【809】杖で歩いたヨーロッパ

先月7月31日~8月11日まで、ドイツに行ってきた。
第34回ヨーロッパキリスト者の集い に出席するのが主な目的だが、
旧友に会うことも、もちろん大事なこと。会場は、今回は、ドイツ
中部にあるLeipzig(ライプチヒ)。申し込みは、いつもその年の2月ごろで
飛行機は、FacebookのCMで見たFinnairにした。
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今回の訪問地は、ドイツ北部が多いので、成田→ヘルシンキ→ベルリンが 
広告で宣伝している「ヨーロッパへ最短距離」という惹句と合っているなと
思い、切符を購入。お値段は比較的安かった。しかし、搭乗日が近づくに従って、
航空会社とのコミュニケーションでわかったことは、基本料金は安いが、
いろいろなオプションが加わると特に安くはないことがわかってきた。
例えば座席、食事などいろいろな事前の選択ができる。私は、7月はじめ
から、少々足が不自由な人になってしまったので、ゆったりとした座席に
変えた。空港でも歩き回るのが辛いので、車椅子をお願いし、機内食も
特別に注文した。そのような個別のサービスを加えると、それに対して
お金がかるシステムになっている。
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必要な人に手厚いサービス、一般の健常者には、過剰なサービスはなし、
という方針が貫かれている。機内でWi-Fiを使いたい人は有料でどうぞ!と
いった具合。北欧の合理的な考え方をちょっと体験してみたいと思った。
結論から言うと、私は車椅子サービスは大変ありがたかった。
(これは、無料だった。)
客室内のアナウンスはフィンランド語と英語。離着陸のときと免税品
販売のときに、日本語のアナウンスがあったが乗務員は見かけなかった。

旅行は、ベルリン3泊から始まった。ケルンの教会の友人Aさんが、お嬢さん宅
に一足先に来られていたので、私は彼女と街歩きを楽しむことができた。
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我々のテーマは、宗教改革500年の記念年
まず、ベルリンから1時間ほど南下したところにあるヴィッテンベルグ(マルティン・ルターの本拠地)に出かけた。
地図の下の写真が、ルターハウス

1.ヴィッテンベルグ Wittennberg
宗教改革は、1517年ドイツ人のマルティン・ルターによって口火が切られた。
そのことによって、ローマ教皇をトップに仰ぐカトリックからプロテスタントが
分離した。ルターは、元々はカトリックの司祭だったが、免罪符を売って人の罪を
帳消しにするというカトリックのやり方に反発し、そのことの是非を世間に問い
かけたのが1517年10月31日と言われている。
「95か条の提題」と言われる抗議文を、ヴィッテンベルグの城教会の門に
打ち付けたのだった。どんな門なのかと思っていたが、下の写真のような門だった。
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当時は木製だったが、今は銅製。ラテン語で書かれている。
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その城教会の尖塔にベルトのように巻かれた文字が見える。
Ein feste Burg ist unser Gott この訳は、「神は我がやぐら」讃美歌267番
の歌詞になっている。Aさんと私は、心の中にこの讃美歌のメロディーを響かせ
ながら、歩いたり、歩いたりこの日、2万歩近くを記録。

その少し前に、カトリックに反旗を翻したチェコ人のヤン・フスは、コンスタンス宗教
会議で火あぶりの刑に処せられたのだから、命懸けの反旗だったと思われる。
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「最後の晩餐」の絵と言えば、レオナルドダヴィンチの絵が有名だが、16Cのドイツ
の画家、クラナハ父子のこの絵も有名だ。
町の中心にある聖マリエン市教会で12時から20分程度の礼拝があるというので出席。
中央にクラナハ(息子)の祭壇画が据えてあった。
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こちらは、絵葉書に貼り付けてあった記念切手。

