【113】ボーデン湖を渡ってスイスへ

私のこの夏の旅は7月23日ケルンからスタートしたのですが、
そこから、ドイツ南部で行われたある集会に出て、その後、
ボーデン湖へ移動、そこを船で渡り、対岸のスイスの町に
着きました。国境を越えるのに、遊覧船で、というのは
なかなか面白い手でした。パスポートのチェックも無し・・・
へぇ~、こんなんでいいの?と思うくらいあっけなく国境を
越えました。スイスは、EUに参加しておりませんから、通貨
も違うのに・・・
c0128628_1124683.jpg

ボーデン湖は、ドイツ最大の湖です。その岸は、ドイツ、スイス、
リヒテンシュタイン、オーストリアが接しているはずです。
ドイツ側のリンダウという町で、乗船まで小一時間ほど散歩する
時間がありました。ぐるりと回っても30分もかからない小さな町です。
バイエルン州に属し、古い建物の壁面に描かれたフラスコ画が美しい
町でした。
見事なファサードの建物は、旧市庁舎。
c0128628_1132343.jpg

少し横道にそれますと、また、味わいの深い小路が。ある家の壁面には、
ボーデン湖を形づくったオブジェが!
c0128628_1134737.jpg

私は、こういう小路をぶらぶらするのが好きです。
c0128628_1141670.jpg

対岸の町は、Rorchachというスイスの町。
ロールシャッハと言えば、私はすぐ、若い頃に習ったロールシャッハテスト
という言葉を思い出し、周囲の方に話しかけてみましたが、だれも知らず~
こういうことが最近よくあります。
つまり、私の知識が古すぎるのでしょうね。周りにいた人は、若い人ばかり
ではなかったのですが、自分の持っている常識がだんだん通じなくなった
と気づきました。日本語も、「何それ??聞いたことがない」と言われることが
多くなりました。同じ日本人同士で通じ合えないとは、残念なことです。
(上の写真は、ロールシャッハテストの例です。Hermann Rorchach博士は
 このテストを世に紹介したスイス人の心理学者ですが、直接この地名とは
 関係がないようでした。)

c0128628_1144286.jpg

リンダウの町で、友人がコーヒーを飲みたいと言ってカフェに
座っていたら、スズメたちが列を作ってクロワッサンのおこぼれに
あずかろうと待ち構えておりました。ドイツのスズメはあくまで規律正しい!

のんびりリンダウの町を散策しながら、撮影をしていたのですが、
乗船してから、船の人が対岸のスイスは、8月1日は建国記念日で、すべての
店は閉店とおっしゃるのです。(それなら、リンダウで、サンドイッチぐらい
買っておけばよかった!と気づきましたが、後のまつり!)
建国は、1291年ですから、今から725年前のことです。
EUには属さず、通貨はスイスフラン。永世中立国として孤高の地位を
誇っています。
c0128628_1151361.jpg

ロールシャッハから、サンクト・ガレンへ移動。町中に、国旗が
翻っており、まるで私たちを歓迎するかのようで(もちろんそれは
美しい誤解ですが)・・・。人影が少ない町をウキウキしながら歩きました。
やっと数軒開いていたCaféに飛び込んで、昼食にありつけました。
c0128628_1153897.jpg

そこから、標高2504mのMt. Saentiesへ向かいました。
その山はだにもスイスの国旗が!この国旗は、建国記念日に合わせて
掲げたられたもので、巨大なものです。横幅80㎝の国旗を何百枚も縫い合わ
せて、それをロッククライミングの若者たちが、岩肌に張り付けたものです。
c0128628_1161561.jpg

翌朝、国旗を撤収作業中の姿を、ロープウェイの中から撮影しましたが、どれほど
巨大な国旗なのか、また、それを掲げるために捧げられた途方もなく大きな愛国心を
身近に感じることができ、心を熱くしました。
(左下に豆粒ほどの人の姿が確認できると思います。大事な国旗ですから、
 巻き上げて、一本の柱のようにして下に下ろす作業をしているのです。)

# by tamayam2 | 2016-08-24 11:06 | たび | Trackback | Comments(0)

【712】ケルン再訪

今年の夏は、例年出席していた学会はそろそろ引退して、
教会関係の集会に出席することにした。会場は、ドイツ南部の
黒い森地帯。集会が始まる前に、4,5日間、ケルンに滞在した。
よく通った町の中心、Neumarktの市電の駅
c0128628_9265418.jpg

