すし と さしみ

最近の新聞によると、外国人に人気がある東京の観光スポット、
築地市場のマグロのセリ場で、見学者の立ち入りを禁止した
そうだ。ま、年始年末の忙繁期なのだから、仕方がなかろう。
観光客に対するサーヴィスより、書き入れ時なのだから。

外国人のマナーの悪さに閉口して・・・というのも事実だろう。
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写真; ↑ 12月 築地市場で
あんな巨大な魚を生で食べる日本人って、外国人にとって、
不思議も不思議、解明したい日本文化の謎の一つなのだ。

そして、いったん、マグロの握りを口にするや、多くの
外国人は、その魅力に魅了されてしまう。そして、
魚好きに転向してしまうまで時間がかからない。

赤く美しく、脂があって、魚臭さがない肉片は、生ハムのような
素敵な食品に見えるに違いない。生ものは食べない中国人にも
刺身の人気が広がっていると聞く。
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写真:↑ 12月 銀座で
若い人には、信じられないことかもしれないが、私は
大学生になるまで、マグロの刺身を食べたことがなかった。
寿司屋の暖簾をくぐったこともなかった。
寿司屋は学生が手軽に行ける店ではなかった。

そういう場所に子ども連れで来る客もなかった。
酔客が酒を飲みに行くところだと思っていた。
(いま小学生ぐらいの子どもが、回転寿司屋で、大トロとか
中トロとかを食べたいと叫んでいるのを見ると仰天する。)


育った家庭は格別貧しいというわけでもなかったが、夕飯の
おかずは、イワシ、アジ、サバなどの青身の魚が主だった。
マグロなんて家庭の食卓に登場する魚ではなかったのよ。

アメリカでも、ヨーロッパでも、魚は健康に良いと言って、
SUSHIと称するものがよく食べられるようになってきた。

私の住んでいたドイツの町では、SUSHIMI(すしみ?)という
寿司と刺身の合体したような名前のレストランがあった。

ドイツ人にも寿司と刺身はどう違うのかよく質問された。

寿司と皆が思っているものは、たいてい巻き寿司のことで、
刺身と思っているものは、江戸前の寿司のことが多かった。
食べたことも見たこともないものを、説明するのはけっこう
難しい。

私がよく作って見せたのは、ちらし寿司や、押し寿司。
しかし、そういう形態のものは、彼らの中では、お米のサラダか
お米のサンドイッチに分類され、寿司というカテゴリーには
属さない代物なのであった。

嗚呼、文化の多様性を説明するのは、そう簡単なことではない。
by tamayam2 | 2008-12-18 12:55 | 日々のできごと | Comments(20)
Commented by toti51 at 2008-12-18 16:10
そう言われてみると、昔、家庭の食卓にマグロが登場するなんてことはあまりなかったようですね。大人はたまにはお刺身で食べていたんでしょうか、子供の口に入るものでもなく、そう食べたいものでもなかったような。 今、おいしいですね。出来れば日本人だけのものにしておきたかった。SUSHIはたいそうな発展ぶりのようで。。もうそのうち食べられなくなりそうでかなしい(^^;