この絵の中には12使徒ではなく、ルターや宗教改革の関係者が円卓を囲んでいる。
我々が見知っているルターの顔の絵はほとんど、クラナハ親子の手による。
小さな町の中心にヴィッテンベルグ大学があり、ルターやクラナハ、神学者メランヒトンが住んでいた。こういう役者がそろったところで、宗教改革の構想が熟成されて
いったのだろう。町全体が世界遺産。

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# by tamayam2 | 2017-08-23 20:52 | たび | Comments(8)

【808】子供たちと過ごした日々

6月に娘一家がアメリカLAから来て、約10日間いっしょに暮した。
忙しかったが面白かった!
10日のうち4日間は、いっしょに関西に行った。あとは、彼らが親類の人と
会ったり、昔の友人と会ったり…けっこう毎日出かけていた。
①子供たちの絵
孫のLauraは10歳、乗馬を習っていて、馬が大好き。
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彼らは、着くやいなや、「おばぁちゃん、紙ちょうだい!」あいにく 画用紙の用意が
なかったので、A4のコピー用紙を一束渡したら、描くわ、描くわ。
食卓一杯に紙を広げて黙々と描いている。
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馬の姿を日ごろからしっかり観察しているのであろう、じつに細かくよく描写している。
中央にいて宙に浮いているようなネコは、昨年亡くなったネコ、Princess Marble!
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心の隅にMarbleを忘れたくない思いが表されているのだろう。子供の空想の世界は
どんなふうになっているのか、わからないが、とてもPlayful(遊び心満載の)な世界だ。
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8歳のCarrieは、やはりたくさんのネコの絵を描いた。どれも右脇に、大きなハート
が描かれている。Marbleを哀悼する気持ちからなのか。どの絵にもネコの名とハート
が描いてある。
ウチの孫たちは、学校の成績は、あまりパッとしないそうだが、二人とも動物が好き、
お絵描きが大好き。将来どんな女性になるのかなぁ~、爺・婆は、我々が見ることが
できない遠い将来の姿を夢想する。

②子供たちとの外食
酒を供する居酒屋に子連れで来ている若い夫婦を見かけたことがあるが、
ああいうのはどうなっているのだろう??とやや批判的に見ていた。
しかし、我々が関西に出かけたとき、大人4人、子供2人の6名が同時に食事が
でき、大人はちょっぴりアルコールもたしなみたいとなると、行ける飲食店は
限られているのだった。結局、居酒屋に入ってみたところ、これが大正解であった。
アメリカから来た客人は、掘りごたつ風の個室が気にいったし、子供たちは、もの
珍しい日本の食事を少しずつ味わうことができた。イヤだったら、残りものを親が
食べてやれるし、一皿の分量が少ないのがよかった。何よりも最後に来る勘定が
信じられないほど、リーズナブル!!
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居酒屋で米国人が気にいったものはいろいろあるが、「ホッケの干物」!
ホッケは、Atka mackerel (英語) で、Pleurogrammus azonus(アイナメ科)
私は中年になってから居酒屋で初めて食した。家庭の食卓に登場したことは
なかったと思う。油が乗っていて身離れがよくアメリカから来た子供たちも,
「おいしい、おいしい!」と言うので驚いた。干物の割りには、あまり塩辛く
ないのがよいのかもしれない。

③ スムージー
娘婿は、長身のアメリカ人なのだが、何か思うところがあって、炭水化物
ダイエットをしている。つまり、ご飯、パン、パスタ類、お菓子類を食さない。
米国では朝食に、大きなグラス一杯のスム―ジーを飲んでから出勤していた。
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我が家では、米国製の大きいスムージーメーカーではなく、小型の機械で間に合わ
せようと思ってrecolte社のSoloブレンダーというものを購入した。
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彼らが帰国後、われわれも婿さんの習慣に倣っスム―ジーを飲んでいる。
ま、すごくおいしいものでもないが、まずいものでもない。我々が普段食べる量の
三倍ほども野菜や果物が採れる点では、健康に悪かろうはずはない。しかし、
このスム―ジの後で、定番の「正しい日本の朝食」もいただいているのが、
問題と言えば問題かもしれない。