2004年から2007年まで住んでいたこの町は、さして変化なく、
どの景色も懐かしい。親しい友人宅にお邪魔して、彼女の日常生活を
ご一緒させていただいた。
c0128628_9263349.jpg

ケルンは、意外に暑く、28,9度。ビルの屋上のソフトクリームも健在だった。

まず一番先にしたことは、花屋に行って花を買い、親友のGさんの墓に
詣でたこと。ご自宅の近くのこじんまりとして市営墓地。
c0128628_9272287.jpg

友人の説明によると、市営墓地は、25年間 €400(日本円で約5万円)で
借りるのだそうだ。ふ~む、25年間か!? 遺族が墓参りするのに十分な時間
かもしれない。それ以上は、ちょっと責任が持てないかも・・・。
それ以上、その場所を借りたければ、あと25年分延期すればよいそうだ。
ケルン市民の大多数は、この方式によって埋葬される。
c0128628_9275310.jpg

友人がDom(ケルン大聖堂)の夜間コンサートに行くというので、
ご一緒した。夜9時から一時間あまり。会場についたら、すでに
Domの中は人でいっぱいだった。全体で、4、500人もいただろうか。
素晴らしい演奏だった! この大聖堂自体が一つの楽器のようになって、
オルガンの響きが堂内に響きわたっていた。
c0128628_9291338.jpg

堂内には、すばらしいステンドグラス、柱という柱には、諸聖人の像が
刻まれているのだけれども、これは、聖クリストファーのもの。
旅行の守護神と言われている。
今度のヨーロッパ行きでは、多くの人に、テロや事件に巻き込まれないように、
と注意を受けた。注意していてもどうにもなるものではないが、結果的に
何ごともなかったので、本当にやれやれと思っている。
c0128628_9294329.jpg

昔よく歩いたところ、そんな場所をぶらぶらと歩けて大変満足した。
昔、住んでいたアパート。オレンジ色のビルの3階に住んでいた。
c0128628_930103.jpg

よく行ったケルンの植物園、Flora. どこに何が植えられているか
熟知しているので、歩いていて楽しかった。

今度の飛行機は、ルフトハンザ機で、鉄道の切符も込みになっている便。
羽田→フランクフルト、そこからICE(特急)でケルン中央駅まで。
そのルートは、よく利用したことがあるので、私にはなじみがある。
大好きなドイツ鉄道にも乗れてうれしかった。
c0128628_9304510.jpg

ケルン駅と大聖堂の裏手に、ライン川が流れていて、その鉄橋の金網に
たくさんの錠前が掛けてあるのに、以前から気づいていた。
帰国するとき、時間が十分あったので、そのおびただしい錠前を見に行った。
若者たちが恋人と永遠の愛を誓いあって、そこに錠前をかけておくの
だという。そういう習慣は、世界のいろいろな場所で見られるようだが、
金網の塀が重そうで、なんだか痛ましく感じた。

# by tamayam2 | 2016-08-19 09:31 | たび | Trackback | Comments(10)

【711】梅雨明けはまだかなぁ~

☆足立区生物園で
c0128628_21271323.jpg

この枯葉のようなもの、これは、ちょっと怪しい。
全然動かない。でも、じっと眺めていること20分。
少し動きがあってテキは静かに回転しはじめた。
c0128628_21275791.jpg

ああ、やっぱり! 触覚や眼、足を確認することができた。
このチョウは、非常に動きに乏しいのだ。
コノハチョウ【タテハチョウ科】Kallima inachus

c0128628_21284693.jpg

一瞬、ちょっと翅を開きそうになって、オレンジ色
の光が見えた。2.5mほどの樹なので、上からのぞき
見ることができないのが残念。本来は、オレンジ色と青の構造色が
光っているはず。

目白から高田馬場にかけて、山の手線は、
地面より高いところを走っている。いつもは電車の車窓から外を
眺めるだけだが、先日は、線路際の道を土手に沿って歩いた。
そうしたら、土手をびっしり覆っているカラスウリの花に出会った。
c0128628_21292987.jpg

昼間は、こんな姿だが、日没から深夜にかけて、ゆっくりと白い
網状の花びらが開花するという。
c0128628_21303191.jpg

深夜に観てみたいが、それは…ちょっと危険な感じのする場所だった。
カラスウリの原産国は、中国/日本。Trichisanthes cucumeroides【ウリ科】
c0128628_21305187.jpg

