2012年 01月 25日

ケセン語ってご存知でしょうか?
東北地方の宮城県気仙沼市近辺の方言というより、
岩手県陸前高田市、大船渡市辺りの方言をケセン語と
言うようです。
ここに長年住み、医院を開業している
山浦玄嗣(はるつぐ)というお医者様がおられます。
この方は、土地の人に聖書の言葉を伝えたくて、
ケセン語訳聖書(4つの福音書)を出版されました。
震災の起こるずっと前のことです。

聖書の中の言葉、例えば、
「心の貧しい人は、幸いである。天の国は、その人たちの
ものである。」 マタイ5章3節 新共同訳
ケセン語訳では、このようになります。
「頼りなぐ、望みなぐ、心細い人ぁ、しあわせだ。
神様の懐に抱がさんのぁ、その人達(ひだぢ)だぁ。」
心の貧しい人とは、だれのことだろう?
凡人には、よ~くわかりません。でも、この訳なら
わかります。
「頼りなぐ、望みなぐ、心細い人」のことなんですね。
震災後の日本人は、みな「心貧しい人」です。
山浦氏は、震災後、とても有名になられましたから
ご存知の方もおられるでしょう。ケセン語のことは
こちら のページがくわしいです。または、こちら。
大震災に遭われた方々の中にこんな方がおられたのですね。
聖書のような世界中の人が知っている書物を、
ギリシャ語から、ケセン地方の庶民、だれにでもわかる言語に
意訳して、伝えようするその情熱はどこから来るのでしょうね。
翻訳の言葉は、とかくわかりにくいもの。掻痒隔靴(そうよう
かくか・・・靴の上から痒いところを掻くようなもの)の感が
あります。でも、山浦先生のケセン語の聖書は、ケセン語の人
たちに直接訴えかけるわかりやすさと温かみがあります。

山浦先生のことを知ったのは、
最近出版された「イエスの言葉 ケセン語訳」
文春文庫839 2011年12月20日出版で。
東北地方の方だけでなく、日本語の豊かさに関心のある
方々に読んでいただきたい一冊です。


