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# by tamayam2 | 2017-07-19 10:31 | 日々のできごと | Comments(4)

【807】大和路の小径を歩く

私は小学校に上がる前に奈良県に住んでいたことがある。子供の記憶だから、
すべてぼんやりとしたものだが、陽がカンカン照っており、土塀がずっと続く道
を歩いていた。土塀は、ところどころ崩れていて、中の竹の芯が見えている。
土塀の上には瓦が載っていて、その長い道は、どこまでも続いているのだった。
唐招提寺の境内で、当時の記憶とよく似た土塀沿いの小径を歩いていたら、
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ひらひらとアゲハチョウが飛んできて、夢か現実か一瞬わからなくなって、
呆としてしまった。
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唐招提寺から薬師寺まで歩いて行けそうだ、と同行のおジイさんが言うので、
歩いてみた。田舎道をぶらぶら歩いていると、私の記憶にある土塀の小径が
ずっと続いているのだった。
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路傍の野草は、ヒメシャジンだろうか。
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民家の垣根からケムリの木が見えていた。
まぁ!こんなところでケムリの木に会えるなんて!
ケムリの木(ウルシ科)Cotinnus coggygria ハグマ(白熊)ノキともいう。

ぼんやりした思い出とひと気のない細い田舎道・・・夢の中にいるようだった。
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6月の10日間、娘一家と生活を共にした。子供たちは、10歳と8歳、米国ロスアン
ジェルスの公立小学校の低学年。彼らは、タブレットをもってきており、電車の中
でもウチでもよく使っていた。学校では授業でも使っているらしく、そのタブレットは
学校においてある。自分用のタブレットではゲームをしたり、写真を撮ってちょっと
リメイクしたり、なかなか達者に使いこなしているのだった。お絵描きしているときと、
タブレットを使っているときは、ともかく静かに集中しているので、ありがたかった。
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このカードは、10歳のローラが書いたもの。日本語はまったく知らないのに、
インターネットの翻訳機能を利用して、翻訳された文を丁寧に書写したもの。
真似は、学びに通じるのであるから、すばらしいことと思う。教師があれこれ
教えるより、子供が自分のしたいことをみつけて、目的に達するまでの道の里を
手助けしてやればいいのだな~と納得!

子供たちが去って、片づけものをしたりしている内に7月に突入!
ちょっと膝の具合が悪くて、歩行がうまくできないので、ウチにいて鳥取産の
ラッキョウを漬けてみた。昨年は、酸っぱいという評価をもらったので、今年は
氷砂糖を入れて甘くしてみる。
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春からずっと気に入って食べているのがスナップ・ピー。米国から来た品種らしい。
サヤごと食べられてうれしい。アメリカでは、生で食べるそうだ。

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# by tamayam2 | 2017-07-01 08:47 | たび | Comments(8)

【806】娘一家との小旅行 奈良へ

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米国に住む娘一家が東京のわが家に6月12日から23日まで滞在していた。
久しぶりに会う孫は、8歳と10歳。LAの公立小学校のたしか2年生と3年生か。
彼らが日本で一番したいことは、奈良で生きているシカと会うこと。
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我々も同行することにしたが、なにしろ、我々は、80代と70代。
我々のペースに合う部分だけ部分参加することにした。
さぁて、奈良に着くやいなや、奈良公園に直行。
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シカは結構大型の動物なのに、そこら辺に堂々と歩いている。子供たちも、
もちろん私どもも、すっかりこの動物が好きになってしまった!
静かに歩んでいて、攻撃的ではないし、体が美しい。触っても恐れない。
臭くない。大仏殿の前の歩道は人がいっぱいだったが、シカは悠々と歩んで
いる。子供たちは、目的がかなえられて大満足していた。
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翌日、娘一家は、親戚の者と会うため、春日神社へ。