7月も半ばを過ぎたというのに、東京地方は、まだ梅雨が明けない。
時には折り畳み式傘では間に合わないような驟雨に見舞われる。
かと思うと、カンカン照りの真夏の太陽。
先日、私が関係する集会でお出ししたのは、水大福
ウチの近くの餅菓子屋さんで売っているのだが、この季節に、
いつも喜んでいただける。本物の笹の葉に包まれたコシあんが
つるりと口に入ってしまう。
おりおりの和菓子は、いいなぁ~

☆再び、足立区生物園で
蝶を放し飼いにしている温室の中で、とても小さいシジミチョウ(1円玉大)がいた。
舞うたびに、チラリと青い翅が光る!
c0128628_21322358.jpg

何というチョウかなぁ?と独り言。すると、そばにいた青年が、
即座に“ツシマウラボシシジミ”!
わぁ~、すごい人! こんな舌を噛みそうなチョウの名を一気に言えるなんて!
ツシマウラボシシジミ Pithecops fulgens tsushimanus【シジミチョウ科】
c0128628_21324685.jpg

この蝶の食草は、ここではハエドクソウ。極小の花は撮影が非常に難しい。
ハエドクソウ Phryma leptostahya asiatica【クマツヅラ科】
極小のチョウと花を撮り終えると、体の力が一気に抜けて、汗が
どっと吹き出た。なにしろ、ここは温室だし…。

このチョウは絶滅危惧種なので、足立生物園では保護育成をしている。
一つの区の事業としては、なかなか夢がある仕事ではないだろうか。
チョウの育成活動については、このページで。

# by tamayam2 | 2016-07-21 21:37 | 日々のできごと | Trackback | Comments(4)

【710】東京23区 足立区と港区

東京23区 所得別ランキングというのが
新聞に出ていた。 
c0128628_2125537.jpg

     上は。 宮古島のウマノスズクサ(都薬用植物園で撮影)
人さまの懐具合を知ったところで、どうにもならないし、まして、
ランキングなんて、下世話な話ですが…どれどれ自分の住んでいる区
は、何位なのだろうと関心をもって見てしまった。
c0128628_21224998.jpg

           上は、ジャコウアゲハ♂
それによれば、最下位が足立区だそうだ。     
前回「709」でご紹介したレトロな眼医者さんのあるのは、足立区。私の住む都内西部の
中野区からは、都の中心部をまたいで、東北部へ、電車を乗り継いで、一時間は
かかる。私は時折、足立区生物園というミニ動物園に出かけるが、
その度に足立区の子供たちをうらやましく思う。
 そこで働いている若い職員は、「生活のためだから」と仕事に従事している
というより、動物のことが好きでたまらないという風だ。しかも、動物の生態
を熟知していて、何を聞いても親切に答えてくれる。この生物園には、チョウの
ための温室と、それとは別にチョウの食草を育てている温室がある。
c0128628_21255171.jpg

         上は、満州のウマノスズクサ(小石川植物園で撮影)
絶滅危惧種を卵から孵化し、チョウの温室に放っている。特に大きい
施設ではないが、よく工夫されていて、子供たちに生命の不思議さを
よく伝えている。それが、23区の一つの区の事業なのだ。

足立区生物園のHPは、ここ
c0128628_2132387.jpg

           上は、ジャコウアゲハ♀
一方、23区の最高位は、どこかというと、ご想像通り
港区なのだ。友人に、六本木の交差点近くに住む人がいて
ときどき訪問する。その方の話によれば、港区は福祉の面では、
他区より満足度が高いものの、医療機関には不満が多いと
とおっしゃるのだ。例えば、入れ歯の噛み合わせが悪くて近所の
歯医者に行けば、その医者の関心は、もっぱら歯を白く見せる
ことだの、歯並びだの、美容歯科に関することで、フツーの歯科医を
見つけるのに苦労したとのこと。皮膚科や内科も同じような傾向が
あって、結局歩いて行ける範囲に良医が見つからず、ランキング15位
のわが区、中野区の医療機関に通って来ているのだった。
c0128628_21261437.jpg

         上は、ぺルーのウマノスズクサ(京都府立植物園で撮影)
米国でも同じような傾向があるらしく、ロサンゼルスの高級住宅街に
住んでいる娘は、一般的な小児科医や、歯科医を探すのに苦労していた。
上には上の悩みがキリなくあろうが、風邪を引いたり、歯が痛くなったり
したときのフツーの病気に対処してくれる医療機関も地域にあらまほしい。