Commented by namiheiii at 2008-12-18 18:46
そうですね、記憶が無いところをみると家では食べた事がなかったのでしょう。物心ついたのは戦中、戦後で食うや食わずでしたから。もしかすると姉の結婚式で食べたかもしれない。外国人がマグロに抱きつくなんて!食い物の恨みは恐ろしい^^;
Commented by nick-1 at 2008-12-18 21:32
我が家でも子供の頃、まぐろなど食べた事なかったですよ。
せいぜい鯨の刺身がいいとこ、今となっては逆に食べられませんが。
築地市場のマグロのセリ場の件、やっぱ一時的でも立ち入り禁止は
妥当でしょう。
何しろ生ものですから衛生管理が必要でしょう。
Commented by tamayam2 at 2008-12-19 08:13
◆ toti51さん、
ああ、よかった、私と同世代(?)の方の生活感覚をうかがって。
いまの情勢を鑑みるに、マグロの旨さに目覚めた世界の人がちが
食べるようになれば、日本人だけが享受するわけには、いかなく
なるでしょうね。こんなに大きく育つためには、時間もかかるでしょうし。
乱獲すれば、いずれ資源の底をつくでしょうね。残念ですけど・・・。
Commented by tamayam2 at 2008-12-19 09:26
◆ namiheiiiさん、
いつのころからか、スーパーなどで、赤いマグロのサクが並ぶように
なったのか。フレッシュな魚が無い国で3年間過ごし、魚、魚と思い
つめて帰って来たら、わが国の魚事情のほうもずい分変わってしま
い、驚いています。農業や漁業といった大事な仕事をする人がち
が減って、若者がかっこいいカタカナ産業に流れていくのも不可思議
なことです。
Commented by tamayam2 at 2008-12-19 09:33
 ◆nick-1さん、
そう、そう、給食にも鯨のカラアゲが出ました。いまは、鯨は、珍味に
属するのでは?私は築地市場に出かけて歳末の賑わいを感じるの
が好きですが、マグロのセリは見たことがありません。見たいなあと
思っていたのですが、見学者のための安全な場所があれば、いい
ですね。セリは、商売人にとっては真剣勝負の場であって、ショー
じゃないのですからね。
Commented by kanmyougama at 2008-12-19 09:41
マグロは中々口にできません。
ここは鰤の産地だということもあるのでしょうか。
寿司と刺身の区別は外国の方には出来にくいかな・・・。
刺身はだめだけど、寿司はOK. 。これも不思議です。
ダイエット食品という触れ込みでしょうかね。
漁師の町ですが昔見かけてよく食べたイソの岩場の魚は見かけません。
漁師はみんな養殖業です。
漁のスタイルが様変わりしたように見えます。
Commented by 寧夢 at 2008-12-19 11:57 x
お寿司というものは、お客さんが来て頼んで取るものであり、家族が食べるものではなかったと思います。だから、生魚を食べる習慣は無く、お刺身というものは、大人が御酒を飲む時につまむものだと思っていました。
だから、かなり大人になるまですし屋の暖簾も、刺身も食べられないまま・・・。ええ、そんな風にして育ったのに。長じてからも、時価のお店になんかはいる度胸も無く。


夫と結婚して初めて回転寿司の暖簾をくぐった私。娘は回転寿司でマグロとサーモンが大好き。こんな時代・・・なんですよね。いいことなのか、悪いことなのか。
Commented by tamayam2 at 2008-12-20 12:12
◆ kanmyougamaさん、
お宅のほうは、鰤の産地でしたね。いいなあ。お雑煮ににも
鰤を入れますか?亡母の里は、九州ですので、里風と言って
鰤を入れていました。
>漁師はみんな養殖業です・・・そう、この頃では、養殖ばっかりね。
私がニュージーランドにいたころ、あの辺りでは日本向け鮭の養殖
をやっていたのですが、脂っぽく気持ちの悪い代物でした。
魚も漁場で生産する時代になったのですね。
Commented by tamayam2 at 2008-12-20 12:18
 ◆寧夢さん、
namiheiiiさんのところで、短歌を拝見し、すごいなあと感心して
おりますよ。言葉の選び方がすばらしいです。私の経験と
寧夢さんのお育ちになった家庭の雰囲気が似ているので、なんだか
うれしくなりました。不意にお客さんなんかいらした時には、出前
を取ることがありましたね。今のような回転寿司はありませんでした。
ケルンの駅構内やショッピングセンターにも回転寿司があり、
大福やドラ焼きが廻ってきたりしますよ。寿司というものは、
ぐるぐる廻るものという認識が高まるかも・・・。ははは
Commented by aamui at 2008-12-23 09:21
お早うございます 皆が安いお寿司を食べられるようになったことはとっても嬉しいことです 私も感謝しています だってあまりにも高すぎたと思いますもの しかし極上の寿司とかいうテレビ番組を見ると 1度ぐらい贅沢したいなぁと思うのです 来年実現しようかな?
Commented by aamui at 2008-12-23 09:23
追加です Nana Mouskouri のお勧めのCDを教えていただけませんか お願いします<(_ _)>
Commented by tamayam2 at 2008-12-23 10:55
◆aamuiさん、
だんだんマグロが食べられなくなるかもしれませんから、一度
極上のマグロを召し上がってください。来年って、来月ですけど、
ぜひぜひ。そして、BlogにUpしてくださいね。
Nana Mouskouriのアルバムはたくさんあるのですが、山の家に
あるので、来週行って見てきます。ドライフするとき一番のお気に
入りです。彼女のフランス語がとても美しいの。
Commented by bantelner at 2008-12-26 10:32
tama母さま~
SUSHIMIレストラン、ウケました!^^
経営者は日本人じゃないだろうな、と思わせます。w

