」の範疇を超えた畏れを感じることもあります。

香川照之さん。 いい役者さんでしょ~。
役者としての血筋も、彼自身の頭脳も素晴らしいですが、あの役作りは
演技というより役が降りてきている状態に近い気がします。
しかも、毎回ですから。 絶対、役者が天職だと思います。
浅野さんも好きな役者さんです♪
映画、観たくなりました^^
Commented at 2009-06-26 19:13 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kimiko_shibata1 at 2009-06-26 19:26
こんばんは
もう見に行かれたのですね。
以前から新田次郎氏の本は読んでいて
一度は剣に登って見たい・・・・せめて剣の姿を見たい・・・と思っています。
映画も楽しみなのですが、・・・・・・

日光ではナスノヒオウギが咲いています。
ついでながら、昭和天皇がお好きだったそうです。
Commented at 2009-06-26 19:31
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by tamayam2 at 2009-06-26 20:35
◆ あんず さん、
一時帰国されたら、ぜひご覧になって。
香川という役者、私の表現ではなんとなく物足りない感じでした。
あなたがおっしゃるように、
>演技というより役が降りてきている状態・・・
この表現がピッタリです。ありがとう!
先にご紹介した『おくりびと』もそうですが、日本映画は
このところ健闘していますね。アニメ以外にも、キラリと光る
こういう映画を作ろうという人々がいるんですね。
Commented by tamayam2 at 2009-06-26 20:37
◆鍵コメさん、
お手数かけます。特に設定していないのですが・・・。もしダメでしたら、
左のメールあてに送っていただければありがいです。
  yamyamcho1@yahoo.co.jp
Commented by tamayam2 at 2009-06-26 20:45
◆kimiko_shibata1さん、
ヒオウギアヤメには、キリガミネ~とナス~の二種類があるのですね。
>昭和天皇がお好きだったそう・・・・・植物への限りない愛情を
 示された天皇でしたね。天皇が生物学者であることに、なんだか
 安心感をもちますね。
 とっておきのところをご紹介くださってありがとう。
 このごろは、盗掘を用心して、特定の場所を明かさなかったり
 するようですが、私は、基本的に、どこで、何時撮影したのか、
 差し支えない範囲で明記することにしています。
 盗掘というのは、本当に悲しい行為ですね。
 来年は、ぜひぜひ出かけましょう。ありがとう。
Commented by 小林麦酒 at 2009-06-27 06:15 x
あまり知られていませんが、僕は測量士の資格を持っていたりします(笑)
昨年転職して全く違う世界に居ますけどね。

余談ですが、最近「ドイツビール紀行家 旅の写真帖」なるサイトを作りました。リンク先ご参照ください。
Commented by bella8 at 2009-06-27 08:58
tamayamさん、私も観てきました!\(*^ ^*)/
素晴らしかったですね~
人間っていいなぁ~って思わされましたよ。
山を並んで歩く姿を遠くから見ると蟻の行列と変わらない位大自然の中では小さな小さな存在なのに・・・・
早速、トラックバックさせて頂きました!
有難うございます。(^-^)

Commented by aamui at 2009-06-27 09:10
お早うございます 香川さんは”ホテルビーナス”で見てからファンになりました 又この映画も見なくては!ありがとうございます
Commented by tamayam2 at 2009-06-27 09:58
◆小林麦酒さん、
へ~、あなた様は測量士の資格をお持ちで(*'▽'*)わぁ♪
「左、仰角 XX度、復唱します。」なあんて、カッコよかったです。
新しいBlog拝見しました。Profileを見て、私が想像していたより
スリムなお顔だちだったので意外な気がしました。だって、あんなに
ビールばかり飲んでおられるので、きっと太めの方かと思っており
ました。旨いビールを飲み、ツマミを食べて太らない法を掲載して
ください。
Commented by tamayam2 at 2009-06-27 10:01
◆ bella8さん、
TBありがとうございます。お母さまとご一緒に観られてよかった
ですね。私の亡父が明治41年生でした。その当時の様子が
わかって面白かったです。古い富山駅とか・・・ふふふ。
Commented by tamayam2 at 2009-06-27 10:04
◆ aamuiさん、
香川という若い俳優は、有名な人なんですね。私、夜は早く寝て
しまうし・・・TVをあんまり観ないので、なぁんにも知らないんです。
これからは、俳優の名を覚えるようにしよっと。また、教えてね。
Commented by namiheiii at 2009-06-27 10:19
あちこちのブログでこの映画が話題になっていますからよほど良い映画なのでしょうね。私も登ったことはありませんが大昔立山にスキー登山をした時に別山から見た剣岳の雄姿にはいたく感動しました。
Commented by tamayam2 at 2009-06-27 10:58
◆namiheiiiさん、
ええ、なにかplotの展開が面白いとかそういうことは無いのですが、
自然のスケールの大きさ、それに挑む人間の努力に圧倒されます。
昔風の手づくりの日本映画という感じがいいです。機会があれば、
暑い夏の日、こらんになってください。涼しくなること請け合いです(笑)
Commented by echoes06 at 2009-06-28 19:17
劍岳は写真や映像でしかみたことはありませんが、スケールの大きさを
感じます。
などというと他の山に登ったことがあるみたいですが(笑)
冨士山に三回登ったくらいかなぁ。

私も俳優さんの名前はあまり知りません。
浅野忠信、香川照之…名前は聞いたことあるけど、顔と名前が一致しません(^^;)
Commented by tamayam2 at 2009-06-29 05:23
◆echoes06さん、
>冨士山に三回登ったくらい・・・・・へ~、そりゃ、すごいです。
富士山に若いときに登りましたが・・・・・バテました。
遠くから眺望するだけで我慢します。東京地方は、今日も
ムシ暑くなるらしい・・・覚悟を決めて早起きしました。お元気で。
<< 上野動物園 マダガスカル館 6月の 蓼科 >>