# by tamayam2 | 2016-07-09 21:26 | 日々のできごと | Trackback | Comments(6)

【709】東京点描・6月から7月へ

いやぁ~ 暑くなりました。東京は、まだ梅雨明けではありません。
そろそろね。
c0128628_1875617.jpg

Tamayam2はあちこち都内を動き回っております。
① これは、北千住からバスに乗って出かけたときのこと。
  車窓から、非常にレトロな建物を見たので、帰りにバスを降りて、
  撮影してきました。「大橋眼科」という今も開業中の目医者さん。
  あ~、目が悪くなったら、ここに通って、内部も撮影させて
  もらいたいものだ。
c0128628_1882092.jpg

  調べてみれば、この建築自体は、1982年の建築。元の医院は、
  1917年(大正6年)に、当時の大橋院長が、ドイツ民家ふうの建築を
  建てたそうです。その方は、亡くなって後を継いだ鈴木という眼科医が、
  初代の建築の面影を残すように考えて、再建されたそうです。
  一つ一つ、古い洋館の材料を集めて…。なかなかよい話ではありませぬか。
  ぺらぺらの洋館まがいが多い中で、じつに本格的。
  下町には、そういう奇特なお医者様が住んでおられるようです。

② 先週は、六本木のミッドタウンを通りました。無機質な地下通路に
  丸い大きな大理石がころん、と転がっているのは、なんだかいい感じ。
  そこを通るとき、ちょっと触れてみたい気がします。
c0128628_1884322.jpg

  天井近い壁に、水に染みのような影が見えるのは、ガラス天井を
  クリーニング中だからです。梅雨明け間近の風景です。
  安田侃作「意心帰」2006年

③ アメリカ西海岸の娘宅に、こんな黄色のトラ模様のチョウが現れたと
  連絡がありました。チョウの話など特にしたこともないのに、へっへ、
  だんだん彼らも私の趣味に感化されつつあるなぁ~、とニンマリしました。
c0128628_1891331.jpg

  調べてみれば、Tigar swallowtailという割に普遍種だった。
  娘の夫の故郷コネティカット州(東部)では普通に見られるとか。
  ともかくトラフ(虎斑)、つまり虎のような模様が特徴的です。
c0128628_189325.jpg


  日本では見たことがない種類でうれしかった。今後は密かに
  彼らをこの世界に誘い、昆虫の話をしてみたいものです。
  Papilio rutulus【アゲハチョウ科】

④2日土曜日、所用があって新宿西口から、南口の高島屋へ向かっていた。
 いつものように、サザンテラス側から橋を渡ろうとしたら、な、何だ!
 手前に広い空間ができていて対岸の高島屋まで徒歩で行けるではないか!?
c0128628_1895895.jpg

その空間には、すてきな花壇まで広がっていて、子供たちがSHINJYUKUの
ロゴの周りで遊んでいた。MIRAINA TOWER(未来なタワー)という新名所。
c0128628_18102378.jpg

「未来な」という新しい造語を一つ覚えた。(個人的には、こういう創作を、
 あまり評価しないが・・・)

⑤そのMIRAINA TOWERの前には、美しい人口庭園が造ってある。
 その下は電車の走る線路なので、言ってみれば“空中庭園”である。
 そこに植栽されている植物の中で、ひときわ涼し気で美しい花を
 咲かせていたのが、この写真のセイヨウニンジンボク。葉をもむと、
 よい香りがする。西洋では女性ホルモンの漢方薬として使われる。
 私が初めてこの植物を見たのは、トルコの古い遺跡でだった。
c0128628_18201875.jpg

 珍しい植物だなぁ~と思って葉を一枚採って香りをかいでみた。
 それが、大都会の“空中庭園”に植わっているとは!?
 なんだか不思議な気がする。
 Vitex agnus-castus(シソ科)英語は、Chaste tree
下の2枚は、2008年8月に初めてトルコを訪問したときのもの。
ベルガマのアクロポリス神殿近くの円形劇場のあたりで。
c0128628_18113189.jpg

c0128628_18204989.jpg

 この植物の原産地は、南欧、西アジア、南アジアということだから、
 トルコにあってもおかしくない。“空中庭園”の下は、JRの電車が
 走っている線路なので、乾燥と暑さに強い植物である必要がある。
 セイヨウニンジンボクは、その条件によく適応しているのだろう。

# by tamayam2 | 2016-07-04 18:14 | 日々のできごと | Trackback | Comments(2)