ついでに、こちらでは「カニかま」のことを「SURIMI」って言いますよね。
いつも違和感を感じます。笑

時々お寿司の作り方をドイツ人に教えていますが、
寿司と聞くと「にぎり寿司」のイメージがあり、
寿司の意味は「生魚」と思っている人が多いようです。

寿司ブームで、サカナを食べる人も多くなってきましたが・・・
でもやはり「Thunfisch」とか「Wal」と言う話題は、日本の乱獲、環境や資源の保護、グリンピースとかと直結していて、ドイツでは大変な批判や攻撃にあったりするので、とても敏感なテーマです・・・。
Commented by tamayam2 at 2008-12-26 11:15
◆ bantelnerさん、
クリスマスおめでとう!ドイツのクリスマスを思い出すと、涙がこぼれ
そうですよ。静かで暖かでした。
お宅のBlogの表紙の写真(米袋)。日の出と書いてあって、
Shinodeというローマ字ですよね。わかっちゃいないことが
見え、見えでおもしろいわね。
そうか、やっぱり魚の話題は敏感なテーマなんですね。私のドイツ語
では、深くつっこんだ話はできませんでしたから・・・。
ドイツで割りにすきだったのは、ナマズ、ウナギの料理。あと、ニシン
の酢漬け、塩漬けはおいしかったです。私の知り合いの方の家では、
クリスマスに鯉を召し上がるそうです。ぎゃ~という感じですが、お宅
ではクリスマスは何を召し上がったのかしら?
Commented by aamui at 2008-12-27 23:53
ナナムスクーりのこと調べてびっくりしました あの眼鏡のこだわりも納得しました 曲も沢山在りすぎて迷ってしまいます 来年の楽しみにしようと思います 
Commented by bantelner at 2008-12-28 00:30
tama母さま~
クリスマスも終わり、今年の盛り上がりは過ぎました。
日本はこれからですね。

ドイツは海に面している部分が限られているので、魚と言えばやはり川魚料理がメインですね。
クリスマスや大晦日に、鯉を食べると言う習慣はあるようです。
ただ、私の周りでは実際に食べている人は居ないようです。
地域的なもの、あるいは世代的なものがあるかもしれません。
知人に聞いた話では、その家ではクリスマスに鯉を食べるという慣わしで、お母さんが生きた鯉を買ってきて、数日間バスタブに水を張って、そこでさんざん泥を吐かせてから料理してたそうです。
鯉って、泥臭いんですよね。
ううっ、お風呂に巨大な黒い鯉が泳いでるなんて!
あんまり積極的に料理したいとか、食べたいとは思わないお魚です・・・。
うちのクリスマスは、聖夜には鮭にしました。(冷凍の。汗)
昨日、友人と一緒にガチョウの丸焼きで〆ました。

「日の出」を「Shinode」と読ませるあの、うちのコメ袋ですが。
実は販売しているのは、生粋の江戸っ子なのではないかと思います。笑

良い年の瀬をお迎えください。^^
Commented by tamayam2 at 2008-12-29 13:47
◆aamuiさん、私がカナダに住んでいたころ、ナナ ムスカリの
コンサートに行って以来ファンになりました。Never on Sundayと
いうギリシャ映画の主題歌が当時はやっていたのです。彼女は、
ギリシャ人ですが、各国語がお上手。彼女の声は、本当にいいでしょう?
歌詞も味わいが深いですね。
Commented by tamayam2 at 2008-12-29 13:52
◆ bantelnerさん、
ははは、生粋の江戸っ子が、しので米、食いねえ!って言っているのね。
お宅は、鯉の料理でないとうかがって、なんとなくホッとしましたよ。
〆のガチョウと聞けば、よだれが出そう・・・。
あれは、豪勢ですよね。(付け合せの丸い団子のようなものは、ちょっと
苦手でしたが。。。)懐かしいドイツの秋の味でした。よいお年を!
来年もどうぞよろしく!
Commented at 2011-10-11 01:49 x
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