我々は、別行動して、バスに乗って唐招提を訪ねた。

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薬師寺を訪ねたかった理由の一つは、ウチに昔からあった古い写真の一つ、
ヘレンケラーが(たぶん第2回目の訪問の1948年)鑑真和上のお目を
撫でている写真があったから。鑑真和上の像の永遠に閉ざされたお眼を
指で触っている彼女自身も盲目。盲目の人が鑑真和上のお姿を確認するために
触覚に頼っている。非常に不思議な、感動的な写真だ。この像は今は、
一般に公開されていないが、「身代わり像」としてレプリカを見ることができる。
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(国宝。唐招提寺はユネスコの世界遺産の一つ。)

芭蕉が鑑真和上坐像を拝したときに詠んだ「若葉して御目の雫拭はば」を
はからずも思い出した。
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上は、鑑真和上の墓所へ行く道。苔生して、きらきらと輝いていた。
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ちょうど見ごろだった蓮の花も見ることができた。
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静かな石畳の道。
どこかで美しい景色に出逢ったら「あ~、いいなぁ!今度来るときにはあの人と
歩きたいとか、〇〇にも足を伸ばしたい」などと昔は思ったもの。
今は「今度? それはないだろう~」と思う。
だから、老人の旅は寡黙になるが、別に深刻ではない。時の流れを回顧したり
行く末を想像したりしてけっこう愉しんでいるのだから。寡黙な人と旅をするのも
そう悪くないと思った。
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# by tamayam2 | 2017-06-24 16:22 | たび | Comments(6)

【805】南洋のチョウたち

この数か月間に見たいくつかの南洋のチョウについて書いてみよう。

①光った目玉がたくさんついていて周囲を威嚇しているようなチョウは、
タテハモドキ。もし、鳥がこのチョウを喰えば、あまりのまずさに
吐き出すに違いない。食草であるガガイモ科のアルカロイドが鳥に
捕食されないように、チョウの体を守っている。ガガイモ科の植物は、
折れば白い液を出し少し異臭がある。
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通称「マダガスカルジャスミン」は、かすかにいい香りがするらしく、
園芸店で売られていることもある。
マダガスカル・ジャスミン Stephanotis jasmine(ガガイモ科)
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タテハモドキ(タテハチョウ科)Junonia almanac
たまたま、葉の茂みの中で交尾している姿を見た。
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②九州の南、奄美、八重山諸島で見られる南洋のチョウ、ツマムラサキマダラ
が、時おり翅を開くと、メタリックな紫色が光っていて美しい。
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オスとメスで裏翅の色が違っており、全体が黒っぽいものが♂、白い筋がはっきり
見えるほうが♀。ハマセンナ(マメ科)の樹で交尾している
写真の下のほうが♀。
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③琉球アサギマダラも美しいチョウ。本土のアサギマダラと違って、
全体が水色のメタリックな色をしている。すずしげ~
下の写真は、南洋の植物の気根のところに止まっていたチョウ。
横顔が何とか撮れたかなぁ。
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開翅しているとき。
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④庭仕事をしているとよく蚊が腕に止まることがあり不愉快なもの。
これは、先週、チョウを放し飼いにしている昆虫館で、私の腕に貼り
ついたオオゴマダラ。振り払っても逃げなかった。

締め切った空間にチョウを放し飼いにしている場所なので、かなり
蒸し暑い。汗ばんだ私の腕は、塩分補給に具合がよかったのかもしれない。
うれしいような、困るような、気恥しいような…腕をできるだけ離して、
至近距離からマクロレンズで撮影した。チョウの顔をこんなに間近で見る
ことはあまり多くないだろう。
オオゴマダラ Idea leuconoe
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チョウは、表と裏で全然色が違っていただり、♂♀によっても色や模様が違って
いることがある。その上、春型、夏型など季節によっても色と模様が違う。
識別できるようになるまで、数年かかった。
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# by tamayam2 | 2017-06-10 13:43 | 日々のできごと | Comments(2)